印象に残った夢

月澄狸

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夢の猫

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 家の前の道。少し広くなっていて、脇に枯れた水路だか川がある。その中に点々と猫の死骸が転がっている。近所のおばちゃんが疲れた様子で「なんとかならないもんかねぇ」とかおっしゃっていた。

 私は一匹の生きた猫を抱いて、おばちゃんと、その息子さんか誰かと出かけていった。
 近所の猫は、おばちゃんの飼い猫というわけではないのかもしれないが、主におばちゃんが面倒を見ている、野良猫みたいな感じか。

 しかし、「おばちゃんの猫」みたいな感じなのに、おばちゃんたちは私に猫を抱かせたまま帰ってしまったようだった。
 えっ、猫どうするの? おばちゃんに聞いとけば良かった。

 私も猫を抱いたまま帰ろうかと思ったが、おばちゃんは、危険な家のまわりから、この猫を遠ざけたかったのかもしれない。なら家から遠いこの場所で猫を放してあげた方が良いかもしれない。

 球場のような、公園にも見える場所で、私は抱いた猫と会話する。
 いつまでもこうしていられたらいいのに。私の腕の中に抱いたままならば、変な虐待犯からも、理不尽な現実からも守ってあげられるのに。
 ここでこうしているならば、穏やかな時が流れているだけ。けれどいつまでもこうしているわけにはいかないのだ。





 私はたしか5回くらいは(現実で)猫の死骸を見たことがあります。
 この間は車道の脇で鳩の死骸を見ました。鳩の死骸は前にスーパーの駐車場でも見たはず。

 生きた者とは上手に仲良くできないけど……そして他の人がどのくらいの頻度で動物の死骸を見るのか分からないけど……動物の死骸との縁(?)はけっこう深い(?)です。
 カメやヘビやカマキリの死骸が多いのは田舎だからか。

 大事にしたい存在。傷つけたくないもの。守りたいものとの穏やかな時間。時が止まったように、ぎゅっと抱きしめて逃がさずにいられるならば、悲しい現実は訪れないかもしれない。などと夢を見てしまいますね。

 駆け回ったり羽ばたいたり、せわしなく生きていたはずである動物たちが死骸となって動かない様も、まるで時が止まったようですね。本来ならば土に還るのでしょうが、ドバトや猫は外来種であり本来ここにはいなかったかもしれないといえば、そうなのかも。



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☆ ★ ☆ ★

こちらは以前投稿した短編小説です。宜しければ覗いていってください。


↓人とロボットが共に暮らす世界を舞台にしたSF風ファンタジー
からくりの鼻唄

↓生き物たちが登場する童話風ファンタジー
月色の夏

↓夢の中をイメージした幻想系作品
ドッペルゲンガー

↓少女と観覧車の物語
ここよりずっとたかいところ

↓ハト好き男のコメディ
ハトにパンを

↓カビが主人公のパニックホラー風
風呂場カビの逆襲




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