18 / 29
夢の猫
しおりを挟む
家の前の道。少し広くなっていて、脇に枯れた水路だか川がある。その中に点々と猫の死骸が転がっている。近所のおばちゃんが疲れた様子で「なんとかならないもんかねぇ」とかおっしゃっていた。
私は一匹の生きた猫を抱いて、おばちゃんと、その息子さんか誰かと出かけていった。
近所の猫は、おばちゃんの飼い猫というわけではないのかもしれないが、主におばちゃんが面倒を見ている、野良猫みたいな感じか。
しかし、「おばちゃんの猫」みたいな感じなのに、おばちゃんたちは私に猫を抱かせたまま帰ってしまったようだった。
えっ、猫どうするの? おばちゃんに聞いとけば良かった。
私も猫を抱いたまま帰ろうかと思ったが、おばちゃんは、危険な家のまわりから、この猫を遠ざけたかったのかもしれない。なら家から遠いこの場所で猫を放してあげた方が良いかもしれない。
球場のような、公園にも見える場所で、私は抱いた猫と会話する。
いつまでもこうしていられたらいいのに。私の腕の中に抱いたままならば、変な虐待犯からも、理不尽な現実からも守ってあげられるのに。
ここでこうしているならば、穏やかな時が流れているだけ。けれどいつまでもこうしているわけにはいかないのだ。
*
私はたしか5回くらいは(現実で)猫の死骸を見たことがあります。
この間は車道の脇で鳩の死骸を見ました。鳩の死骸は前にスーパーの駐車場でも見たはず。
生きた者とは上手に仲良くできないけど……そして他の人がどのくらいの頻度で動物の死骸を見るのか分からないけど……動物の死骸との縁(?)はけっこう深い(?)です。
カメやヘビやカマキリの死骸が多いのは田舎だからか。
大事にしたい存在。傷つけたくないもの。守りたいものとの穏やかな時間。時が止まったように、ぎゅっと抱きしめて逃がさずにいられるならば、悲しい現実は訪れないかもしれない。などと夢を見てしまいますね。
駆け回ったり羽ばたいたり、せわしなく生きていたはずである動物たちが死骸となって動かない様も、まるで時が止まったようですね。本来ならば土に還るのでしょうが、ドバトや猫は外来種であり本来ここにはいなかったかもしれないといえば、そうなのかも。
私は一匹の生きた猫を抱いて、おばちゃんと、その息子さんか誰かと出かけていった。
近所の猫は、おばちゃんの飼い猫というわけではないのかもしれないが、主におばちゃんが面倒を見ている、野良猫みたいな感じか。
しかし、「おばちゃんの猫」みたいな感じなのに、おばちゃんたちは私に猫を抱かせたまま帰ってしまったようだった。
えっ、猫どうするの? おばちゃんに聞いとけば良かった。
私も猫を抱いたまま帰ろうかと思ったが、おばちゃんは、危険な家のまわりから、この猫を遠ざけたかったのかもしれない。なら家から遠いこの場所で猫を放してあげた方が良いかもしれない。
球場のような、公園にも見える場所で、私は抱いた猫と会話する。
いつまでもこうしていられたらいいのに。私の腕の中に抱いたままならば、変な虐待犯からも、理不尽な現実からも守ってあげられるのに。
ここでこうしているならば、穏やかな時が流れているだけ。けれどいつまでもこうしているわけにはいかないのだ。
*
私はたしか5回くらいは(現実で)猫の死骸を見たことがあります。
この間は車道の脇で鳩の死骸を見ました。鳩の死骸は前にスーパーの駐車場でも見たはず。
生きた者とは上手に仲良くできないけど……そして他の人がどのくらいの頻度で動物の死骸を見るのか分からないけど……動物の死骸との縁(?)はけっこう深い(?)です。
カメやヘビやカマキリの死骸が多いのは田舎だからか。
大事にしたい存在。傷つけたくないもの。守りたいものとの穏やかな時間。時が止まったように、ぎゅっと抱きしめて逃がさずにいられるならば、悲しい現実は訪れないかもしれない。などと夢を見てしまいますね。
駆け回ったり羽ばたいたり、せわしなく生きていたはずである動物たちが死骸となって動かない様も、まるで時が止まったようですね。本来ならば土に還るのでしょうが、ドバトや猫は外来種であり本来ここにはいなかったかもしれないといえば、そうなのかも。
10
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
うだつの上がらないエッセイ集(たまに自由研究)
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
今日もうだつが上がらなかった。
でもまあ良いじゃないか。うだつの画像ならネットにたくさんある。うだつが見たければ画像検索すればいい。
そんなうだつとは防火壁のこと。炎上対策は大事だね。
※この作品はエッセイ集のため、気になったページをパラパラめくるとか、好きなところから好きなように読んでいただけると嬉しいです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
うだつの上がらないエッセイ集(2)
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
なんてことはない文章の集まりです。「2」とありますが基本的に一話完結の予定で、前作の内容は忘れましたのでどなた様でもお気軽にどうぞ。ただ作者はどネガティブなので、お気軽に開いた結果どんよりとした気持ちにさせてしまったらすみません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる