295 / 400
生き遅れ
しおりを挟む
早く失恋してしまいたい
忘れりゃいいんだよ
誰にも言ってない
バレていやしない
そーっと忘れるんだ
ちょっとずつでもいい
商品を棚に戻すように
危険生物から後ずさりするように
虫を元の場所へ逃がすように
そうすりゃ何事もなし
平穏な日々の延長だ
誰にも言ってないのは幸い
想ったことさえ忘れりゃあ
自分でもスッキリだ
「そんなん思ったことありましたっけ?」
「そんな時期もあったっけね」って
そう幻想
ただの夢
妄想によるでっち上げ
目ぇ見開いてよく見ろ
私は何も築き上げていないから
どこにも何もないんだよ
忘れることは
「失恋」って言えるんだっけ?
知るか恋愛の専門用語なんか
人生経験が未熟すぎるんだ
年齢ばかり上がって世間知らず
そんなんだからこんな所で躓くんだ
進め
何も持ってないんだから
立ち止まるな
何も持ってないんだから
万が一振り向かれても
振り向かれてはいけないだろう
私は恐怖に取り憑かれ
過剰防衛で殺気立っているのだから
何がしたいんだ一体
その気がないのなら
メスのように振る舞うんじゃない
隙を見せるな
弱みを握らせるな
寂しそうな素振りをやめろ
弱々しく鳴いてみせるな
被害者ぶるな
孤独アピールするな
発情期は中学生とか高校生頃から
ゆっくり伸ばしてゆくもんだ
憧れたり嫌悪したり
行きつ戻りつ目覚めるもんだろ
若者の時期に恐怖に取り憑かれて
ねじ曲がってしまったのなら
変な持論を振りかざしたなら
こじらせ切ればいい
こじらせてこじらせて
一周回って元通り
「恋愛感情が分からない」
そのまま二度と芽吹かなくていい
「私分からないんです」
防衛本能だけを胸に
常に攻撃態勢を整えたまま
あとは何も知らないフリをしろ
今から発情期なんて間に合わんぞ
押し込めろ
もしくは乗り越えろ
世間の人は年相応にちゃんとしている
年齢ごとに段階を追って成長してるんだ
追いつけない
もう間に合わない
後を追おうとするな
どうせ世間知らずなら
そのまま変人を貫け
横道に逸れてぶっ飛べ
道を歩けなかったなら道から外れろ
年齢も外見も関係ない
自分が理想とする美しい魂に化けろ
誇り高くなれ
中身が伴っていなくても
気高くあれ
おとなしくしていれば誰も見向きもしないんだ
冷静に意見できれば人として認められるんだ
静かに年相応に
空気を読んで佇んでいればそれでいい
*
あーあ
人間の感情なんて分からなかったのに
歩み寄ろうとした
理解しようとしたがために
人間の本能に火がついてしまったんじゃないか
なぜ人間になりたいなどと思ったんだ
なぜ人の気持ちが分からないなどと悩んだんだ
なぜ分かるフリをして人間ぶった
染まってしまっただろう
一生分からないままでいれば良かったじゃないか
わずかに存在した
自分の人間離れした領域が
人間的本能に押しつぶされてしまった
あれでコネクトして
創作に繋げる気じゃなかったのか
人の気持ちが分からないことこそ
私の個性じゃなかったのか
今やただの人間もどき
天才でも秀才でも凡人でもない
変人にもなりきれない
何が分かっているわけでもなく
かといって染まっていないわけでもない
なんの面白みもない
どっち付かずの宙ぶらりんだ
こんなことで何ができる?
しかし世間を知らないままでは
身も守れず責められただけ
なぜ責められているか
なぜこんな目に遭うか知りたかった
けれど大方予想は付いた
分かった
知れたんだ
馬鹿馬鹿しいだけだよ
「私が悪いのか」なんて
善も悪もない
自己中なだけだ
世界の8割は劣情を秘めている
それに心を痛めて
善か悪かでまともに悩むなんて馬鹿だ
暴力が支配する世界なんだよ
吠え返す力がないなら逃げるか隠れるかしろ
倫理も正義も信念も存在しないのだから
恐れるほどのことはないようでいて
大いに恐れるべき力関係
弱々しく惨めな女の恐怖心
この真実を知りたいがために
他のすべてを犠牲にしたのだ
ならそれで良いじゃないか
たかが性別的本能ごときに
自分の考え方や感性までも
すべて食い潰され
人生を捧げる
そういうことで
多くの才能が消えていったのではないか
しかし回せばいい
蔑むな見下すな
敵を増やすだけだぞ
家庭を顧みないなら家庭を作るな
責任負いたくないなら誰とも関わるな
恋を選ばないなら流されるな
何にせよ本能に支配されずに
この人生賭けて生物実験だ
このまま最後まで生きればどうなるか
本能が見せるアホな夢
現実も理性も無視する幻想
早く失恋してしまいたい
忘れりゃいいんだよ
誰にも言ってない
バレていやしない
そーっと忘れるんだ
ちょっとずつでもいい
商品を棚に戻すように
危険生物から後ずさりするように
虫を元の場所へ逃がすように
そうすりゃ何事もなし
平穏な日々の延長だ
誰にも言ってないのは幸い
想ったことさえ忘れりゃあ
自分でもスッキリだ
「そんなん思ったことありましたっけ?」
「そんな時期もあったっけね」って
そう幻想
ただの夢
妄想によるでっち上げ
目ぇ見開いてよく見ろ
私は何も築き上げていないから
どこにも何もないんだよ
忘れることは
「失恋」って言えるんだっけ?
知るか恋愛の専門用語なんか
人生経験が未熟すぎるんだ
年齢ばかり上がって世間知らず
そんなんだからこんな所で躓くんだ
進め
何も持ってないんだから
立ち止まるな
何も持ってないんだから
万が一振り向かれても
振り向かれてはいけないだろう
私は恐怖に取り憑かれ
過剰防衛で殺気立っているのだから
何がしたいんだ一体
その気がないのなら
メスのように振る舞うんじゃない
隙を見せるな
弱みを握らせるな
寂しそうな素振りをやめろ
弱々しく鳴いてみせるな
被害者ぶるな
孤独アピールするな
発情期は中学生とか高校生頃から
ゆっくり伸ばしてゆくもんだ
憧れたり嫌悪したり
行きつ戻りつ目覚めるもんだろ
若者の時期に恐怖に取り憑かれて
ねじ曲がってしまったのなら
変な持論を振りかざしたなら
こじらせ切ればいい
こじらせてこじらせて
一周回って元通り
「恋愛感情が分からない」
そのまま二度と芽吹かなくていい
「私分からないんです」
防衛本能だけを胸に
常に攻撃態勢を整えたまま
あとは何も知らないフリをしろ
今から発情期なんて間に合わんぞ
押し込めろ
もしくは乗り越えろ
世間の人は年相応にちゃんとしている
年齢ごとに段階を追って成長してるんだ
追いつけない
もう間に合わない
後を追おうとするな
どうせ世間知らずなら
そのまま変人を貫け
横道に逸れてぶっ飛べ
道を歩けなかったなら道から外れろ
年齢も外見も関係ない
自分が理想とする美しい魂に化けろ
誇り高くなれ
中身が伴っていなくても
気高くあれ
おとなしくしていれば誰も見向きもしないんだ
冷静に意見できれば人として認められるんだ
静かに年相応に
空気を読んで佇んでいればそれでいい
*
あーあ
人間の感情なんて分からなかったのに
歩み寄ろうとした
理解しようとしたがために
人間の本能に火がついてしまったんじゃないか
なぜ人間になりたいなどと思ったんだ
なぜ人の気持ちが分からないなどと悩んだんだ
なぜ分かるフリをして人間ぶった
染まってしまっただろう
一生分からないままでいれば良かったじゃないか
わずかに存在した
自分の人間離れした領域が
人間的本能に押しつぶされてしまった
あれでコネクトして
創作に繋げる気じゃなかったのか
人の気持ちが分からないことこそ
私の個性じゃなかったのか
今やただの人間もどき
天才でも秀才でも凡人でもない
変人にもなりきれない
何が分かっているわけでもなく
かといって染まっていないわけでもない
なんの面白みもない
どっち付かずの宙ぶらりんだ
こんなことで何ができる?
しかし世間を知らないままでは
身も守れず責められただけ
なぜ責められているか
なぜこんな目に遭うか知りたかった
けれど大方予想は付いた
分かった
知れたんだ
馬鹿馬鹿しいだけだよ
「私が悪いのか」なんて
善も悪もない
自己中なだけだ
世界の8割は劣情を秘めている
それに心を痛めて
善か悪かでまともに悩むなんて馬鹿だ
暴力が支配する世界なんだよ
吠え返す力がないなら逃げるか隠れるかしろ
倫理も正義も信念も存在しないのだから
恐れるほどのことはないようでいて
大いに恐れるべき力関係
弱々しく惨めな女の恐怖心
この真実を知りたいがために
他のすべてを犠牲にしたのだ
ならそれで良いじゃないか
たかが性別的本能ごときに
自分の考え方や感性までも
すべて食い潰され
人生を捧げる
そういうことで
多くの才能が消えていったのではないか
しかし回せばいい
蔑むな見下すな
敵を増やすだけだぞ
家庭を顧みないなら家庭を作るな
責任負いたくないなら誰とも関わるな
恋を選ばないなら流されるな
何にせよ本能に支配されずに
この人生賭けて生物実験だ
このまま最後まで生きればどうなるか
本能が見せるアホな夢
現実も理性も無視する幻想
早く失恋してしまいたい
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【短編】怖い話のけいじばん【体験談】
松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。
スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる