せめく

であまいふれんど

友達が言った
「灰色は嫌いなんだよね」
「暗い歌は嫌いなんだよね」


あたしは灰色が好きだった
あたしは暗い歌が好きだった
でも灰色の絵を描いたら嫌がられる
暗い歌を歌ったら嫌がられる

あたしは絵を描けなくなった
あたしは歌を歌えなくなった

「こう言ったらどう思われるだろう」
「何を言われるだろう」

あたしは何も言えなくなった


あたしが変わったこと
友達は特に気にしていないみたい
絵を描かなくても
歌わなくても
喋らなくても
別にいいみたい

「側にいるだけでいい」
そう言えば聞こえは良いけど
君はあたしの何が好きなの？

あたしの「本当」は
君の「嫌い」ばかりなのでしょう？


あたしは友達を捨てた

全部切ってやる

心細い
悲しい

振り返ってどうする
また縛られたいのか

あたしには
あたしの好きなものを全肯定してくれる
あたしさえいればいい


否定しながら隣にいたあの子
何が好きか
何が望みか
あたしの気持ちなんかどうでもいい君


あたしは自由になる
この渦と輪廻から逃れてやる

ついて来ないで
誰も来ないで
もう誰かの話なんて聞かないから
耳を塞いでいたいから