せめく

人に厳しく自分に甘く

変な方向に威風堂々
無価値感を勢いで吹っ飛ばしたかった


人の罪には敏感で
みんなのことを悪者扱い

自分のことはヨシヨシと
慰め　棚に上げ　正当化

相手は決して許さない
自分にはとろけるほど甘く


ああ
何があったか知らないよ

泥の中から這い上がって
きたかもしれない君に対し
私のこの感情は同族嫌悪か

いいや違う
私は生ぬるく生きてきたのだから


「おまえが加害者だ」
こちらを無数の指で指されている気がする

何を言う
君たちだって同罪だろ


人のことばっかし
被害者ヅラしてキャンキャンと
吠えるときだけ威勢良く
全体的には弱者ぶる

そこまで吠えられるならもう
とっくに弱者じゃないでしょうが
立派な言葉の凶器だよ

自分が人に与えたかもしれないストレス
そこにはまったく頓着せず
自分が受けたものだけを延々と

「過去は克服した」と言い張りながら
私を捕まえては恨み言を垂らす君


ああ
やっぱり
形は違えど
辿った道の過酷さは違えど
同族嫌悪かね

君と私は似ている
違うか？

君は絶対否定するね


悪いね見苦しくて
悪いね被害者意識で
悪いね自分ばっかし正当化して
悪いねつまらない人間で


なんてもういい
もういいよと
また自分だけが自分を甘やかす

「許してあげる」
「ありがとう」

君の意見なんて知らなーい


変な方向に威風堂々
無価値感を勢いで吹っ飛ばしたかった

ただどうせなら
誰も巻き込まない変人になりたかったね

本当に
何にも左右されない
突き抜けた変人になりたかったね