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感化されてあっちにフラフラこっちにフラフラ

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 私は人の言うことにすぐ感化される。

 戦争を体験したおじいさんが「君が代は嫌い」と言っていたから私も嫌い。
 先生が「子供」という漢字が好きじゃないと言っていたから私も好きじゃない。
 アニメで「人間はひどい生き物だ」って言っていたから私もそう思う。


 でも感化され続けるので、右だと言われて「私も右派」と言ったあと左を見て「左も良いかも」と思ったりする。でも「右だ!」と宣言してしまった手前、簡単に変えることもできない。なのであとで左が良く見えてもしばらく黙っておく。
 その後忘れた頃に意見を変え、右・左・右・左と文字通り右往左往する。


 ところで一度言ったことを変えたくない心理のことを「一貫性の原理」と呼ぶらしい。

 これを利用して、約束を取り付けるときに相手に一度「良いよ」と言わせたあと条件のハードルを上げるなどすれば成功しやすいと黒い心理術の本に書いてあった。

 たしかに一度どこかに行くプランが決まって乗り気になってしまえば、どれだけ最初の計画と変わっても行こうとするし、最悪その場所に行けなくなったとしても他の場所に行こうかという気分になるかも。乗り気であることが条件だけど。


 ……そんなわけで……あれっ、何の話だっただろう。

 ……と、常に外的刺激に反応し流され続ける。自分の中で勝手に連想ゲームが始まるといった内的要因によっても流され続ける。そして気をつけないと私は短期間で矛盾した言動を繰り返している、らしい。

 矛盾したことを言っているとしても自分の中では言い分があるのだけれど、まわりの人からすると言うことがコロコロ変わる胡散臭い人間だと思われている……ような気がする。信頼を失わないような人格を持つって難しいな。

 矛盾を矛盾としない考え方、信頼を損なわない視野の広げ方を会得したいものだ。






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