上 下
161 / 171
男女云々というかもう、日記?

わからんループ

しおりを挟む
 私には女としての魅力がないと思っていた。性犯罪やセクハラには遭ったけど、そういうイカレた人に狙われる程度で、まともな人から相手されることはないと思っていた。
 実際、他に告白されたりしたことはない。まぁ私が引きこもりニート気質で、ちょっと男性から距離を詰められるだけでもビビって逃げるくらいだったから、まともな人からは手出しされなかったのかもだけど。

 女としての魅力がないと思っていたから、彼からのアプローチ、その後の展開はどこか非日常で、私の身に起きたこととは思えなかった。ドラマか何か見ているようだった。男性恐怖症が残っていたから恐れもあった。

 けれどもう今は現実として、馴染んできたんじゃなかろうか。男性恐怖症もマシになり、あるいは、怖い男性はいるけど彼なら信じられると、安心できたんじゃなかろうか。

 でもやはりどこか、夢見心地なのだ。職場の人だから会うのはしょっちゅう会うけれど、一緒に遊んだ時間はまだ、なんやかんやで少ないからか。期間的には半年くらい経ったはずだけど。憧れの人、私にとっても好きな人だった人が隣にいてくれるなんて。両想いだなんて。そしてアンチ恋愛派の私に「彼氏」とやらがいるなんて。やっぱりまだ飲み込めない。

 何が信じられないって、やはり私のような女のどこが良いのか分からないのだ。どっちかというとずっと嫌われ者キャラで来たはずだし。不細工だし。
 このような顔の見えない文章上では、「実はまぁまぁ可愛かったり美人だったりするのに、自分で不細工だと思い込んでいる」というオチもありえるわけだが、どうも客観的に見て不細工なのである。

 別に私は人のことを外見で判断しないつもりである。というより、それほど人間に興味がなくて、ファンタジーとかモンスターとか生き物とか、「人外」が好きなのだ。だからイケメン俳優が出ている恋愛ドラマを見たりなどは基本しない(※ジャンルに関わらず、めちゃくちゃ面白い作品は見るけど)。

 じゃあ彼も外見じゃなく、趣味が合うとか気が合うとか、中身重視では? と思ってみるわけだが、私は性格も悪い。これまた、普段の生活が見えない文章上では、「実はまぁまぁ普通の人間なのに、自己評価が著しく低い」という可能性もあるわけだが、これまた客観的に見て、思い込みとは思えない。普通に性格悪いし、おまけにポンコツだ。
 私からすればポンコツはおまけでも、上司とポンコツが付き合ってるってどういう状況なの。やはり分からない。

 けども。友情至上主義(のわりに友達がいない)私からすれば。友達ってのは、損得とかでなるようなもんじゃない。一緒にいて楽しいから、居心地が良いから、一緒にいたいから友達。友達であることを疑う理由もない。友達であることに理由などいらない。
 じゃ、恋愛も一緒じゃん。一緒にいたい、相手も一緒にいたいと思ってくれている、なら何も腑に落ちないことなくない?

 ……いや、友達と恋愛は一緒……なのか? 一緒じゃない? 何が違う? 分からない。

「分からない」んじゃなくて、理解することを避けてきたんじゃないか。恋愛とか結婚とかいう話題が苦手で。人も苦手で。恋愛と友達の違いだなんて、そもそも友達いないんだから分かるはずないじゃんか。

「友達いない」って。なんで友達いっぱいって思えないの?
 って。怖いんだ。相手は私のこと何とも思っていないのに、こっちだけ勝手に親近感抱いて、あの人もこの人も友達だと思い込んでいる、嫌われたり距離を置かれたりしても気づかない、寂しい人間なんじゃないかって。
 あるいは、友達だと思っていた相手から性的なことをされたこともあったように、私の脳内の距離感と、実際の状況が噛み合っていないかもしれないのだ。

 ああ、分からない。友情も恋愛も、ましてや結婚なんて。
 結婚の話は出ていないけど。性とは、人間関係とは、信頼関係とは何か。分からないのだ。

 分からないもんはしょうがない。と、自分を甘やかして、わからんループ。
しおりを挟む
感想 63

あなたにおすすめの小説

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

イソヒヨドリ(オス)とトンビを撮りました

月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
トンビはいつも気持ちよさそうに飛んでいますね。窓を開けてトンビを撮っていると、目の前にも鳥がやってきました。いつものヒヨドリさんだと思ってカメラを向けると……。

うだつの上がらないエッセイ集(たまに自由研究)

月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
今日もうだつが上がらなかった。 でもまあ良いじゃないか。うだつの画像ならネットにたくさんある。うだつが見たければ画像検索すればいい。 そんなうだつとは防火壁のこと。炎上対策は大事だね。 ※この作品はエッセイ集のため、気になったページをパラパラめくるとか、好きなところから好きなように読んでいただけると嬉しいです。

うだつの上がらないエッセイ集(2)

月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
なんてことはない文章の集まりです。「2」とありますが基本的に一話完結の予定で、前作の内容は忘れましたのでどなた様でもお気軽にどうぞ。ただ作者はどネガティブなので、お気軽に開いた結果どんよりとした気持ちにさせてしまったらすみません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...