男女について考える(ほとんど憶測と偏見とヒステリー)

月澄狸

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低用量ピルの服用を開始

避妊手術を前向きに検討……いややっぱまだ無理

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 ゲームだと「3回ミスったらアウト」「リセットできる」「そもそもゲームに飽きたらやめられる」など、多くのチャンスや自由、選択肢を与えられているが、人生は、一度起こしたことからは逃げられない。

 低用量ピルを服用すれば、ほぼ100%避妊できる。といっても、飲み忘れ、しかも飲み忘れたことに気づかなかったり、他の避妊方法に失敗したら終わりである。
 不安だからしょっちゅうアフターピルを取り寄せる? アフターピルの入手は決められた時間内に行わなければならない。それにも失敗するかもしれないし、処方してもらえない可能性もある。アフターピルはあくまで緊急時のもので、そんなポンポン求めていいものじゃないのだ。また、低用量ピルも月額制みたいなものだが、アフターピルも高い。

「大丈夫だろう」という言い訳はいくらでもできる。が、結果として子どもができてしまったら、それはもう変えようがない。事実が勝手に消えてなくなることはない。
 女性の誰もが「子を産み育てたい」と思えるわけじゃない。私は子どもはいらない。だから恋愛をしたくなかったし、男性を避けていた。でも彼のことが好きになってしまった。子どもは嫌だけど、彼と一緒にいたいと思った。

 いつまで一緒にいられるか。望んだ形……変わらない私たち、または良い方向に変わった状態で一緒にいられるか。病気とか介護とか、辛い目に遭うか。それはどうなるか分からない。
 でも妊娠は「どうなるか分からない」じゃなく、起こるときは起こる。体の反応? 構造? 仕組みだ。トイレとか食事とかと同じ、そういう臓器とか機能がついているのだ。


 母は「できたら中絶するなんて最低。できたら産む、それが覚悟というもの。その覚悟がないんだったら避妊手術してしまえ」と言っている。

 手術……怖い。注射も苦手なのに手術なんて。
 でも出産も中絶もどの道痛い。

 何もそこまでしなくたって、低用量ピルを飲んでいれば妊娠しない「かも」しれない。でも飲んでいても妊娠する「かも」しれない。
 もし飲み忘れたら。飲み方が悪くて効果が弱まっていたら。

「かも」。「可能性」。「%」。
 たった一回でも、子どもができてしまったら(私にとっては)終わりだ。

 私は「彼」とずっと一緒にいたいのだ。子どもが欲しいんじゃないし、できていいわけでもない。しかし私のワガママで命を潰したくもない……。
 彼と「ずっと」一緒にいられるかどうかは、彼の選択でもある。私だけが決定できることじゃない。お別れになるかもしれない。でも「子どもができたら嫌だから別れましょう」か「別れたくない」だったら、「別れたくない」と思った。

 別れたくないけど、別れないということは、妊娠の心配がついて回る。
 手術は怖い。怖い、けど……。


 避妊手術、怖いけれど、終わってしまえば永遠の安心を手に入れられる。
 永遠の安心って言っても、失敗したり、妊娠能力が戻ってしまうこともあるとか聞いたんで、それも完全じゃないのかもしれないけど。
 でも妊娠能力が戻ったら生理がくるんじゃないの? そしたら分かる。
(※あとで知るのだが、避妊手術しても生理はなくならない。)


「この世の中を変える」「男性の意識を変える」「世界を変える」「男性の避妊意識を……」
 他人の意識や行動をどうにかすることは、私には無理。それは千度学んできた。どれだけ無意味に人と衝突し、険悪になり、そして何も変わらなかったことか。
 それぞれの信念や欲求、得手不得手がある。人は変わらない。

 じゃあどうする? 自分が動くしかない。変わる、逃げる、妥協する。色んな選択肢がある。


 私の妊娠能力をなくしてしまえばいい。最高じゃないか。
 頭では分かる。その方が安全だし、もう、このこと……性や妊娠について、悩む「必要」がなくなるのだ。必要がなくなっても、悩むかもしれないけれど。

 やってしまったことはしょうがないのだから、やってしまえば開き直れる。今までは、子どもを産み育てることができない、女としての劣等感があったが、妊娠能力をなくしてしまえばしょうがない。もう妊娠できないんだから。

 けれど手術が怖い。日を決めて、じわじわその日が近づいて、メスを入れられて……。痛そうで、怖くて、寝ころびながら考えていると、ゾッとして飛び起きてしまった。そもそも医療がなんだか苦手なのだ。

 いっそ通り魔に急に腹を刺されて、綺麗に妊娠能力だけ失うことができたなら……。
 いやいや、通り魔に刺されるなんて、手術の100倍痛いだろう。自分で手術を決めて病院に向かう恐ろしさはなくなるが、もっと痛いに違いない。しかもそんな上手くいくはずない。


 手術はやり方も確立されているだろうし、麻酔もかけてもらえるはず。怖くてしょうがないけれど、やってしまえば終わる。決めてしまえ、やってしまえ。

 けど、避妊手術って何するの? 子宮を取る? いや、「子宮外妊娠」とか聞くし、子宮だけ取ってもダメなのか。卵巣?

 そのへんって、女性ホルモンが分泌されているところじゃないの? それ取ってしまったら、ものすごくしんどくなるとかない? 更年期障害みたいな。
 低用量ピルなどの薬で副作用が強く出たら、飲むのをやめる選択ができる。でも手術で副作用というか後遺症みたいなのが強く出たって、やってしまったものはどうしようもないんじゃない? まさか女性ホルモンの錠剤を飲み続けないといけないとか……何かある?

 それに、避妊手術をするってことは、女性器としての機能を奪ってしまうってことだろう。低用量ピルは、疑似妊娠みたいな状況を作り出し、排卵を止めているらしくて、女性機能をなくしているわけじゃないんだけど。
 手術で何か取ったりしたら。もう、濡れたり快感を得たりしなくなるんじゃないの? 臓器(?)としての機能が消滅するんじゃないの?

 憶測だけであれこれ言うもんじゃないけど、一生影響することだし、薬と違ってやめられない。

 セックスが気持ち良くなくなって、なんとも感じなくなって、または痛みを感じるようになって、体がしんどくなって、それで結局彼とも別れたらどうしよう? 一体何のために手術したんだってことになったら? 後に何も残らないどころかマイナスだったら。


 いやいや、良い想像をしてみよう。仮に彼と別れたとしても(あんまり依存すると後がキツいだろうから、別れても問題ないように心の準備をしておく)、私は一生、「妊娠してしまったらどうしよう」という恐怖から解放されるのだ。

 今まで男がどう、女がどうと悩んでいたのも、結局妊娠の不安があるからだと思う。それがなくなってしまえば、もう心配いらないはず。そうすれば寛容になれるかもしれない。

 クマの殺処分に心を痛め、考えようと思えるのは、クマの脅威が目の前にないときだ。
 脅威から一歩離れたとき、人は共存について考えられると思う。


 今まで軽いセクハラとか下ネタっぽいことも(リアルでされると)怖かった。どこまで何をされるか分からないからだ。
 でも妊娠しなくなったら、心配事がだいぶ減るはず。

 そりゃ、ヤバい殺人鬼とかストーカーは世の中に存在するだろう。けれど凶悪犯になるほど突っ走るヤツはそこまで多くないはず……多分。

 私に性加害をした人は、私のことを愛していたと思う。ただ私がそれを愛だと捉えられず、無責任で非常識で危険な行為だとみなしただけだ。

 もう開通したんで、セックスの痛みの恐れはさほどない。
 さらに妊娠の恐れもなくなったら。恐れるべきことはだいぶなくなる。


 そうなりゃ、今までよりお気楽に生きていけるんじゃないか? 彼と別れたとしても、手術自体にメリットがあるならば、「何のためにここまで頑張ったんだ!」なんてこともない。自分がしたくて手術してもらっただけ、ということになる。
 煩わしい妊娠の心配、そしてあの生理もなくなる。そうしたら男性恐怖症や男性不信もだいぶなくなるはず。疑ったり怯えたりする理由が減る。

 生理がない。心配がない。超ラッキーじゃない?
(※あとで知るのだが、避妊手術しても生理はなくならない。)


 あとは……入院とか……何日くらいかかるんだろう。ひと月? 一週間? 開腹手術だよなぁ……。

 あと、ちらっと「母体保護法」とか見かけて不安になったんだけど。中絶は一応、何か理由がないと認められなかったはずだけど(金銭的に余裕がなくて子育てできないとか)、避妊手術は理由なく……理由というか事情なく受けられる? うちは機能不全気味だったし、祖父母は虐待親らしいから、私に子育ての能力は絶対ないと思うんだけど。「産みたくないんで手術してください」でいける? まぁ避妊方法の一つとして書いてあるくらいだから、受けられるはずだろう……。


 とにかく情報見ないとね。憶測であーだこーだ言っててもしょうがない。

 あーでも開腹手術、文字見るだけでお腹痛くなりそう。なんかキュッてなる。やだなぁ。

 あと30年くらい考えてからで良いかな? 心の準備が……。
 って、30年経ったら閉経しとるわ。
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