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謎ルートに入った
男性恐怖症やミサンドリー、克服かプラマイか、マイナスになるか
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中学生の頃に性被害に遭って以降、ずっと思考がそれへの恐怖で止まっていた。世の中、優しい男性もいるだろうに。男性とのコミュニケーションが分からない……距離感が不安……ずっとこのままなんだろうかと思った。
でもみんなもっと恋愛とか楽しんでいるはず。素敵な異性と出会っているはず。私も恋をすれば、トラウマとか男性恐怖症から逃れられるかもしれないと思った。男性に怯えて生き続けるのは疲れると思った。
けれど結局、妊娠を恐れて、不安のポイントがやや変わっただけで不安なのは変わらない気がした。まだ最初の方だからこうなのか。慣れてきたら思考が変わるのか。「案外子どもも育てられるかも」なんて思うのか。
こんな不安ばかり彼にぶつけていたら、そのうち「別れよう」と言われるかも。
それで自分が良いのなら良い。ただ厄介なことに私は、ずっと彼のことが好きだった。だから振り向いてもらえたとき嬉しくて、このチャンスを逃したくなかった。嫌われたくない。
空を飛んでいる鳥を見ながら思う。あの子たちみんな、親鳥にちゃんと育ててもらえたから、ああして立派な大人になって飛んでいるのだ。それがいっぱいいる。
動物は本能で生きているとか何とでも言えるけど、それだったら人間にも本能があったはず。人間の本能が失われていっているのか、搾取する者によって生きにくい方へ追い込まれているのか。陰謀論めいているけれど。
少子高齢化と言われて辛い。みんなが子どもを産んでくれていれば、私一人産まなくたって良いだろうに。
なんて、少子化ってことはみんな産んでいないってことで、それはそれでホッとできる人もいるはずだし、みんなが子どもを産んでいたら、「私一人産まないなんて」と、やはり劣等感が増すだろう。
鳥たちは立派にやっているのに、私は宙ぶらりん。何をしてもしなくても、何を言われても言われなくても、ずっとクヨクヨと恐れている。
結局私の性格の問題。ネガティブとしか言いようがない。根っからの落ちこぼれなのだ。
*
最近ちょっと幸せすぎて気が緩んでいた。
「中絶するなんて言われたら軽蔑する」「産む気がないならセックスするな」といった母からの批判は手厳しいが、そうだよなぁ……。「ピルを飲んだから中出し大丈夫かも」「安全日だからまぁ大丈夫かな」「我慢汁が中に入ったかもしれないけど、まぁ……」などと言っていてどうにかなったら、取り返しがつかない。
私だけで考えていたら、「ピルはまだいいか……大丈夫だろう……」と先延ばしにし続けるところだった。厳しく言われて良かった。
男性は性欲が強い(偏見)。セックスのために積極的になるし、「大丈夫だよ」といった言葉も多分言いがち。過信・楽観的・無責任・無理解・無関心というより、性欲に打ち勝てないのかもしれない(偏見)。そして女性は性というものを恐れ、疑心暗鬼になりがち(偏見)。
誰かがおっしゃっていたようにやはり、男と女は別の生き物なのか……。女性ってあまり性的な方へグイグイ行かないけど(偏見)、もしも男性まであまり性欲がなくて、女性と同じテンションだったら。
「セックス? うーん、あなたがしたいならやるけど……えっ、正直めんどくさい? だよね、私もそう思ってた。今日はいらないか」とか言って双方延々とウダウダして、人類滅ぶかも。知らんけど。
男性は性に積極的。女性は嫌がる。そんなこんなで今日まで来たんだろう、多分。
なぜ嫌がるかって? 「安心して産んで。子どもは俺が育てるから!」とかいうイメージがないから。男性は子孫を残すことのみに命を懸け、できた子どもには無関心。そういうイメージがあるから(偏見)。
「女って子どもを産み育てるのが好きでしょ?」「女だってセックスが好きでしょ?」とか?
男性から見て女性は一体どのように見えているのだろう。
いや、男とか女とか言ったって、私は女の出来損ないであり、母性が死んでるんだけど……。
仕事もできず(仕事=男性性?)、母性もなく、唯一の頼みの綱だった芸術性も……。
とかいう劣等感や、安心して話せる気の合う友達(頻繁に話せる人)がいない寂しさから、彼に縋り、恋に逃げているような気もする。「彼から愛されることで、私には唯一の存在価値ができた」と。何も上手くいかなかった私だが、何かが上手くいき始めた気がした。好転したように思った。不安もありつつ嬉しくて、楽しかった。
こんなあやふやなことでは、天罰が下りそうな気もする。が、許してほしい……妊娠しないでほしい……どうか。
*
改めて性の怖さを感じた。育てられる気がしないなら、気を引き締めねば。それかもう本当に決心を固めて別れて、二度と恋愛しないか。
でもなんというか、今まで誰からもあんまり愛されている実感を得られなかったのが、今になって愛を得られて、楽しい。楽しいじゃ済まされないけど。
当たり前のように私のことを考えてくださる。時間を割いてくださる。丁寧に、優しく扱ってくださる。それがこんな嬉しいことだったとは。今になって人間の温かさが身に染みる。
けれど男性嫌悪が残っている。そのことに罪悪感もある。彼にではないけれど、思ってもいないことを言ってしまう。
「以前はコミュニケーションが下手で人とぶつかりまくったし、その後は引きこもった。そして今必死でまわりの人と仲良くしようとしている。そうしないと延々と、仕事が続かず引きこもる羽目になり、生きていけないから。人を拒絶し、孤立していたら働けない。恋愛なんて本当はしたくなかったんだ。許されるならずっと一人で引きこもっていられたら幸せだったのに。創作が上手くいけば良かったのに」と。
いや、思ってもいないことというより……色んな気持ちがごちゃ混ぜで揺れている。オスとメスがいるのは地球のシステムであり、個人差とか性別による違いがあるのは仕方のないことなのに。彼が好きなのは本当のことなのに。離れたくないから断れなかったのに。性欲もたしかにあるのに。でも性のこと知らなかったし覚悟も足りなかった。
セックスしなくなったら男性とは友達に戻るだろう。いや、友達にも戻れないか。人によるけど私は職場の人間関係から始まったから……。どうなるか。
妊娠が怖い。でも離れたくない。たまに会い、表面的な話をする程度の友達じゃ寂しいのだ。
たくさん話せて一緒にいられる人でも、気が合わず常に否定されているように感じると、やはり寂しい。悲しい。
私がポンコツでも手伝って、色々教えてくださって、付き合おうとまで言ってくれた彼が好きだ。でもこれは私が弱って自分を見失っているだけなのか。
「自分がどうしたいか」なんて、今まで、考えても語っても上手く実行できず、思い通りにいかなかった。人生、有言不実行の連続だった。
だから麻痺していった。本当は喧嘩を吹っかけまくるのが私だが、仕事上で気持ちを堪えるのが癖になり、失言やら喧嘩をせずに済むようになってきた。
嫌われないように彼の機嫌を取りたくなる。これは甘えか依存か逃げか。こんな弱い心が愛と言えるのか。
孤独感を埋めるためにセックスを受け入れ、縋っているということならば、代償は大きそうな気がしてしまう。
恋ってそんなお気楽なものじゃなかったんだろう。それか、「子どもを産んでもやっていける!」と思える人だけが楽しめる。
そうでない人は恋すべきでないか……もっと避妊の方法が欲しい。少子高齢化対策とか言っている時代の流れに逆行しているけど。
自分は楽しくたって、もしも子どもができてしまったら。「堕ろすのは可哀想だから育てるか」と決意したところで、私が「できたら中絶する」派だったこと、子どもが欲しくなかったこと、いつか子どもの耳に入るだろう。怠惰なことも、自分が遊ぶことにしか興味ないことも、性格悪いことも、隠しきれないはず。
その前に、私は子どもを愛することができないだろう。私が一時の楽しさに身を任せたって、不幸がループする……いつか私は恨まれるのでは。産んでも中絶しても。……だから避妊しかない。
手術は怖いけれど、避妊手術も良いのかもな。「絶対子ども産まない、できたら堕ろす、って言うんなら手術しちゃえば」と母が言った。確実ならたしかにそれも良いような(まれに失敗するとか、妊娠能力が回復してしまう? とか書いてあったような。やり方によるのかな)。
とにかく低用量ピル、きちんと服用しよう。頑張ろう。絶対ではないらしいけど、それが現代においては一番確実な避妊方法らしい。なので信じるしかない。
というか私が飲み忘れたり、効果を下げるような使い方をすることなく、しっかり服用しなければならないのだ。私は抜けているから、自分で自分が信用ならないけど。やらなきゃ。
でもみんなもっと恋愛とか楽しんでいるはず。素敵な異性と出会っているはず。私も恋をすれば、トラウマとか男性恐怖症から逃れられるかもしれないと思った。男性に怯えて生き続けるのは疲れると思った。
けれど結局、妊娠を恐れて、不安のポイントがやや変わっただけで不安なのは変わらない気がした。まだ最初の方だからこうなのか。慣れてきたら思考が変わるのか。「案外子どもも育てられるかも」なんて思うのか。
こんな不安ばかり彼にぶつけていたら、そのうち「別れよう」と言われるかも。
それで自分が良いのなら良い。ただ厄介なことに私は、ずっと彼のことが好きだった。だから振り向いてもらえたとき嬉しくて、このチャンスを逃したくなかった。嫌われたくない。
空を飛んでいる鳥を見ながら思う。あの子たちみんな、親鳥にちゃんと育ててもらえたから、ああして立派な大人になって飛んでいるのだ。それがいっぱいいる。
動物は本能で生きているとか何とでも言えるけど、それだったら人間にも本能があったはず。人間の本能が失われていっているのか、搾取する者によって生きにくい方へ追い込まれているのか。陰謀論めいているけれど。
少子高齢化と言われて辛い。みんなが子どもを産んでくれていれば、私一人産まなくたって良いだろうに。
なんて、少子化ってことはみんな産んでいないってことで、それはそれでホッとできる人もいるはずだし、みんなが子どもを産んでいたら、「私一人産まないなんて」と、やはり劣等感が増すだろう。
鳥たちは立派にやっているのに、私は宙ぶらりん。何をしてもしなくても、何を言われても言われなくても、ずっとクヨクヨと恐れている。
結局私の性格の問題。ネガティブとしか言いようがない。根っからの落ちこぼれなのだ。
*
最近ちょっと幸せすぎて気が緩んでいた。
「中絶するなんて言われたら軽蔑する」「産む気がないならセックスするな」といった母からの批判は手厳しいが、そうだよなぁ……。「ピルを飲んだから中出し大丈夫かも」「安全日だからまぁ大丈夫かな」「我慢汁が中に入ったかもしれないけど、まぁ……」などと言っていてどうにかなったら、取り返しがつかない。
私だけで考えていたら、「ピルはまだいいか……大丈夫だろう……」と先延ばしにし続けるところだった。厳しく言われて良かった。
男性は性欲が強い(偏見)。セックスのために積極的になるし、「大丈夫だよ」といった言葉も多分言いがち。過信・楽観的・無責任・無理解・無関心というより、性欲に打ち勝てないのかもしれない(偏見)。そして女性は性というものを恐れ、疑心暗鬼になりがち(偏見)。
誰かがおっしゃっていたようにやはり、男と女は別の生き物なのか……。女性ってあまり性的な方へグイグイ行かないけど(偏見)、もしも男性まであまり性欲がなくて、女性と同じテンションだったら。
「セックス? うーん、あなたがしたいならやるけど……えっ、正直めんどくさい? だよね、私もそう思ってた。今日はいらないか」とか言って双方延々とウダウダして、人類滅ぶかも。知らんけど。
男性は性に積極的。女性は嫌がる。そんなこんなで今日まで来たんだろう、多分。
なぜ嫌がるかって? 「安心して産んで。子どもは俺が育てるから!」とかいうイメージがないから。男性は子孫を残すことのみに命を懸け、できた子どもには無関心。そういうイメージがあるから(偏見)。
「女って子どもを産み育てるのが好きでしょ?」「女だってセックスが好きでしょ?」とか?
男性から見て女性は一体どのように見えているのだろう。
いや、男とか女とか言ったって、私は女の出来損ないであり、母性が死んでるんだけど……。
仕事もできず(仕事=男性性?)、母性もなく、唯一の頼みの綱だった芸術性も……。
とかいう劣等感や、安心して話せる気の合う友達(頻繁に話せる人)がいない寂しさから、彼に縋り、恋に逃げているような気もする。「彼から愛されることで、私には唯一の存在価値ができた」と。何も上手くいかなかった私だが、何かが上手くいき始めた気がした。好転したように思った。不安もありつつ嬉しくて、楽しかった。
こんなあやふやなことでは、天罰が下りそうな気もする。が、許してほしい……妊娠しないでほしい……どうか。
*
改めて性の怖さを感じた。育てられる気がしないなら、気を引き締めねば。それかもう本当に決心を固めて別れて、二度と恋愛しないか。
でもなんというか、今まで誰からもあんまり愛されている実感を得られなかったのが、今になって愛を得られて、楽しい。楽しいじゃ済まされないけど。
当たり前のように私のことを考えてくださる。時間を割いてくださる。丁寧に、優しく扱ってくださる。それがこんな嬉しいことだったとは。今になって人間の温かさが身に染みる。
けれど男性嫌悪が残っている。そのことに罪悪感もある。彼にではないけれど、思ってもいないことを言ってしまう。
「以前はコミュニケーションが下手で人とぶつかりまくったし、その後は引きこもった。そして今必死でまわりの人と仲良くしようとしている。そうしないと延々と、仕事が続かず引きこもる羽目になり、生きていけないから。人を拒絶し、孤立していたら働けない。恋愛なんて本当はしたくなかったんだ。許されるならずっと一人で引きこもっていられたら幸せだったのに。創作が上手くいけば良かったのに」と。
いや、思ってもいないことというより……色んな気持ちがごちゃ混ぜで揺れている。オスとメスがいるのは地球のシステムであり、個人差とか性別による違いがあるのは仕方のないことなのに。彼が好きなのは本当のことなのに。離れたくないから断れなかったのに。性欲もたしかにあるのに。でも性のこと知らなかったし覚悟も足りなかった。
セックスしなくなったら男性とは友達に戻るだろう。いや、友達にも戻れないか。人によるけど私は職場の人間関係から始まったから……。どうなるか。
妊娠が怖い。でも離れたくない。たまに会い、表面的な話をする程度の友達じゃ寂しいのだ。
たくさん話せて一緒にいられる人でも、気が合わず常に否定されているように感じると、やはり寂しい。悲しい。
私がポンコツでも手伝って、色々教えてくださって、付き合おうとまで言ってくれた彼が好きだ。でもこれは私が弱って自分を見失っているだけなのか。
「自分がどうしたいか」なんて、今まで、考えても語っても上手く実行できず、思い通りにいかなかった。人生、有言不実行の連続だった。
だから麻痺していった。本当は喧嘩を吹っかけまくるのが私だが、仕事上で気持ちを堪えるのが癖になり、失言やら喧嘩をせずに済むようになってきた。
嫌われないように彼の機嫌を取りたくなる。これは甘えか依存か逃げか。こんな弱い心が愛と言えるのか。
孤独感を埋めるためにセックスを受け入れ、縋っているということならば、代償は大きそうな気がしてしまう。
恋ってそんなお気楽なものじゃなかったんだろう。それか、「子どもを産んでもやっていける!」と思える人だけが楽しめる。
そうでない人は恋すべきでないか……もっと避妊の方法が欲しい。少子高齢化対策とか言っている時代の流れに逆行しているけど。
自分は楽しくたって、もしも子どもができてしまったら。「堕ろすのは可哀想だから育てるか」と決意したところで、私が「できたら中絶する」派だったこと、子どもが欲しくなかったこと、いつか子どもの耳に入るだろう。怠惰なことも、自分が遊ぶことにしか興味ないことも、性格悪いことも、隠しきれないはず。
その前に、私は子どもを愛することができないだろう。私が一時の楽しさに身を任せたって、不幸がループする……いつか私は恨まれるのでは。産んでも中絶しても。……だから避妊しかない。
手術は怖いけれど、避妊手術も良いのかもな。「絶対子ども産まない、できたら堕ろす、って言うんなら手術しちゃえば」と母が言った。確実ならたしかにそれも良いような(まれに失敗するとか、妊娠能力が回復してしまう? とか書いてあったような。やり方によるのかな)。
とにかく低用量ピル、きちんと服用しよう。頑張ろう。絶対ではないらしいけど、それが現代においては一番確実な避妊方法らしい。なので信じるしかない。
というか私が飲み忘れたり、効果を下げるような使い方をすることなく、しっかり服用しなければならないのだ。私は抜けているから、自分で自分が信用ならないけど。やらなきゃ。
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【うだつの上がらないエッセイ集】
生き物の話や夢の日記、思い出や星占いの話など、思いついたことを色々詰め込んだ連載です。
【良くも悪くも、星の回転は止まらない】
詩集です。すぐ読める短いものが多いです。20編で完結しました。
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