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謎ルートに入った
惚気とは
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惚気……ノロケ……脚気とかの病気系ではない。おのろけ。自慢の一種。
私には最も縁のなかった言葉の一つ。恋人だけでなく友達もいなかったので、「私の彼氏がさぁ~」とかいう話をされたことがなかったのだ。
恋バナ等、中学生初期くらいはそこまで抵抗がなかったが、性犯罪に遭って以降は「うわ、嫌だな」と避けていた気がする。そのへんの時系列(?)はよく覚えていない。
性に嫌悪感を示すようになってしまい、以前の性的な出来事は「嫌だったこと」カテゴリーに入っていた。「男友達に性的なことをされた」というのも、そこから恋に発展する可能性もあったのかもしれないが、「不快」という結論で終了してしまっていた。
母から「昔、仲の良かった男の子いたよね」と言われて「そうだよな、好きで遊んでたんだよな……」と再認識した。
近年、恋だ愛だを避けてきたが、まわりは主婦の人が多い。
どっちかというと世間で耳にするのは、夫への不満とかの方が多いような。それで恋愛や結婚というものをますます恐れていたが。
「仲の良いのは若いうちだけ」なんてのも私の思い込みかもしれない。実態は分からない。
大人は「ノロケ」の恐ろしさを知っていて、ノロケずに黙っているだけかもしれない。
職場の人には恋のことは内緒だし、今まで恋バナを避けてきたし、今も「恋に恋している」わけではなく彼が好きなだけなので、相変わらず情報源がない。
「仕事中の彼は、みんなをまとめていてカッコいいなぁ。佇まいに凛とした品があるんだよなぁ。私なんかにも丁寧に仕事教えてくださるし。けどよく見ていると、子どもっぽい無邪気さがあって、ギャップ萌えするんだよな。最近、彼が好きすぎて仕事中の距離感が分からなくて動揺しちゃうけど……。二人きりになったときに構ってくださったり。私一人でいる時は、なんか全部夢だったんじゃないかと思えてくるんだけど、会うとやっぱり夢じゃないんだよな。なんで私なんかを好きになってくださったのか、何度考えても分からないや……」などと思っているが。
単純に、疑問を誰かに相談するとする。
「彼ってなぜ、私なんかをこんなに愛してくれるんだろう?」
……。ノロケだ。
うん、そうか、これがノロケというものか。ノロケに縁がなさすぎて、自分がノロケかねないことに気づかなかった。
マジで単純に「なぜ私なのか?」が分からなさすぎて、未だにどう考えても謎なだけなんだけど。この疑問は、普通にノロケだ。多分。
恋愛というものには、良くも悪くもパワーがある。ポジティブもネガティブも渦を巻く。本能と理性、嫉妬やら浮気やら。そして「ノロケる」というのも危険なことである。
私も人の恋バナにグサッときたりしていたし、それは広義の「嫉妬」だったかもしれないが、みんなの嫉妬と私の嫉妬は地味に違ったかもしれない。
「私には今、恋人がいないのに、何の遠慮もなく幸せ自慢しやがって。欲求不満だわ。リア充爆発しろ」というのがよくある嫉妬……なのかどうかはサッパリ分からないが、私は恋バナを聞くと「やっぱり私はみんなとは感覚が違うんだ。みんなみたいになれないんだ」という、「住む世界が違う」みたいな悲しみがあった。
私は恋をしたくないけど、みんなは恋が好き。自分が出来損ないのような気がして、でも恋をしたくなくて、そんな自分が世界から永遠に認めてもらえない気がして、憂鬱だった。
……という感じだったので、私が何を言ったら「ノロケ」になるのか、そして私がノロケることになり、人にどのような感情を抱かせるのか、まったく分からない。つい思ったことを口にしてしまいそうになるが、うっかりノロケすぎないよう気をつけねば。
私には最も縁のなかった言葉の一つ。恋人だけでなく友達もいなかったので、「私の彼氏がさぁ~」とかいう話をされたことがなかったのだ。
恋バナ等、中学生初期くらいはそこまで抵抗がなかったが、性犯罪に遭って以降は「うわ、嫌だな」と避けていた気がする。そのへんの時系列(?)はよく覚えていない。
性に嫌悪感を示すようになってしまい、以前の性的な出来事は「嫌だったこと」カテゴリーに入っていた。「男友達に性的なことをされた」というのも、そこから恋に発展する可能性もあったのかもしれないが、「不快」という結論で終了してしまっていた。
母から「昔、仲の良かった男の子いたよね」と言われて「そうだよな、好きで遊んでたんだよな……」と再認識した。
近年、恋だ愛だを避けてきたが、まわりは主婦の人が多い。
どっちかというと世間で耳にするのは、夫への不満とかの方が多いような。それで恋愛や結婚というものをますます恐れていたが。
「仲の良いのは若いうちだけ」なんてのも私の思い込みかもしれない。実態は分からない。
大人は「ノロケ」の恐ろしさを知っていて、ノロケずに黙っているだけかもしれない。
職場の人には恋のことは内緒だし、今まで恋バナを避けてきたし、今も「恋に恋している」わけではなく彼が好きなだけなので、相変わらず情報源がない。
「仕事中の彼は、みんなをまとめていてカッコいいなぁ。佇まいに凛とした品があるんだよなぁ。私なんかにも丁寧に仕事教えてくださるし。けどよく見ていると、子どもっぽい無邪気さがあって、ギャップ萌えするんだよな。最近、彼が好きすぎて仕事中の距離感が分からなくて動揺しちゃうけど……。二人きりになったときに構ってくださったり。私一人でいる時は、なんか全部夢だったんじゃないかと思えてくるんだけど、会うとやっぱり夢じゃないんだよな。なんで私なんかを好きになってくださったのか、何度考えても分からないや……」などと思っているが。
単純に、疑問を誰かに相談するとする。
「彼ってなぜ、私なんかをこんなに愛してくれるんだろう?」
……。ノロケだ。
うん、そうか、これがノロケというものか。ノロケに縁がなさすぎて、自分がノロケかねないことに気づかなかった。
マジで単純に「なぜ私なのか?」が分からなさすぎて、未だにどう考えても謎なだけなんだけど。この疑問は、普通にノロケだ。多分。
恋愛というものには、良くも悪くもパワーがある。ポジティブもネガティブも渦を巻く。本能と理性、嫉妬やら浮気やら。そして「ノロケる」というのも危険なことである。
私も人の恋バナにグサッときたりしていたし、それは広義の「嫉妬」だったかもしれないが、みんなの嫉妬と私の嫉妬は地味に違ったかもしれない。
「私には今、恋人がいないのに、何の遠慮もなく幸せ自慢しやがって。欲求不満だわ。リア充爆発しろ」というのがよくある嫉妬……なのかどうかはサッパリ分からないが、私は恋バナを聞くと「やっぱり私はみんなとは感覚が違うんだ。みんなみたいになれないんだ」という、「住む世界が違う」みたいな悲しみがあった。
私は恋をしたくないけど、みんなは恋が好き。自分が出来損ないのような気がして、でも恋をしたくなくて、そんな自分が世界から永遠に認めてもらえない気がして、憂鬱だった。
……という感じだったので、私が何を言ったら「ノロケ」になるのか、そして私がノロケることになり、人にどのような感情を抱かせるのか、まったく分からない。つい思ったことを口にしてしまいそうになるが、うっかりノロケすぎないよう気をつけねば。
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