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謎ルートに入った
ちょっと気持ちが軽くなってきた
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彼と一緒にいると癒される。最初はどんよりとした気分でも、彼と話していると次第に落ち着く。楽しくなる。無邪気で、見ていて可愛らしいし、こちらの面倒を見てくださるだけでなく(私がポンコツなもので、仕事面でもプライベート面でもサポートされる一方)ずっと話しかけてくれる。私は意志疎通ができないものに恐怖を感じるので、意志疎通してくれていると安心する。意志疎通ができない、人を騙す、そういう無責任な人もいると思うので。
ずっとぬくぬくと甘やかしていただいて申し訳ない。ここまでしてくださるんならば……。私はあんまり良い体していないけど、もし喜んでもらえるなら体くらい差し出しても……。
っていやいやいや。それとこれとは別。私は自衛にしか興味がないのである。
……こんな気の利かないポンコツ女のどこが良いんだろうと思うが、怖くて聞けない。良いなと思われているポイントを失ってしまったら嫌われるかもしれないが、分からないからしょうがない。ダメ女なところが、父性をくすぐるとか? 「この人には私がいないとダメだ」的な? なんて上司に怖くて言えない。今だって私はポンコツを直すそぶりもなく、日がな一日セックスのことばかり考えている。仕事しろよ。
いや、セックスのことを考えているというより避妊が心配なんだけど! 「セックスのことが気になって夜も眠れない」って、文字で表すと、不安だろうと興奮だろうと同じ字面になってしまうんだけど!
今までは、ポンコツすぎて職場のみんなに嫌われているんじゃないか、優しくしてもらえても陰口言われているんじゃないかと不安だった。なのに私を人間として認め、好意を寄せてくださる方がいるなんて、すごく嬉しかった。それでもなぜだか不安になってしまうんだなぁ。
いや、なぜだかじゃない。明白に。避妊が気になる。予想外のことになってしまったらもう戻れない、自分が自分じゃいられない。それが怖い。
処女じゃなくなるのも、なんとなく清らかじゃなくなってしまう感じがして、恥ずかしいというか、不安というか……。いや、もとより清らかでも何でもないし、世間的には恋愛したことないのも恥ずかしいのかもしれないけど。
*
ここ最近ずっと怯えていたが、彼に「大丈夫だよ」となだめていただいて、なんかいける気がしてきた。性欲の方が上回ってきた。
社畜として飼い慣らされたついでに、プライベート面でも飼い慣らされてみるか……。
いや、社畜と言う割にはだいぶ放牧されているし、半野生かもしれないけど。
仕事とプライベートの見境もつかなくなって、もはや思考回路ゴチャゴチャである。
ちゃんとコンドームを使ってくださる人であることはもう、疑いようがなくなってきた。この人は私に強引なことをしたり、雑に扱って見放したりなどしないはずである。だってこういう関係になったのは最近のことだけれど、仕事でずっとお世話になってきたじゃないか。
コンドームだけで十分なのか? でも低用量ピルにはリスクもあるらしくて躊躇する。副作用も心配、使いこなせるかどうかも心配。毎日決まった時間に飲むって、できるかな……。
コンドームを使っていて妊娠することはそうそうないのでは……失敗率には、間違った使い方とかの結果も入っているんじゃないか……という説を彼から聞いて、それもそうかもしれないと思った。避妊といえばコンドームのイメージだし。
まだ、セックスのために低用量ピルを使おうとか、具体的な検討ができるほどの実感がない。少しずつ体験しつつ、ゆっくり検討していっても、急に妊娠なんてことにはならないんじゃないか。
ということで、事前の合意の上、初体験に流れ込んだ。めちゃくちゃ緊張したが、信頼しているので安心感もあった。少しは知識もあったので、極度に不安にならずに済んだ。とても優しくしていただいた。
初体験は痛いと聞いたが、たしかに痛い。でも丁寧に向き合ってくださるので、耐えられないほどではないのと、一時的なことなんだろうと思える。これが、性欲満々で自制がきかず強引な相手だったら、ひどいやり方をされていただろう。
初体験は痛いというのは、処女膜が破れるのが痛いんだろうと思っていた。が、女性の体の作りというのは、想像していたのとはちょっと違うみたいだった。自分の体のことなのに知らなかった。
処女の穴というのは、そのままでは使えないのだ。「処女 開通工事」とかで検索すると多少垣間見えるが、穴は徐々に広げないと使えないらしい。あと性感帯も開発しないと、あまり感じないとかなんとか。
そんなこんなで、緊張もあり、まだ気持ち良くなれるところまでは到達しなかったが、「セックス」「恋愛」「付き合う」とかの意味を丁寧に教えていただいて、多少分かってきた。
彼のモノを触らせてもらったときは、「玉は急所なのでそっと触れる」「サオに無理に力を加えると骨折する(正しくは骨折ではなく陰茎折症らしい)」という知識のみあったので、気をつけた。どうすれば気持ちいいのか、「しごく」の解釈が合っているかどうか分からなかったが、最後は私がしごいて射精に至った。
今まで私は男性に免疫がなく、ちょっと距離を詰められるだけでも怖かったし、セクハラだとか性的な情報も、闇雲に恐れていた。誰に何をされるか分からないと思ってきた。
ずっと恐れているままでは成長がなく、知識はあっても実体験がないことで言動に浅さがあり、なんとなく処女っぽさがまわりにバレているんじゃないかと思っていたが……。触れ合うことで、リアルな男性像とか、男性的機能とか欲求が多少分かってきた。
開通工事でも、彼は興奮してきてもっと挿れたいのを我慢しながら、ゆっくりと向き合ってくださっているんだろうなと伝わってきて可愛かった。理性がぶっ飛んで獣になるということもなく、やはりずっと優しい声で喋ってくださるし、落ち着く。喘いでくれるのも可愛い。
今までセックスとか性欲に、いやらしいとか汚いとかいうイメージがあったのだが、むしろ清らかさを感じた。別にセックスしたからといって世界が崩れ去ることもなく、仕事や趣味も大事。小さな幸せを楽しむような人格は変わらないまま。きっと日常の中の一つにセックスがあるんだろう。
セックスできたということで正式に(?)お付き合いしようか、という流れになった。世の中には「セフレ」とか「遊び」とか「ワンナイト」とか、私の知らない概念が色々あるが、今のところ彼とは価値観が近そうで安心する。
「付き合おう」「セックスしよう」といったことも、勝手に決められて選択を迫られたら怖いと思うが、彼はいつも逃げ場を与えながら意思確認をしてくださる。あの穏やかな話し方を見ていたら、こちらまで穏やかになれそう。
純粋に愛情表現してくださったのを見て、この人には社会への復讐心をぶつけようだの利用しようだの考えるものじゃないなと思った。こちらを丁寧に扱ってくださったように、こちらも丁寧に返したいなと思う。
私は長らく「男性に愛情表現などしたら襲われる」みたいな感覚で生きてきたため、素直に愛情表現できない。せっかく彼が「好き」を伝えてくださっているのに。こんなに優しくしてもらっているのに。私は何を返せるだろう。
なにゆえ私なんかのことが好きなのか、ただヤれそうだからヤりたいだけなのか、今までは彼というか男性への疑いがあった。が、ネットに「こんな女は面倒くさい」などという情報が溢れる中、男性にドン引きされそうな要素しか持ち合わせていない私を、彼はずっと可愛がってくださっていた。社会不適合者を哀れんでくださっているんだろうかとか思っていたが……。なんかそういうのじゃなくて、本当に私のことが好きなんだ、愛してくださっているんだと伝わってきて嬉しかった。
私は不器用だし、長年染み付いた癖みたいなのを変えにくい。そもそもコミュニケーション下手で、愛情表現も下手。相手からしたら「ただ友達みたいに思われているだけかな?」「『食事を奢ってくれる都合のいい人』みたいに思われているんじゃないか」というふうに見えるんじゃないか。そう思ったから、私なりの覚悟というか本気を見せるために、逃げずに体を晒した。私なんか支えていただく一方だし、まださらけ出すくらいしかできないけど……。彼が気持ち良くなれて、喜んでくださったのなら良かった。
今後はお互いに年も取っていくだろうし、年上の彼の方が先に老いを実感するはず。私も頼るばっかりではいかんな……と思いつつ、まだ世間知らずで頼ることしか知らない。とりあえず頼りつつ教わっていこうと思う。
ずっとぬくぬくと甘やかしていただいて申し訳ない。ここまでしてくださるんならば……。私はあんまり良い体していないけど、もし喜んでもらえるなら体くらい差し出しても……。
っていやいやいや。それとこれとは別。私は自衛にしか興味がないのである。
……こんな気の利かないポンコツ女のどこが良いんだろうと思うが、怖くて聞けない。良いなと思われているポイントを失ってしまったら嫌われるかもしれないが、分からないからしょうがない。ダメ女なところが、父性をくすぐるとか? 「この人には私がいないとダメだ」的な? なんて上司に怖くて言えない。今だって私はポンコツを直すそぶりもなく、日がな一日セックスのことばかり考えている。仕事しろよ。
いや、セックスのことを考えているというより避妊が心配なんだけど! 「セックスのことが気になって夜も眠れない」って、文字で表すと、不安だろうと興奮だろうと同じ字面になってしまうんだけど!
今までは、ポンコツすぎて職場のみんなに嫌われているんじゃないか、優しくしてもらえても陰口言われているんじゃないかと不安だった。なのに私を人間として認め、好意を寄せてくださる方がいるなんて、すごく嬉しかった。それでもなぜだか不安になってしまうんだなぁ。
いや、なぜだかじゃない。明白に。避妊が気になる。予想外のことになってしまったらもう戻れない、自分が自分じゃいられない。それが怖い。
処女じゃなくなるのも、なんとなく清らかじゃなくなってしまう感じがして、恥ずかしいというか、不安というか……。いや、もとより清らかでも何でもないし、世間的には恋愛したことないのも恥ずかしいのかもしれないけど。
*
ここ最近ずっと怯えていたが、彼に「大丈夫だよ」となだめていただいて、なんかいける気がしてきた。性欲の方が上回ってきた。
社畜として飼い慣らされたついでに、プライベート面でも飼い慣らされてみるか……。
いや、社畜と言う割にはだいぶ放牧されているし、半野生かもしれないけど。
仕事とプライベートの見境もつかなくなって、もはや思考回路ゴチャゴチャである。
ちゃんとコンドームを使ってくださる人であることはもう、疑いようがなくなってきた。この人は私に強引なことをしたり、雑に扱って見放したりなどしないはずである。だってこういう関係になったのは最近のことだけれど、仕事でずっとお世話になってきたじゃないか。
コンドームだけで十分なのか? でも低用量ピルにはリスクもあるらしくて躊躇する。副作用も心配、使いこなせるかどうかも心配。毎日決まった時間に飲むって、できるかな……。
コンドームを使っていて妊娠することはそうそうないのでは……失敗率には、間違った使い方とかの結果も入っているんじゃないか……という説を彼から聞いて、それもそうかもしれないと思った。避妊といえばコンドームのイメージだし。
まだ、セックスのために低用量ピルを使おうとか、具体的な検討ができるほどの実感がない。少しずつ体験しつつ、ゆっくり検討していっても、急に妊娠なんてことにはならないんじゃないか。
ということで、事前の合意の上、初体験に流れ込んだ。めちゃくちゃ緊張したが、信頼しているので安心感もあった。少しは知識もあったので、極度に不安にならずに済んだ。とても優しくしていただいた。
初体験は痛いと聞いたが、たしかに痛い。でも丁寧に向き合ってくださるので、耐えられないほどではないのと、一時的なことなんだろうと思える。これが、性欲満々で自制がきかず強引な相手だったら、ひどいやり方をされていただろう。
初体験は痛いというのは、処女膜が破れるのが痛いんだろうと思っていた。が、女性の体の作りというのは、想像していたのとはちょっと違うみたいだった。自分の体のことなのに知らなかった。
処女の穴というのは、そのままでは使えないのだ。「処女 開通工事」とかで検索すると多少垣間見えるが、穴は徐々に広げないと使えないらしい。あと性感帯も開発しないと、あまり感じないとかなんとか。
そんなこんなで、緊張もあり、まだ気持ち良くなれるところまでは到達しなかったが、「セックス」「恋愛」「付き合う」とかの意味を丁寧に教えていただいて、多少分かってきた。
彼のモノを触らせてもらったときは、「玉は急所なのでそっと触れる」「サオに無理に力を加えると骨折する(正しくは骨折ではなく陰茎折症らしい)」という知識のみあったので、気をつけた。どうすれば気持ちいいのか、「しごく」の解釈が合っているかどうか分からなかったが、最後は私がしごいて射精に至った。
今まで私は男性に免疫がなく、ちょっと距離を詰められるだけでも怖かったし、セクハラだとか性的な情報も、闇雲に恐れていた。誰に何をされるか分からないと思ってきた。
ずっと恐れているままでは成長がなく、知識はあっても実体験がないことで言動に浅さがあり、なんとなく処女っぽさがまわりにバレているんじゃないかと思っていたが……。触れ合うことで、リアルな男性像とか、男性的機能とか欲求が多少分かってきた。
開通工事でも、彼は興奮してきてもっと挿れたいのを我慢しながら、ゆっくりと向き合ってくださっているんだろうなと伝わってきて可愛かった。理性がぶっ飛んで獣になるということもなく、やはりずっと優しい声で喋ってくださるし、落ち着く。喘いでくれるのも可愛い。
今までセックスとか性欲に、いやらしいとか汚いとかいうイメージがあったのだが、むしろ清らかさを感じた。別にセックスしたからといって世界が崩れ去ることもなく、仕事や趣味も大事。小さな幸せを楽しむような人格は変わらないまま。きっと日常の中の一つにセックスがあるんだろう。
セックスできたということで正式に(?)お付き合いしようか、という流れになった。世の中には「セフレ」とか「遊び」とか「ワンナイト」とか、私の知らない概念が色々あるが、今のところ彼とは価値観が近そうで安心する。
「付き合おう」「セックスしよう」といったことも、勝手に決められて選択を迫られたら怖いと思うが、彼はいつも逃げ場を与えながら意思確認をしてくださる。あの穏やかな話し方を見ていたら、こちらまで穏やかになれそう。
純粋に愛情表現してくださったのを見て、この人には社会への復讐心をぶつけようだの利用しようだの考えるものじゃないなと思った。こちらを丁寧に扱ってくださったように、こちらも丁寧に返したいなと思う。
私は長らく「男性に愛情表現などしたら襲われる」みたいな感覚で生きてきたため、素直に愛情表現できない。せっかく彼が「好き」を伝えてくださっているのに。こんなに優しくしてもらっているのに。私は何を返せるだろう。
なにゆえ私なんかのことが好きなのか、ただヤれそうだからヤりたいだけなのか、今までは彼というか男性への疑いがあった。が、ネットに「こんな女は面倒くさい」などという情報が溢れる中、男性にドン引きされそうな要素しか持ち合わせていない私を、彼はずっと可愛がってくださっていた。社会不適合者を哀れんでくださっているんだろうかとか思っていたが……。なんかそういうのじゃなくて、本当に私のことが好きなんだ、愛してくださっているんだと伝わってきて嬉しかった。
私は不器用だし、長年染み付いた癖みたいなのを変えにくい。そもそもコミュニケーション下手で、愛情表現も下手。相手からしたら「ただ友達みたいに思われているだけかな?」「『食事を奢ってくれる都合のいい人』みたいに思われているんじゃないか」というふうに見えるんじゃないか。そう思ったから、私なりの覚悟というか本気を見せるために、逃げずに体を晒した。私なんか支えていただく一方だし、まださらけ出すくらいしかできないけど……。彼が気持ち良くなれて、喜んでくださったのなら良かった。
今後はお互いに年も取っていくだろうし、年上の彼の方が先に老いを実感するはず。私も頼るばっかりではいかんな……と思いつつ、まだ世間知らずで頼ることしか知らない。とりあえず頼りつつ教わっていこうと思う。
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【うだつの上がらないエッセイ集】
生き物の話や夢の日記、思い出や星占いの話など、思いついたことを色々詰め込んだ連載です。
【良くも悪くも、星の回転は止まらない】
詩集です。すぐ読める短いものが多いです。20編で完結しました。
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