男女について考える(ほとんど憶測と偏見とヒステリー)

月澄狸

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「子ども欲しい なぜ」で検索

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 子守歌をYouTubeで聞いていた。「苦労しながらも子どもを育てた」という皆様のコメントを見ると、やはり「欠陥品」であるのは自分だというふうに感じる。
 しかし「子どもを産みたくない」が「逃げ」や「甘え」であったとしても、実際、私には子どもを育てる能力がないと思う。
 仕事すら満足にできていない、ミスが多い。子育てでうっかりミスなどやらかしたら、ただでは済まない。


「子ども欲しい なぜ」で検索した。「子どもが欲しくない」という人への手厳しい意見もあった。

「将来、自分の面倒を見てもらうため」といった、「子どもが無事に育って社会の役に立つ」こと前提の話もあったが。生まれた子が障がい児だったら、逆に自分が面倒を見ることになるかも。

 私のきょうだいに知的障がい? の子がいるが、すごい憎まれ口ばかり叩き、こだわりが強く、よく怒鳴り、愛情表現などなく、役に立つようなことは特に何もできない。本人の基準で潔癖症のようで、「綺麗」とか「汚い」とかすごく気にするが、一方で傍目に見て汚いことを平気でするなど、矛盾している。
 基本的に、他者のやることは気に入らず、自分のやることはすべて正当だと思っているらしい。乱暴で不潔だし、何を言っても聞かない。この先どうなるか謎だ。

 もちろん性格や個人差もあるだろうが、赤ちゃんの段階で、こういった障がいのある子だと分かったら? あるいは分からず、生まれたら?
 なぜか「傷がい」について、あんまり語られていない気がするので、「こうなって、ああなって……」という「成功例」みたいな話ばかりが並び、「?」となる。他にも不登校とか、ニートや引きこもりとか、色々な可能性がありそうだけど。

「子どもを産め」派の人は「幸せ」など度外視で、厳しそう。また、「何が何でもしっかりやる」こと前提で、そうでない人を非難しそう。


 親として十分な能力があると思えない人が子を産み、虐待親になったりするが。私の祖父母も虐待親だから、私にも虐待の遺伝子がありそうだし、父も子作りしたのに「堕ろせ」と言ったというし。
 共に育児をするパートナーだと思った夫が、ありえない行動を起こし、自分一人に責任がのしかかる可能性もある。
 まともではない家庭で育った人は、まともな人になれず、まともな異性に敬遠され、まともなパートナーを選ぶ目もないかもしれない。


 それ以前に私は不器用で頭が悪く、人の思いを察することもできないが……「育てられないから産まない」が批判されるとは。
 私のきょうだいが知的障がいであり、祖父母が虐待親、父が育児に無関心、なら、私にも何かそういう遺伝があるのでは?
 このようなループをするべきなのか。努力しない私が怠慢なのか。

 子育てなど、何をどうやっていいか分からないし、育児書を読んだところで分かる気がしない。
 性被害に遭って、性が怖いし。ずっとセックスを求められる結婚生活もきっと耐え難い。自分が「社会」に合わせることも、子どもの頃から苦手なままだ。「なんでこれをしなきゃならないんだろう?」ということばかり。なのに子どもを叱ったり褒めたりして「導く」「教育する」なんて。できそうもない。

 それに、こないだ外出先で子どもたちを見かけたが、ずっとギャーギャー騒いで走り回っていて、すごいエネルギーだったし、やっぱり無理だと思った。


「子どもより自分の時間や趣味が大事」と考えるような人は、子どもを産まなくて良かったと、むしろ褒めてあげてもいいのでは。子どもを産んで、子育てのストレスで虐待や育児放棄するよりよっぽど良いじゃん。

 まぁ私みたいな大人子どもばっかり増えて、少子高齢化が進んで、若者の負担が増えるから、非難されるんだろうけど。
 どうせたくさん産んだら、その人たちもいつか老人になり、その人たちを支えるために若者が必要……と、エンドレスなのだ。

 未来では、すごい技術で人手不足が解消されるかもしれないけど。問題の先送りだ。
 ってゆーか、人手不足など関係なくなるような、社会を支えるすごい技術、今できないかなぁ。他力本願だけど。
 もう「機械に仕事を取られる」とかじゃなく、機械に任せてしまいたい。


 ネットでは他にも「仕事や趣味のために子どもを産まないなんて、ありえない」という意見があったし、「普通、子どもを産み育てるものだ」というような空気もあった。それはちゃんと子どもを育てられて、自分の人生に誇りを持っている、まともな人が回答しているからだろうが。

 やはり、育てられる人は、私のような「仕事ができない」「コミュニケーションが苦手」「レベルの低い異性と出会いやすかった」というようなところで立ち止まってはいないようだ。

 ちゃんとお金を稼げて計画性もある、つまり「能力」がある人が産み育て、子どもも問題なく社会に適応できている、そういうのが「普通」「大人」という位置付けなのでは?


 世の中のせいで、誰かのせいで、子どもを産めるような環境じゃない。そういう考えを批判するコメントもあった。「誰かのせいとか言っている時点で、人としてダメなんだ」と。
 それはたしかにそうかもしれないけど、「社会や誰かのせいで」と言う人には、そう思う理由があるのでは。

 人それぞれ、能力も全然違うだろうし、誰もが子どもを育てられるわけじゃないだろうに。
 まぁ「なんで子どもを産みたいの?」という我々の意見が非常に失礼に感じるから、カチンときている人が多いのだろうが。


「子どもは宝。産んだら自然と変わるよ」と書いている人も多かったが、それは、そうなることができた、誇りと自信を持っている人が書き込んでいるため、そういう意見ばかり見えるんじゃないだろうか。
 子どもを産んでも変われない、可愛いと思えない、育てられない、そういう人も多いはず。

「動物嫌いは動物を飼えば変わる」という意見も以前見た気がするが、動物を飼っても子どもを産んでも、捨てたり虐待したりする人がいる。変われるかどうかは人によるはず。
 まぁ変わる人も一定数いるのは事実だろうけど。母性父性に賭けるギャンブルか。


 けれど現代ではとりあえず、「子どもを持つべき」「子どもを持たないのは非国民だ」派が、昔より少なそうだったので、良かった。昔はこんなものじゃなかったのだろう。今は「子どもを持ちたくない」と言って非難される確率もだいぶ低いはず。

 だから気にしなくていいや……と思いつつ、誰かの逆鱗に触れないように気をつけねば。
「子ども=性欲」だけではやっていけないし、子どもを産み育てる人は、そんな人ばかりではないようだ。私が今まで書いてきたような主張は、誰かを激怒させるかも。


 そんなふうに行き当たりばったりな私だが、親も老い、私も老い始める。
 社会とか、長期的にとか考えると、「どうせたくさん産んだら、その人たちもいつか老人になり、その人たちを支えるために若者が必要……と、エンドレスなのだ」という考えになるが。
「人生に疑問があるので産みません」なんて言っていて、私個人はこの先どうなるのだろう。お金もないし老いもくる、障がいのある身内もいる。どうなるんだ?


 まぁ、どうなるかは予想できない。というか対策法が見つからず、予想することから逃げているのかもしれない。「未来は意外と良いかも」と、根拠なく楽観視するほかない。実際どうなるかは、良くも悪くも分からない。

 子どもの頃はあんなにはしゃいで、何が楽しかったんだろうなぁ。
 生まれた瞬間、老い始める。段々目も見えなくなり、体力もなくなり……。
 人生長いのに、若い頃がピークなんて、面白くないな。

 もっとバリバリできる人なら、人生楽しいかもしれないけど。私など落ちこぼれのままだ。
 そのうち今までできたことができなくなっていって、段々しんどくなるのだろう。

 やはりまだ、「なんのために生まれたんだろう」「なんのために産むんだろう」から抜けない。
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