男女について考える(ほとんど憶測と偏見とヒステリー)

月澄狸

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同じだけど違う、違うけど同じ、人間

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 以前知恵袋的なサイトで、「私はブサイクだけど美女と結ばれたい」と言っている男性がいて、「美女と結ばれたいのは男の本能だ」というような主張をし、回答者の人たちに「ブスでもイケメンと結ばれたいのは女も同じ」と言われていたような。

 男性は容姿にこだわる。男は別にイケメンじゃなくても活躍する作品がいっぱいあるが、ヒロインは必ず美女だ。
 そう思っているのも私が女だからなんだろうな。現実には女性から男性へのルッキズムもひどい。


「ミソジニー」で検索したらあまり情報がなかったので、「女嫌い」で検索してみたら、色々出てきた。深く潜るほど、女には耐え難い情報がヒットすると思うので、まず浅い部分から探ってみる。

「女嫌いをこじらせたイケメンの闇『復讐相手は女なら誰でもいい』」というウェブ記事(?)を読んでみた。モテるイケメンでも女嫌いになるとは驚き。しかし逆の立場のつもりで考えてみると、ところどころ共感できた。


「女は器が小さい」……いやそれは、男でも女でもそういう人いますよ。と言いたくなる。
 それなら男性蔑視も同じだな。たまたま私の運が悪くて、人としての尊厳を踏みにじるようなヤツにばかり出会ってしまったのだ。

 服がダサい。会話が退屈。そんなことで男をフる女がいるなんて。服装や会話くらい、事前に馬が合うかどうか確かめて告白できそうなものだが……。まず告白しないとお近づきになれないから、テキトーに告白してテキトーにフるものなのだろうか。

 自分は女の至らなさを見てもフラないのに、女はちょっとのことですぐフると。
 この記事の人はちゃんと人間観や恋愛観を持っていて、私の「性被害に遭った」話とはまったくポイントが違う。出会った人、経験が違いすぎて、「そうですね」とはならん部分もある。

 私の知らない恋愛の世界だ。ピュアそうな男性で、容姿にも恵まれているのに、つまらん女に心を汚されてしまったのは勿体ない感じ。こんなピュアな男性が好きな人、世界にいっぱいいるだろうに。
 この人のおっしゃることも、悪い女たちも、一個人の問題に見える。世界はもっと広いはず。


 いや、私が性被害に遭ったのも、私と相手という一個人の話で、それが男女のすべてではないんだけど。そうはいっても私には乱暴に犯されることへの恐怖がある。

 以前学校で、やりたくもないスポーツをやらされ、「何やってんだ!」と怒鳴られたりもするからスポーツが嫌いになったけど、今は自分から始めないとスポーツをやらされる可能性はないので、昔ほど嫌ではない。
 一方セックスは「こちらの意に反して強引に」される可能性があると知ってしまったので、いつまで経っても「もう恋愛しないんだし、年だから関係ない」と思えない。


 やはり、女性が持つ男性への恐怖と、男性が女性に失望するのとは違いそう。女は男を強引に襲って孕ませたりできない。殺すことも難しいだろう。たまに殺してる人いるけど。

 私が恐れているのは、男性に犯されること。殺されること。馬鹿にされること。
 そして今は、自身が本能に流されることにも怯えている。独身の将来にも怯えているが。

「なぜ女ってこうなんだろう」と思われる部分はあるかもしれないが、身体的な強者と弱者ではメンタルが違うはず。草食獣と肉食獣は感覚が違う。それを「あらしのよるに」や「BEASTARS」で上手く描いてくれている気がするんだけど。


 世の女性は、度々怖い目に遭っても逃げずに男性と向き合っているんだろうか。だとしたら強いな、すごいな。
 そうでもない、普通に会話ができる恋愛の世界をみんなが生きているのだとすれば、やはり私は運が悪すぎるか、ヤツらの言ったように隙が多すぎるんだろう。いつも一人でフラフラしているし。

 そういえば学生の頃、「ぼっちは恥」みたいに、トイレに行くときまでも女子たちが群れていたものだが、結果的にあの行動でみんな身を守っていたのか。あれだけ群れていたら襲われにくそうだし、何かあったら集団で立ち向かえるだろうな。

 対人恐怖症を治さないといけない気がしていたけれど、今の世の中はこうなのだから、別にこのままでもしょうがない気がしてきた。この考えが元で嫌われるなら、それもしょうがない。子どもの頃の体験というのは強烈なのだ。そして私は誰よりも心が弱い。「乗り越えろ」と言われるとカチンとくるし、人並みに立ち直ることは無理なのだ。
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