男女について考える(ほとんど憶測と偏見とヒステリー)

月澄狸

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未経験、子なしの揺り戻し

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 一度は人の恋愛感情を理解できるような気持ちになったが、また揺り戻しがきた。
 恋愛の話を聞くのが辛い。「子どもを産み育てるのが女の役目」という風に感じられる。

 役目が果たせない自分が辛い。それと同時に、交尾をして子どもを産んでやがて死ぬ、このサイクルから逃れられないちっぽけな世界が悲しい。役目を押し付けられているようで腹も立つ。


 何を見ても、恋愛、結婚、親子、子ども。人間の世界が辛い。生き物の世界が辛い。
 私は私であるだけじゃダメなのか? 生きているだけではダメなのか? 怖くても痛くても不安でも無責任でも、積極的に誰かに体を差し出し、子どもを求め、結婚を迫らないといけなかったのか?

 悲しい。怖い。結婚していない人の話ですら、恋や結婚を求めているようで、どこにも仲間はいなくて。私の救いはどこにあるんだろう。


 ふと、思った。私はファンタジーが好きだ。で、ファンタジーといえば主に子ども向けだ。
 子ども向けならば当然、子どもの存在を肯定し、親であることを暗に讃えるものとなる。子ども向けアニメで、「子どもなんていらない」などと言うはずがないのだ。

 そうか。私が子どもの世界から抜けられないまま大人の視点になろうとするからしんどいんだ。
 大人向けならどうか。「恋をしない、子どもを産まない、それも良いじゃないか」と肯定してくれる大きな何かが、どこかにあるだろうか。


 私はまだ、自分を肯定してくれる救いに縋りたい、弱い人間だ。恋とか愛とか子どもとか、世界には必ずそのシステムがあるから、その概念を避けては通れない。それでもどこかに、まったく違う世界がある気がして、彷徨うのだ。


 しばらくすると、性への憧れや興味の方へ舞い戻ったりした。そしてまた嫌悪、あるいは悲しみ。

 何かを遮断してしまった中学生の頃……その直前時点に精神的に舞い戻ったようだ。恋に憧れたり、性に嫌悪感を持ったり、そういう中で揺れ動く、思春期的な若者の時期。

 けれど精神年齢が中学生に上がったとして(今まで性の事実を受け入れたくなかったから、もっと精神年齢が低かったような)、肉体は老い始める。どうするのか。


 どうもこうもない。今まで通りだ。が、この先どこへ行くのか、何を思うのか、よく分からなかった。
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うだつの上がらないエッセイ集(たまに自由研究)
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