10 / 166
女に譲歩した表現が広く受け入れられがち
しおりを挟む
BEASTARSの演劇のエピソードで、死神役を肉食獣、魂を刈られる者を草食獣が演じることになったときに、草食獣が「肉食獣が草食獣の魂を刈るなんて、こんなのあまりにリアルすぎる」というようなことを言っていた。
現代の創作では、「女は三歩下がってついて来い」とか「女は何もできない」というリアルより、男キャラとも対等に戦ったり、自分で考えて発言・行動できるような、強くてかっこいい女性キャラが好まれるようだ。それは男性側の好みなのか、男性が女性に譲っている部分なのか。
男性がちょっとエッチなことをしてしまい、女性が「◯◯くんのバカ!」と平手打ちをかます。レトロな感じの一場面だが、そういう納め方は現在でも多いのではないか。女に怒られて、謝ったりうろたえたりする男。
現実で実際に、女のビンタくらいで男を撃退できるならば性犯罪などなかっただろうし、ビンタで丸く収まるなら戦争も爆弾も必要ないのではないか。女は社会的にも抑圧されてきたのだろう。
男性向け作品であれば、女性にとって不快な表現も多いだろうが、それでも決定的に差別的な表現をしてしまったら物議を醸すのだろう。「男向けなので」では済まされないこともあるかもしれない。多くの人に見てもらえる表現を目指すならば、現代では女心を理解し、女心に譲歩したものの方がウケるのだろう。まぁ裏ではけっこう凄まじい表現が溢れているようだけど(性的なワードの画像検索で出てくる)。
この間、ブレスケアの広告ツイートが流れてきた。女性が電車内で死んだような目で臭い息を吐き、隣の男性が困っているというイラストが載っている。可愛い絵柄と、臭い息を吐く女性のインパクトにウケた。
これに「女性蔑視」だの何だのリプ(?)が付いていたが、いや、息や体臭が臭いのは男でも女でもあるだろうから、別に蔑視じゃないだろうと思った。私の息も臭いだろうから気になる。
しかし今「ブレスケア広告」で検索してみると、一悶着あったようで、話題にされていた。このイラストが女性蔑視というより、「男の方が息が臭いでしょう」「いやいや女の方が臭いだろう」とケンカになってしまったことの方が問題なようだ。
世の中「どっちの息が臭いか」なんて平和な(?)ケンカをしている程度ならまぁ良いだろうが、女性蔑視だの女性差別だのという根底的なものは、もっと目に見えづらく、危険なものだろう。
女性側が過剰防衛でギャンギャン言ったのか、男性側が「そういう表現はやめとけ」と言ったのか、どういう広がりになったのか分からないが……。男性が加害者、女性が被害者という構図が無難で好まれるというような意見もあった。
なるほど、そう思うと、「男が女に危害を加える」という表現をよく見かけるのは、「女による男への被害」の実態がもみ消されているから、という可能性もあるか? 悪い意味での「社会はこうあるべき」みたいなイメージ図が形成されてしまっているのか。女の怒りに火をつける表現をするとケンカが始まってしまうから、無難というか、批判されにくい表現に留められることが多い?
ただこれも、実態通りでない「男がいつも悪役」というイメージを植え付けてしまうと(実態を訴えるためなら仕方がないが)、「やっぱり男は乱暴でデリカシーがなくて臭いんだ」などと男性差別を助長するのでは。
女性差別について考えるなら、男性差別についても考えなきゃいけないな……。
まだ私には分からないことだらけである。
現代の創作では、「女は三歩下がってついて来い」とか「女は何もできない」というリアルより、男キャラとも対等に戦ったり、自分で考えて発言・行動できるような、強くてかっこいい女性キャラが好まれるようだ。それは男性側の好みなのか、男性が女性に譲っている部分なのか。
男性がちょっとエッチなことをしてしまい、女性が「◯◯くんのバカ!」と平手打ちをかます。レトロな感じの一場面だが、そういう納め方は現在でも多いのではないか。女に怒られて、謝ったりうろたえたりする男。
現実で実際に、女のビンタくらいで男を撃退できるならば性犯罪などなかっただろうし、ビンタで丸く収まるなら戦争も爆弾も必要ないのではないか。女は社会的にも抑圧されてきたのだろう。
男性向け作品であれば、女性にとって不快な表現も多いだろうが、それでも決定的に差別的な表現をしてしまったら物議を醸すのだろう。「男向けなので」では済まされないこともあるかもしれない。多くの人に見てもらえる表現を目指すならば、現代では女心を理解し、女心に譲歩したものの方がウケるのだろう。まぁ裏ではけっこう凄まじい表現が溢れているようだけど(性的なワードの画像検索で出てくる)。
この間、ブレスケアの広告ツイートが流れてきた。女性が電車内で死んだような目で臭い息を吐き、隣の男性が困っているというイラストが載っている。可愛い絵柄と、臭い息を吐く女性のインパクトにウケた。
これに「女性蔑視」だの何だのリプ(?)が付いていたが、いや、息や体臭が臭いのは男でも女でもあるだろうから、別に蔑視じゃないだろうと思った。私の息も臭いだろうから気になる。
しかし今「ブレスケア広告」で検索してみると、一悶着あったようで、話題にされていた。このイラストが女性蔑視というより、「男の方が息が臭いでしょう」「いやいや女の方が臭いだろう」とケンカになってしまったことの方が問題なようだ。
世の中「どっちの息が臭いか」なんて平和な(?)ケンカをしている程度ならまぁ良いだろうが、女性蔑視だの女性差別だのという根底的なものは、もっと目に見えづらく、危険なものだろう。
女性側が過剰防衛でギャンギャン言ったのか、男性側が「そういう表現はやめとけ」と言ったのか、どういう広がりになったのか分からないが……。男性が加害者、女性が被害者という構図が無難で好まれるというような意見もあった。
なるほど、そう思うと、「男が女に危害を加える」という表現をよく見かけるのは、「女による男への被害」の実態がもみ消されているから、という可能性もあるか? 悪い意味での「社会はこうあるべき」みたいなイメージ図が形成されてしまっているのか。女の怒りに火をつける表現をするとケンカが始まってしまうから、無難というか、批判されにくい表現に留められることが多い?
ただこれも、実態通りでない「男がいつも悪役」というイメージを植え付けてしまうと(実態を訴えるためなら仕方がないが)、「やっぱり男は乱暴でデリカシーがなくて臭いんだ」などと男性差別を助長するのでは。
女性差別について考えるなら、男性差別についても考えなきゃいけないな……。
まだ私には分からないことだらけである。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
ネコは侵略的外来種ワースト100に入っているのに良いイメージで、他の外来種や害獣ばかり悪者・問題扱いされるのは何故?
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
良いイメージの付いている生き物と悪いイメージの生き物。同じ侵略的外来種で、どちらも生態系へ影響を与える生き物であっても、なんとなくイメージに違いがある。みんな同じ命であり、自らの本能と役割にそって一生懸命生きているだけなのに、なぜ印象に違いが出てくるんだろう?
うだつの上がらないエッセイ集(たまに自由研究)
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
今日もうだつが上がらなかった。
でもまあ良いじゃないか。うだつの画像ならネットにたくさんある。うだつが見たければ画像検索すればいい。
そんなうだつとは防火壁のこと。炎上対策は大事だね。
※この作品はエッセイ集のため、気になったページをパラパラめくるとか、好きなところから好きなように読んでいただけると嬉しいです。
カクヨム、noteではじめる小説家、クリエーター生活
坂崎文明
エッセイ・ノンフィクション
カクヨム、noteを中心に小説新人賞やクリエーター関連のエッセイを書いていきます。
小説家になろう、アルファポリス、E☆エブリスタ、ノベラボなどのWeb小説サイト全般の攻略法も書いていきます。
自動バックアップ機能がある『小説家になろう』→カクヨム→noteの順に投稿しています。note版がリンク機能があるので読みやすいかも。
小説家になろう版
http://ncode.syosetu.com/n0557de/
カクヨム版(567関連で公開停止)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880246141
【続編】カクヨム、noteではじめる小説家、クリエーター生活2 作者 坂崎文明
https://kakuyomu.jp/works/16816700427247367228
note版
https://note.mu/sakazaki_dc/m/mec15c2a2698d
E☆エブリスタ版
http://estar.jp/_howto_view?w=24043593
小説家になるための戦略ノート 作者:坂崎文明《感想 130件 レビュー 2件 ブックマーク登録 1063 件 総合評価 2,709pt文字数 958441文字》も人気です。
http://ncode.syosetu.com/n4163bx/
世の中色々な人がいる、ということに時々疲れる。
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
世の中色々な人がいる。ハッピーな時に聞いたら素敵な言葉だ。まだ見ぬ世界が広がっていて、これから色んな人に出会う可能性があるのだから。
でも色々な人がいるということは、色々考慮しないといけないわけで。善なのか悪なのか判断のつかないこともある。世界に善も悪もないけれど。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる