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「オンナ」からの解放、子を産む可能性との別れ
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35歳以上で初産だと「高齢出産」になるらしい。妊娠の確率はだんだん下がるらしい。
私は子どもを産みたいとはまったく思わなかった。
まず痛いのが無理。次に育てるのが無理。
自分自身を育てることさえ、上手にできていないような人間だ。パートナーがいたとしても子育ては無理だし、いなかったら尚更、私には無理だ。
私自身がこの世界で迷いっぱなしの子どもみたいなものなのに、落ちこぼれの私が、こんな世界に別の命を送り出してしまうのは可哀想だと思う。
私が「できる人」ならば、生き方のコツ、人との関わり、お金の稼ぎ方、色んなことを教えてあげられるだろうけど。
もしも子どもに「~はなぜ?」と聞かれても、私は知らない、何も分からない。答えてあげられない。支えになってあげられない。どっしり構えられない。愛せる自信がない。責任を持てない。
だから検討しようとも思わず、「子どもは欲しくない」と決まっていた。
なのに「もう子どもは産めない」という状態がゆるやかに近づいてくることが、なぜだか残念なような喪失感が、ある日急に襲いかかってきた。
「何年か前からジワジワ感じてきた」ではなく、何かに取り憑かれたかのように唐突にだ。
さらには肉体が足掻きを見せるかのように、異常に性欲が高まってギョッとした。今は冷静になったが、一体何事か。
なぜだろう。例えば私はバスケットボールをやっていないしやるつもりもなかったから、「あなたは世界一のバスケットボール選手になれない」と言われたとしても、ショックでもないし泣きもしないだろうに。
「子どもを産む」ことに関しても興味がなかったし、恋愛に関しても結婚に関しても、どちらかといえばアンチ恋愛・結婚派で、「恋愛」とか「結婚」とか「妊娠」「出産」いう言葉を聞くのも苦手なくらいだった。
でもそうか……。自分が子どもの頃は少し、家族やら子育てやら、自分が人との関係を築いていくことに憧れていたのかも。
そして心のどこかでまだ期待していたのかもしれない。いつか誰かと恋に落ち、子どもを授かるとか。自分が女性として愛されるとか。
「子どもは欲しくない」「恋愛も結婚もしない」と決めていた私でさえ、女性としての機能が終わりに向かっていくことに、何とも言えない切ない気持ちになったのだ(取り憑かれたように唐突だったので、私の思いだか何だか分からないけど)。
「いつかは結婚したかった」「子どもを産みたかった」人が、成し遂げられないまま年齢を重ねたときの気持ちはどれほどのものだろう。これは他の女性にとっては、容易に口に出せないような、非常にデリケートな問題かもしれない。
ずっと「女としての自分」から逃げてきた。「女だから変な目で見られるんだ」と危機感を募らせ、いつも見当違いな方向に恐怖や怒りを抱いていた。男性の前で生理の話をするのも嫌だし、女らしさを感じさせること、「女らしいね」とでもいうかのような扱いを受けるのが苦手だった。
男性が苦手であると同時に、男性になりたい部分があった。それは性的な理由でなく、男性が持つ強さ、自由さへの憧れ。イメージだけで現実は知らないけれど。
そもそも美しくない私は、女としての人生を謳歌することを諦めていた。「興味がなかった」はずなのに、「諦めていた」部分もあったのか。
老いることによって、恋バナだの結婚だの、「一般的な道」からは、未経験のまま逃れつつある。が、その後どうする気なのか。まだ分からない。
私は子どもを産みたいとはまったく思わなかった。
まず痛いのが無理。次に育てるのが無理。
自分自身を育てることさえ、上手にできていないような人間だ。パートナーがいたとしても子育ては無理だし、いなかったら尚更、私には無理だ。
私自身がこの世界で迷いっぱなしの子どもみたいなものなのに、落ちこぼれの私が、こんな世界に別の命を送り出してしまうのは可哀想だと思う。
私が「できる人」ならば、生き方のコツ、人との関わり、お金の稼ぎ方、色んなことを教えてあげられるだろうけど。
もしも子どもに「~はなぜ?」と聞かれても、私は知らない、何も分からない。答えてあげられない。支えになってあげられない。どっしり構えられない。愛せる自信がない。責任を持てない。
だから検討しようとも思わず、「子どもは欲しくない」と決まっていた。
なのに「もう子どもは産めない」という状態がゆるやかに近づいてくることが、なぜだか残念なような喪失感が、ある日急に襲いかかってきた。
「何年か前からジワジワ感じてきた」ではなく、何かに取り憑かれたかのように唐突にだ。
さらには肉体が足掻きを見せるかのように、異常に性欲が高まってギョッとした。今は冷静になったが、一体何事か。
なぜだろう。例えば私はバスケットボールをやっていないしやるつもりもなかったから、「あなたは世界一のバスケットボール選手になれない」と言われたとしても、ショックでもないし泣きもしないだろうに。
「子どもを産む」ことに関しても興味がなかったし、恋愛に関しても結婚に関しても、どちらかといえばアンチ恋愛・結婚派で、「恋愛」とか「結婚」とか「妊娠」「出産」いう言葉を聞くのも苦手なくらいだった。
でもそうか……。自分が子どもの頃は少し、家族やら子育てやら、自分が人との関係を築いていくことに憧れていたのかも。
そして心のどこかでまだ期待していたのかもしれない。いつか誰かと恋に落ち、子どもを授かるとか。自分が女性として愛されるとか。
「子どもは欲しくない」「恋愛も結婚もしない」と決めていた私でさえ、女性としての機能が終わりに向かっていくことに、何とも言えない切ない気持ちになったのだ(取り憑かれたように唐突だったので、私の思いだか何だか分からないけど)。
「いつかは結婚したかった」「子どもを産みたかった」人が、成し遂げられないまま年齢を重ねたときの気持ちはどれほどのものだろう。これは他の女性にとっては、容易に口に出せないような、非常にデリケートな問題かもしれない。
ずっと「女としての自分」から逃げてきた。「女だから変な目で見られるんだ」と危機感を募らせ、いつも見当違いな方向に恐怖や怒りを抱いていた。男性の前で生理の話をするのも嫌だし、女らしさを感じさせること、「女らしいね」とでもいうかのような扱いを受けるのが苦手だった。
男性が苦手であると同時に、男性になりたい部分があった。それは性的な理由でなく、男性が持つ強さ、自由さへの憧れ。イメージだけで現実は知らないけれど。
そもそも美しくない私は、女としての人生を謳歌することを諦めていた。「興味がなかった」はずなのに、「諦めていた」部分もあったのか。
老いることによって、恋バナだの結婚だの、「一般的な道」からは、未経験のまま逃れつつある。が、その後どうする気なのか。まだ分からない。
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