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慣れると興味を持たなくなる不思議

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 買ってきたばかりの物、もらったばかりのお気に入りの物は部屋の中で特別な存在感を放っているのに、しばらくすると馴染んでしまって「あるのが当たり前」になるのが不思議だ。手に入れるまでは欲しくて欲しくてたまらなかったのに、手に入れた途端興味を失うのも同じか? 飽き性なのかもしれない。

 子どもの頃ゲームを手に入れた瞬間とかはまだ実感がなかった。どことなく「ちゃんと動くのだろうか?」「思っていた通りのものだろうか?」「コレ夢だったりして」みたいに現実味のない不安があった。だから必死にのめり込んで遊んだりもして。
 でも今は新しい物に感じる新鮮さも、興味の持続力も薄れてしまったかな……。

 ずっと部屋に置いてある物でも改めて見れば発見があるとは思うし、冬になると雪が降ることや外に出ると風が吹いていることも、まだまだ「なぜ」なのか知らない。世界とは何なのかまったく知らない。でもたぶん、そんなの興味を持っても時間の無駄とか、お金にもならないと思って段々「子どもの心」を閉ざしてしまったんだろうな。

 何も知らないのに飽きてしまうこと、興味を失ってしまうこと、大したことないと見下してしまうことは悲しい。もっと純粋な子どもの気持ちになりたい。日が暮れるまで、大人にとってはどうでもいいようなことに没頭できた日々が懐かしい。
























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