クラッシュゼリー

さほり

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Dom

6.

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射精が終わると、体温がスッと下がった感じがする。頭も急に熱が冷めて、無理やりみたいに腕を押さえてしまったことに、罪悪感を覚えた。

「…… ごめん、重かったな。」

頭上で手首をまとめた手に、上半身の全体重を預けてしまった。赤くなった海老沢の手首に胸が痛む。

「んうぅ…… っ!」

謝罪の気持ちで口唇に触れるだけのキスをしたら、海老沢の身体がビクッとなってオレは驚いた。

目を落とすと、オレの腹の下で圧迫された海老沢のそれは、まだ勃ったままだ。
バンドに縛られたまま、ギチギチの半勃ち。
がまん汁で濡れて光ってるけど、白いのは出ていない。

「え。…… おまえ、イッてねぇの?」

驚いて訊くと、まだ息の整わない海老沢は、キョトンとした。

「イッた…… けど…… ?」

「いや、でも、これは?」

「ひぁ…… っ!?」

オレがそれをぎゅっと握ると、海老沢の腰がガクガク揺れた。

「ちょ…… っ、あ、やめ、な、なんで……っ!?」

イッた直後のちんこに触られんのは、誰だって嫌なもんだと思うけど。
海老沢の反応は、明らかに不快感ではなくて。

「これ、イッてねぇんじゃね?」

「ばっ、やめろ、ホント、イッたからぁ…… っ!」

「だって、勃ってんじゃん。おまえ、そんな早く復活しねぇだろ。」

手筒でしごくと、海老沢の身体はビクビク跳ねた。まだ中にいるオレのが、もう射精してちっさくなってんのに、きゅんきゅん締めつける圧を感じる。

自分がイッて頭が冷えると、根元を縛られてギチギチにさせられてる海老沢のちんこは、すごいかわいそうに見えた。

ビビビッ

オレがマジックテープを剥がしてバンドを外してやると、解放されたそれは振り子みたいに2回、大きく揺れた。

「やっぱ…… 勃ってんじゃん。」

いましめを解かれたそれは、根元でせき止められていた分なのか、透明な汁を垂らしながら、風に揺れる花みたいに震えている。

「あ、ちょ……っ!」

オレが手筒でしごいてやると、海老沢の整いかけた息が、また声混じりに乱れた。
いやだ、やめろって、そう言いながらも、抵抗らしい抵抗はなくて。

「んん…… っ!」

さんざん焦らされて敏感になってたそれは、すぐに弾けて白濁を撒き散らした。

「やっぱさっきは、イってなかったん、じゃん?」

「わ…… かんねぇ…… よ 」

腹を大きく上下させて、海老沢は目を閉じた。オレが萎えたのをそっと引き抜くと、片眉だけがピクリと動く。手足を投げ出した無防備な仰向けで、少しずつ呼吸が落ちついていくのが見てわかった。

「シャワー、浴びる?」

「あとで…… 」

小さく答えた海老沢は、そのまま寝息を立て始めた。

安定の寝落ちだな……

カーテンの下から漏れていた西日は、とっくに消えた。外はすっかり暗いのだろう。2時間も喘がされて、体育会系でもない海老沢にはつらかったはずだ。

オレは水筒に用意してたお湯でタオルを濡らして、海老沢の身体を拭いてやった。

どこを拭いても、人形みたいに反応がない。

熟睡してんな……

ヘトヘトになるまで攻めて悪かったと思いながらも、気を許されてることに嬉しくなる。
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