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晴天の霹靂
11.
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その、耳と首が、すこしだけ赤い。
津田は身体をひねって、左側に座る乾の頭を、右手で撫でた。
はじかれたように顔を上げた乾に、しまった、と思う。かわいいな、と思って、つい頭をなでてしまったのだ。
(律じゃあるまいし…… )
驚いた顔で津田を見ていた彼の目が、ぎゅっと細められた。
「津田さん」
「いや、あの、ごめ…… 」
「俺、離婚しました」
「は?うん、それはさっき聞いた…… 」
「だから…… キスしてもいいですか?」
え?と思ったら、開いた口をいきなり唇でふさがれた。
「んぅん…… っ」
うっすらとたばこの味がする舌が、津田の舌を捉えて絡みつく。執拗に舌ばかりを吸い、舐め上げるので、どちらのものとも分からなくなった唾液が喉の奥に溜まる。
堪えきれなくなってごくりと飲み込むと、αの体液を味わった身体に甘い快感が走り抜けた。
「ちょ、おい、返事…… つうか、こんな、た、勃つだろ…… っ」
特効薬で抑え込んだとはいえ、バイオリズム的には発情期の真っ最中である。津田は布団の下で、薄い入院着に包まれた腰をもぞもぞと動かした。
「はは、嬉しいです」
「え、なんで…… ?」
「なんでって、そりゃあ…… 感じてくれたら、嬉しいじゃないですか」
「…… 俺って、…… あんたにとってそういう存在?」
「そういう、存在です」
「あんた俺のこと…… え?な…… んか、そういう?」
「好きですよ。てゆうか、知らなかったんですか?」
「…… まじか―― 」
思わず天を仰ぐ。ゆるむ口元を覆いたかったのに、利き手が不自由でままならない。きっと変な顔をしているのに、目が合った乾は本当に嬉しそうに微笑んだ。
「さっきから津田さん、聞いたことに、全然答えてくれてないんですけど。今日退院できるんですよね?」
「…… うん」
津田は身体をひねって、左側に座る乾の頭を、右手で撫でた。
はじかれたように顔を上げた乾に、しまった、と思う。かわいいな、と思って、つい頭をなでてしまったのだ。
(律じゃあるまいし…… )
驚いた顔で津田を見ていた彼の目が、ぎゅっと細められた。
「津田さん」
「いや、あの、ごめ…… 」
「俺、離婚しました」
「は?うん、それはさっき聞いた…… 」
「だから…… キスしてもいいですか?」
え?と思ったら、開いた口をいきなり唇でふさがれた。
「んぅん…… っ」
うっすらとたばこの味がする舌が、津田の舌を捉えて絡みつく。執拗に舌ばかりを吸い、舐め上げるので、どちらのものとも分からなくなった唾液が喉の奥に溜まる。
堪えきれなくなってごくりと飲み込むと、αの体液を味わった身体に甘い快感が走り抜けた。
「ちょ、おい、返事…… つうか、こんな、た、勃つだろ…… っ」
特効薬で抑え込んだとはいえ、バイオリズム的には発情期の真っ最中である。津田は布団の下で、薄い入院着に包まれた腰をもぞもぞと動かした。
「はは、嬉しいです」
「え、なんで…… ?」
「なんでって、そりゃあ…… 感じてくれたら、嬉しいじゃないですか」
「…… 俺って、…… あんたにとってそういう存在?」
「そういう、存在です」
「あんた俺のこと…… え?な…… んか、そういう?」
「好きですよ。てゆうか、知らなかったんですか?」
「…… まじか―― 」
思わず天を仰ぐ。ゆるむ口元を覆いたかったのに、利き手が不自由でままならない。きっと変な顔をしているのに、目が合った乾は本当に嬉しそうに微笑んだ。
「さっきから津田さん、聞いたことに、全然答えてくれてないんですけど。今日退院できるんですよね?」
「…… うん」
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