詩集

いぶさん

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桜の花が散る後に

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誰もが目を奪われる 淡い薄紅の花びらを

誰もが春の季節には シートを広げ目にし味わう



冬の厳しさを 超えた頃

肌で温もりを 知った頃

当たり前の様に 訪れる頃



10日程の命でも

別れと出会いを知らせ咲く



その花々が散った後

地に残るは醜くとも



誰もが心を奪われる 淡い薄紅の花びらを

誰もが春の季節には 顔上げ眼に映し味わう



冬の厳しさを 超えた頃

肌で温もりを 知った頃

毎年の様に 訪れる頃



儚く散りゆくの命でも

別れと出会いを知らせ咲く



その花々が散った後

ほうきで掃くのは煩わしくとも



また次の年も

その次の年も

人々は その花を 恋焦がれる
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