詩集

いぶさん

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臨死体験

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そこは 六畳一間の明るい場所

初めての ケンカは路上で殴り合い

俺は そこに拘束され 相手はどうなったかと問う



最初に 手出したのは相手

俺は 先に殴られました

アイツは どうなったのでしょう?

聞いても サツは知らんぷり



納得いかん ココから出せ

檻を何度も 何度でも

拳が 砕けようが 骨折れようが

殴って 殴って 殴りぬく



「やめろ」と サツが五人がかり

右腕 左腕 右脚 左脚

押さえつけて 逃げられない俺

五人目は みぞおちを肘打ちで攻撃



痛い いたい イタイ

逃げらんない



痛い いたい イタイ

逃げらんない



観念して声にならない声

「ごえんなさい」

情けなさ過ぎる声

酸素ふり絞って出した声

でもサツは更に強く



肘打ち

肘打ち

肘打ち



ああこれが サツのやり方か

ケンカしたヤツは 殺していいのか

檻殴ったやつは 殺していいのか



ふと 意識が遠のくの

痛みも 感じなくなってきたの

つい 諦めてみたその時

部屋の隅で 俺が見た光景



五人の警察が 誰か殺しているぞ



あれは



アレは



アレハ



シンデイルオレダ
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