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北欧神話篇
黒い世界樹
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時間が動き始めると、クロノスの姿を見たオーディンは、何があったのか理解したようで……
「魔王!?」
オレの正体にも気付いたのか、そう言うと、膝をついたクロノスの強化服から装備を奪い、突然目の前から消えた。
「おい、アイツはどこに行った?」
傀儡になったクロノスに問いかける。
「目の前の魔王には勝てぬと判断し、私の強化服の力を使い、過去のあなたを消そうとしているのでしょう。」
「何!?……どうすれば、過去に行ける?」
「あなたご自身がおっしゃられていた通り、私の力以上の力をお持ちなのでしたら、念じるだけで過去に行けるはず……」
確かに、クロノスの言う通り念じるだけで過去に行くことができた。
ここは1992年……
人類の文明はまだ滅んでなく、高層ビルが建ち並んでいる。
何かに取り付かれたかのように機械的に動く人々……
ふと、オレは、自分の姿を見直す。
別にヒュプノスのように無機物の姿というわけでも、他の神のように強化服を着ているわけでもなかったが、オレはボロ布一つを纏っているだけだった。
世界が滅んだ現代では、これでも普通の姿なのだが、やはりこの時代では目立つか……
オレは、地面を踏み込み、ビルの屋上へと跳んだ。
オレは目を閉じ、オーディンの居場所を探る。
オーディンは、身を隠しながら、過去のオレを探していたが、突然現れたオレに記憶を消され、大人しく現代に戻っていった。
さて、オレも現代に戻るべきか……
いや、このまま過去のオレを見付ければオレの記憶を取り戻せるかもしれない。
それどころか、あの人類滅亡した現代を変えることができるかもしれない。
「魔王!?」
オレの正体にも気付いたのか、そう言うと、膝をついたクロノスの強化服から装備を奪い、突然目の前から消えた。
「おい、アイツはどこに行った?」
傀儡になったクロノスに問いかける。
「目の前の魔王には勝てぬと判断し、私の強化服の力を使い、過去のあなたを消そうとしているのでしょう。」
「何!?……どうすれば、過去に行ける?」
「あなたご自身がおっしゃられていた通り、私の力以上の力をお持ちなのでしたら、念じるだけで過去に行けるはず……」
確かに、クロノスの言う通り念じるだけで過去に行くことができた。
ここは1992年……
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オレは、地面を踏み込み、ビルの屋上へと跳んだ。
オレは目を閉じ、オーディンの居場所を探る。
オーディンは、身を隠しながら、過去のオレを探していたが、突然現れたオレに記憶を消され、大人しく現代に戻っていった。
さて、オレも現代に戻るべきか……
いや、このまま過去のオレを見付ければオレの記憶を取り戻せるかもしれない。
それどころか、あの人類滅亡した現代を変えることができるかもしれない。
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