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第一の封印
セルデリカのシークレット
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アレやコレやソレと言わずに済んだが、何かおかしい。
しかし何がおかしいのかと言われると……、なんだこの違和感は?
無駄に、無駄にオシャレな気がする。
「そうだね。これでボキャブラリーのパワーは少しグッドになったはずだよ」
確かに会話は成立している。
それはつまり語彙力が戻ったということを意味している訳だが、こうも無駄にオシャレな言葉回しをしてしまうのは、まだまだ完全には語彙力が戻っていないからだろうか。
そういえばセルデリカは以前、東西南北にある四つのダンジョンに行く必要があると言っていた。ここはまだ一つ目のダンジョン。同じようなことをあと三回ほど繰り返す必要があるって訳か。
しかし最初はノリと流れだけで安請け合いしてしまったので、少しでも語彙力が戻ってきたのなら、ここらでもう一度詳しい話を聞いた方が良いかもしれない。
そんなことを思いながらセルデリカの方に目を戻すと、俺は些細な変化に気付いた。
「あれ? セルデリカ、お前いつの間にヘアーのスタイルをチェンジしたんだ?」
無駄に。無駄にオシャレなんだよなぁ……。まあいい。
たしかセルデリカはさっきまでウェーブの掛かった髪をツインテールにしていたはずだ。それが今はどういう訳か、ストレートヘアーをポニーテールにしてまとめていた。
髪型を変えるだけならまだしも、髪質をストレートにするような時間はなかったよな?
「あ、これ? ソーリーソーリー、ちゃんとティーチしないとだよね。あたし実はボキャブラリーのパワーがロストしたタイミングに、あたし自身のパワーもロストしちゃったんだよ。それもこれもマイファザーが悪いんだけど……。でも、さっきのアーティファクトをデストロイしたからちょっとだけパワーがリターンしてきたんだ。ヘアーのスタイルがチェンジしちゃったのはそのせい。ほら、ちょっとだけだけどスタイルもアダルチックになってるでしょ?」
……。
おかしい。アレやらコレやらは言ってないはずなのに、何言ってるかぜんっぜん頭に入ってこねぇ……。
ただまぁ、語彙力が戻ってきたのと同時にセルデリカにもチカラが戻ってきたってことは伝わった。確かに喋り方も子供っぽさが抜けてる気がするし、ぺったんこだった胸もほんの少しだけ膨らんでるからな。
しかしそう考えると、今のセルデリカの姿とチカラは本物じゃないってことになる。
仮にも魔王の娘。全ての語彙力を取り戻したとき、もしかするとセルデリカには絶大なチカラが戻ってくるのかもしれない。
一抹の不安が俺の脳裏をよぎる。
だが、だからと言って語彙力の不完全な世界をこのまま放っておく訳にもいかない……。
果たして俺は、このままセルデリカと旅を続けていいのか?
少しだけ悩んで、俺は考えるのをやめた。
先のことはその時に考えればいい。親からは無鉄砲だとか大雑把だとか言われてきたが、これが俺の性格なのだ。
なにより初めて出会ったセルデリカは本当に困った様子だった。旅を始めた理由の一つとして、彼女を助けたいと思った気持ちが確かに有るのだ。
それに……、セルデリカの本当の姿ってのを見てみたいしな。
俺の見立てだと、すんごいスタイルの良い女の子に育つと思うんだよなぁ。
「勇者、どしたの?」
「おっ!? い、いや……、なんでもないぞ」
「そう?」
俺の動揺を見てセルデリカが首をちょこんと傾げるが、敢えて無視。
「とりあえず、もうここには用はないんだろ? ネクストはどこのダンジョンにゴーするかチョイスしなきゃいけないし、そろそろリターンしようぜ。俺はいい加減、このクレイジーなコールドうんざりだ」
「わかった。あたしもハングリーだし、そうだっ。またアレ食べたい!」
俺は思わず笑ってしまった。
これでまた一人、ラグンツェの串焼き愛好家が増えたって訳だ。
「オッケー。じゃあコルテックまでリターンするか」
しかし何がおかしいのかと言われると……、なんだこの違和感は?
無駄に、無駄にオシャレな気がする。
「そうだね。これでボキャブラリーのパワーは少しグッドになったはずだよ」
確かに会話は成立している。
それはつまり語彙力が戻ったということを意味している訳だが、こうも無駄にオシャレな言葉回しをしてしまうのは、まだまだ完全には語彙力が戻っていないからだろうか。
そういえばセルデリカは以前、東西南北にある四つのダンジョンに行く必要があると言っていた。ここはまだ一つ目のダンジョン。同じようなことをあと三回ほど繰り返す必要があるって訳か。
しかし最初はノリと流れだけで安請け合いしてしまったので、少しでも語彙力が戻ってきたのなら、ここらでもう一度詳しい話を聞いた方が良いかもしれない。
そんなことを思いながらセルデリカの方に目を戻すと、俺は些細な変化に気付いた。
「あれ? セルデリカ、お前いつの間にヘアーのスタイルをチェンジしたんだ?」
無駄に。無駄にオシャレなんだよなぁ……。まあいい。
たしかセルデリカはさっきまでウェーブの掛かった髪をツインテールにしていたはずだ。それが今はどういう訳か、ストレートヘアーをポニーテールにしてまとめていた。
髪型を変えるだけならまだしも、髪質をストレートにするような時間はなかったよな?
「あ、これ? ソーリーソーリー、ちゃんとティーチしないとだよね。あたし実はボキャブラリーのパワーがロストしたタイミングに、あたし自身のパワーもロストしちゃったんだよ。それもこれもマイファザーが悪いんだけど……。でも、さっきのアーティファクトをデストロイしたからちょっとだけパワーがリターンしてきたんだ。ヘアーのスタイルがチェンジしちゃったのはそのせい。ほら、ちょっとだけだけどスタイルもアダルチックになってるでしょ?」
……。
おかしい。アレやらコレやらは言ってないはずなのに、何言ってるかぜんっぜん頭に入ってこねぇ……。
ただまぁ、語彙力が戻ってきたのと同時にセルデリカにもチカラが戻ってきたってことは伝わった。確かに喋り方も子供っぽさが抜けてる気がするし、ぺったんこだった胸もほんの少しだけ膨らんでるからな。
しかしそう考えると、今のセルデリカの姿とチカラは本物じゃないってことになる。
仮にも魔王の娘。全ての語彙力を取り戻したとき、もしかするとセルデリカには絶大なチカラが戻ってくるのかもしれない。
一抹の不安が俺の脳裏をよぎる。
だが、だからと言って語彙力の不完全な世界をこのまま放っておく訳にもいかない……。
果たして俺は、このままセルデリカと旅を続けていいのか?
少しだけ悩んで、俺は考えるのをやめた。
先のことはその時に考えればいい。親からは無鉄砲だとか大雑把だとか言われてきたが、これが俺の性格なのだ。
なにより初めて出会ったセルデリカは本当に困った様子だった。旅を始めた理由の一つとして、彼女を助けたいと思った気持ちが確かに有るのだ。
それに……、セルデリカの本当の姿ってのを見てみたいしな。
俺の見立てだと、すんごいスタイルの良い女の子に育つと思うんだよなぁ。
「勇者、どしたの?」
「おっ!? い、いや……、なんでもないぞ」
「そう?」
俺の動揺を見てセルデリカが首をちょこんと傾げるが、敢えて無視。
「とりあえず、もうここには用はないんだろ? ネクストはどこのダンジョンにゴーするかチョイスしなきゃいけないし、そろそろリターンしようぜ。俺はいい加減、このクレイジーなコールドうんざりだ」
「わかった。あたしもハングリーだし、そうだっ。またアレ食べたい!」
俺は思わず笑ってしまった。
これでまた一人、ラグンツェの串焼き愛好家が増えたって訳だ。
「オッケー。じゃあコルテックまでリターンするか」
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