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二章「結婚の儀」

閑話「イオとコレウス」後編✳

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「どうかした?」浴室の扉を開けると、裸のイオに抱きしめられた。
「自室で準備しようと思いましたが、気がきまして」お腹に固いモノが当たっている。

「……んっ」顎を掬われ、開いた唇に舌が侵入する。私の舌を捕まえて絡ませ、口から突き出すほど引き寄せて、舌裏や喉奥まで舐め回す。激しい口付けに、花の香りが立ち上った。

 ぐいっと片足を持ち上げ、腰に巻き付けさせられたと思うと、片手で秘裂を割り開き、ぐちゅぐちゅと音を立てる。
「貴女も準備ができてますね、嬉しいです」もう……イオってば。

「きゃぁあっ」浴室の床に腰を下ろすイオに抱き寄せられ、胡座あぐらの上に座らされながら深くくさびを穿たれた。痛みはない、けど。
「蝋燭台に挿された蝋燭のようですね」突然の言葉に、返事も出来ずに喘ぐ。

「……ぁ、ぁあ、ん」イオをみっちりと受け入れた蜜壺が、ゆっくりと形を変えながら快楽を拾い始める。
 大きく足を開きイオを跨いで座った腰が揺れて、良い所に当たる度に喘ぐ。

「銀髪が灯りに煌めいて、赤らんだ肌が艶かしいですね」首筋を舐めながら乳房を掴まれ、腰を回されると、濡れた音が浴室に響く。
「ぁん、気持ちいい……」秘裂がイオに吸い付いて、逃がさないと主張した。

「これから、蝋燭が揺らめく度に欲情しそうです」そんな神官さん、ダメでしょう。脳裏で突っ込むけど、体は悦んでいる。
「今、もっと欲しがって」体が熱い。イオの目がギラリと光った。

「っぁ、ぁあっ」腰を掴まれて突き上げられる。揺さぶられ、刺すように何度も抉られた。
「イっちゃう!」深く引き寄せられ、突き込まれて、胎内に熱い迸りを感じ、一緒に達した。

 イオと繋がったまま口付けを交わしていると、ノックもなく浴室の扉が開いた。
「どこに行ったかと思ったぞ」コレウスがのんびりと入って来た。

「二人とも風邪をひくぞ、湯に浸かれ」コレウスが私を抱き上げる。イオと離れる時はやっぱり一瞬構えたけど、全部吸収されたようだ。ずっと『食事』扱いなのね……太らないかしら。

 湯舟でコレウスの膝に抱えられ、その胸に背中を預けていると、温かい魔力を感じた。
「ありがとう」コレウスを見上げると、
「違うぞ」とにやりとされる。

 驚いて向き直ると、イオが恥ずかしそうに笑った。
「光魔法の『恩恵』です。回復効果は少なく緩やかですが、長時間継続します」

 そう言えば、一瞬で効く治癒術とは違う。
「体の中が温かくなって、疲れが薄れて力が沸いてくる感じ。気持ちいいわ。素敵な魔法ね」イオに笑いかけると、照れた顔が可愛い。

「『恩恵』を使いこなせれば、一級に昇格できる筈だし、イオは元々破魔や破邪は得意だ。すぐに大神官になれるぞ。神官長を追い立てるつもりだな」コレウスが笑う。

 神官の階級は補佐・準・正・大神官で、正神官は五級から特級まで別れている。昇級には厳しい条件があるのに、イオの若さで一級神官になれるなんて凄い。確か、神官長でも大神官なんだもの。

「回復系統は苦手なんですよ、どちらかというと攻撃的な性格ですから。神官長は事務仕事ばかりです。私には向きませんよ」イオが笑った。攻撃的……そうね、否定しないわ。

「あまり俺の仕事を取らないでほしいが、確かに光魔法での回復度が増すのはありがたい。火属性のヒビスクスには俺の治癒が効きにくいしな」憂い顔のコレウスも格好いいけど。

「最近、ヒビスクスの怪我が増えている。敬愛する隊長に安心して貰おうと、訓練でも無理をしているんだろう。俺はもう、大切な人を失うのはごめんだ」コレウスがため息を吐いた。

「分かりました。これから毎朝、守護者達に守護と恩恵を掛けるようにしますよ。修業にもなりますし」意欲的なイオを見て嬉しく、少し寂しくなった。

「どうした?」コレウスに覗き込まれた。本当にすぐ気付くんだから。
「コレウスと同じよ。私も魔法院に行けないから、無属性魔法の練習や研究ができないなって」今はそれどころじゃないしね。

「状況が落ち着けば、何か方法を考えよう。少し待ってくれ」コレウスが顎を頭に乗せ、すがりつくように抱きしめてきた。
「今の胸のざわつきには覚えがある。前回は弟を失った。暫くは自重してほしい」

「それで、パースランに無理をさせましたね? 精霊は何と言っているんですか?」イオが探る目で尋ねた。珍しいわ。イオはわりと直情的なのに。

 コレウスが自嘲するように笑う。
「それが分かりにくくてな。とにかく力を寄越せという感じだった。連鎖がどうとか言っていたが」

 珍しいメンバーでゆっくり入浴して、凄くリラックスできたけど、治癒も回復もするからと朝方まで啼かされた。
 癒やし手の恋人達は大変だと実感したわ。
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