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一章 聖女と守護者達

十二話「光の神官」後編✳

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「抱きたいです」絞り出すような声で、イオナンタが囁いた。
「お母上に似た貴女が可愛かった。懐いてくれて嬉しくて、会えなくなって寂しかった。お母上と話している内に、貴女が聖女だと気付きました」お母様、知ってたのね。

「貴女が通る時間に合わせて、神殿の門前を掃除しました。よく挨拶を交わしていましたよ」そういえばよく神官の姿を見て、熱心だなぁと思ってたわ。
「貴女の守護者選定の儀が行われると知って、真っ先に申請しました」コレウスも言ってたわ。あの儀式は早い者順だったのかしら。

「わたしは自分の気持ちが怖い。貴女を欲しいままに抱いて、壊してしまいそうで」イオは震えている。
「闇の守護者であるタッカが伴侶に選ばれた時の絶望が甦ると、震えてしまうほどです。貴女が好きで、抱きたくて堪らない」若草色の目が欲望にギラついている。

「抱いて。大好きな神官のお兄ちゃん」頬を撫でて囁くと、荒々しい口付けに襲われた。ずっと揉みほぐされていた胸に優しく触れられて、嬌声をあげて悶える。甘い花の香りが広がった。

「可愛いヴェロニカ、貴女が欲しい」乳首を甘嚙みされながら、秘所を弄られる。
「あぁ、気持ちいい」身を捩り、自分から脚を開いた。イオの手は大きく、指は骨ばって長い。少し荒れた指先で姫豆を弄られて、すぐにイきそうになる。

「淫らですね、この国の聖女に相応しい」イオは嬉しそうに笑った。
「お母上の教育で、今の立場を辛く思っていないかと心配しましたが、大丈夫で良かった」指を秘裂に差し入れられると、湿った音がする。

「あぁ、ん」胸を愛撫する綺麗な薄紫色の髪を撫でて、快楽に溺れた。
挿入いれますよ」数本の指を受け入れて花の香りがせるほど濃くなり、もう請願ろうかと思った時に漸く、イオが入って来てくれた。
「嬉しい」細く背の高い彼にしがみつくと、子どもの頃に戻った気がする。

「あぁぁああ」中で大きくなり、弾けるのと同時にイく。
 ぐいっと乳房を掴まれると、真っ黒な靄が流れ出して行った。体の中が温かくて、凄く穏やかな気持ちになる。でも
「もっとして?」花の香りも下腹の疼きもおさまらない。口付けて誘うと、イオが喉を鳴らした。

「余り煽らないで下さい、我慢できなくなる」我慢しないで欲しい、と繋がった腰を揺らす。イオが呻いて、私の両足を抱え上げた。腰を激しく打ち付けられて奥に迸りを受けても、渇きがおさまらない。
「まだ足りないの。助けて」何かおかしいかも。悲鳴をあげる私の中で、イオは何度も達した。

「光の精霊が暴走してるよ」タリーの声がして、視界を塞がれる。
「イオナンタ、聖水です。飲んで下さい」嚥下音がして、肩に担がれていた足がゆっくりと下ろされた。
「すまない、引き摺られたようだ」イオの手が頬を撫でて、そっと口付けてくれる。

「光の精霊は御子を欲しがってるけど、ヴェロニカは万全じゃない。まだ風の加護も受けられてないし、少し待って貰いたいんですが」タリーに抱きしめられて、少しは落ち着いたけど。
「……駄目らしいね」うん、そうみたい。

「何か、今がいい理由があるようですね」イオも額に手を当てている。
「御子って、精霊の種とは違うの?」タリーの言葉が少し引っ掛かった。
「成る程、種か。そんな感じだったね」タリーが頷く。
「それを言うなら、光の御子は聖女の種なのかもしれません」イオが言い出した。

「イーストフィールドには今、聖女を孕める巫女がいません。お母上は条件に合う方でしたが、お父上と恋に落ちました。聖女が結婚した当初で出産も望めましたので、ラディアータ様が二子以上授かれば生国に戻すとの約束でお嫁にいらしたのです」でも、イーストフィールドの聖女は亡くなり、お母様は私しか生めなかった。

「光の御子を生んでイーストフィールドに送って欲しい、と光の精霊が頼んでいます」三人揃ってため息を吐く。
「御子はどうやって生むの?」やるしかないなら、仕方ないわね。
「ある程度の大きさまで君の胎内で育てたら、人の子の様に生まれてくるんだ。純粋な光属性が必要だから、イオナンタだけが育てられる」

「でも、聖女自身の体には他の守護者の加護が必要です。だから、口や後ろから補給するんです」と小さな声でイオが付け加えた。後ろ……少し怖いわ。
「風の加護が薄いから、パクレットには多目にしてもらわないと」タリーも覚悟を決めたようだ。
「タッカはここでは落ち着かないだろうね。孕めたら、聖女の間に移動しよう」
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