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異世界プロレス篇
【安心】
しおりを挟む「フゥ・・・・・・」
あてがわれた部屋を見渡すと、思わず声を上げてしまう。
何しろ、そこの部屋ひとつだけでデザイナーズマンションだと言われてもまだ不充分なほどだったからだ。
格調高い空間ーーーー
よく分からん壺に、よく分からん絵画。
ホコリひとつない部屋には、大きな窓がついており、城の中庭が見える。
踏み心地最高の絨毯に、高級感バリバリの家具たち。
この部屋が自分の物と言われてまだ一時間も経っていないのに、すでに恭平の嗜好に合う酒や葉巻が、セラーの中で眠っている。
「ははは・・・・・・変な笑いが出てきちまう」
前世の・・・・・・20年間寝ていた部屋とのギャップが凄まじすぎて、言葉も出てこない。
本当は、どこでも眠ることができる。
なので特別待遇などは求めなかった。
ところが、王宮の中にある部屋をひとつ、貰えたのだ。
『お主を城下町に住まわせたら何をしでかすか分かったものではない!! 城に住むのじゃ!!』
パドロ・クリストフ二世の御言葉である。
まあ、分からなくもない。
それに、いまだに親衛隊という王への危険分子も存在する。
用心棒代わりの恭平が城に居た方が良いだろう。
学も同様に、失われた栄光を与えられる機会はあった。
だが、彼自身が断った。
『部下の手前、自分だけ特権階級になるわけにはいかない』
なんとも部下想いの上司である。
せめても、と、大きな屋敷に匿っている貧民たちを住まわせるという条件付きで移り住んだらしい。
「さてさて・・・・・・俺の手に全てがかかってるわけだ・・・・・・」
鍛え抜かれた肉体・・・・・・
プロレスラーの流儀・・・・・・
それくらいしかない。
魔法やらチートスキルやら特殊能力やら・・・・・・そんな異世界転生ものとはまるで違い、自分には使える特技が少ない。
そんな状況下で、王や学、その他国民の行く末を背負うのだ。
考えるだけでもぞっとするが・・・・・・
「とりあえず寝るか」
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