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”異世界転生”

【召喚されしプロレスラー】

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 ここはどこ・・・・・・なんてテンプレはどうだっていい。



 佐藤恭平が死亡したのは確かだ。



 その次に起こることなど、予想できるものではないし、してもいなかった。



 だが、王宮とは・・・・・・



「映画みてぇだな」


「おーい。余が呼んでおるのだぞー!」


「ン?」



 黄金の玉座には、年配の男性が座っていた。



 特徴的な紫色の髪、山羊ヒゲに凛々しい眉毛。



 威厳を醸し出す正装に金ピカの冠ときた・・・・・・



「・・・・・・王様みてぇ・・・・・・」


「事前に言っておくが国王だっ」



 ふと、自分の周りにはチョークで描かれた何かが書かれているのに気がついた。



 大きな円に・・・・・・五芒星と・・・・・・よくわからん文字やら・・・・・・



 教養の無い恭平にはピンと来ていないが、どうやら魔方陣らしい。



「まぁ・・・・・・なんにせよだ。召喚は成功したと言うことだな」


「召喚?」



 王の言葉と同時に、大勢が拍手をした。



 手を鳴らしているのは、甲冑を着た兵士やローブを目深に被った怪しげな者共・・・・・・教科書でしか見たことのない中世ヨーロッパの貴族のような人物たちも居た。








「神に祈ってよかったよかった」


「ここがどこだとかは・・・・・・どうだっていいさ・・・・・・」


「ほう・・・・・・他の転生者たちとはひと味違う反応だな」


「こちとらチャカでぶっ殺されたンだ・・・・・・ちょっとやそっとのコトで驚くほど金玉は小さくねぇよ」


「下品な言葉遣いについては不問としよう・・・・・・君に頼みがある」


「ほほう」



 その前に、血で汚れたシャツも古びたズボンも相応しくない。



 ということで、国王とやらのご厚意によって着替えさせられた。



「・・・・・・」



 恭平は不機嫌で戻ってきた。



 何しろ、どれほど大きいサイズの服を選んでもパツパツ。



 身体に合っていない。



 それもそうだ。



 宮廷服に伸び縮みなどは期待できないし、高貴な者にゴリラのような体躯の人物は少ないだろう。



 七分丈のちんちくりんな格好で戻ってくると、集まっていた貴族たちは笑いをこらえるのに必死だった。



「・・・・・・」


「・・・・・・なんだか、すまん」



 国王が謝った。





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