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”栄光と代償”

【三日天下も立派な天下】

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『さっき言ったろ? 記者会見があるってよ・・・・・・佐藤恭平チャンピオンは素晴らしい選手だった。遅咲きだがいいプロレスラーだ。しかしながら、残念なことに薬物を使用したドーピングによって試合を有利にした・・・・・・その副作用で、祝勝会で倒れて搬送・・・・・・病院で死亡した。我が社としても残念な限りだ・・・・・・クククッ』



 スマホには速報ニュースで『新チャンピオン佐藤恭平氏、薬物使用で病院搬送』『プロレスラー・佐藤恭平氏 死亡を確認』『『ネオ・プロレス』社長が緊急記者会見』と夥しい情報が流れてきた。



「マジかよ・・・・・・」



『これでお前の名誉も地に墜ちた・・・・・・三日天下どころか二時間天下だったな! ガッハッハッハ!!』



 さて・・・・・・



『ここで問題だ・・・・・・すでに死んでいるお前が生きている。それは困る。ならば、どうすると思う?』



「・・・・・・殺すでしょうねぇ・・・・・・俺でもそうする」



『大正解』



 三人の男たちが懐に手を忍ばせる。



『恭平・・・・・・最後に尋ねたい』



 秀木が葉巻を吹かしながら、質問をした。



『なぜだ? なんでこんなバカなことをしたんだ?』



「・・・・・・」



『あのまま言われた通りに生きてさえくれれば、少なくとも引退後まで面倒を見てやるつもりだった・・・・・・20年も一緒に仲良くやってきたじゃねえか・・・・・・なんでだ?』



「・・・・・・主人公になりたかった」



『ハッ・・・・・・血迷ったか?』



「それともうひとつ・・・・・・」



 スマホに向かって、中指を立てる。



「てめえが死ぬほど嫌いだからかな?」



『ッッ!!』



 葉巻が折られ、秀木が充血するほど目に力を入れた。


『ぶっ殺せぇぇぇ!!』


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