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”栄光と代償”

【下剋上】

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「・・・・・・社長」



 笑顔だが・・・・・・怒っている。



 しかも烈火の如く、だ。



『ハハハッ・・・・・・しかし、あのアンドリューを倒してのけるとはな、見直したよチャンピオン』


「・・・・・・ウス」


『キックの世界からリングに上げるのに結構かかったんだぜぇ・・・・・・この俺が頭まで下げてだ・・・・・・そこまでしてようやく、あのクソアメリカ人をリングに立たせた・・・・・・やっと稼げる商品になるところだったのに・・・・・・』



 ミシミシ・・・・・・



 机の肘置きを、握力で破壊しそうだった。



『もうアンドリュー・ロドリゲスは使い物にならねぇ・・・・・・ツバサもな。ネットで二人ともボロクソに言われているよ』


「俺は慣れてますけどね」


『我が社の損害は多大だ・・・・・・佐藤恭平何人分だぁ? その頭で考えてみろやぁぁぁ!!』



 ボキンッッ!!



 椅子を破壊して、ようやく秀木は怒りを表情に出した。



『この恩知らずのゴミカスがぁ・・・・・・てめえみたいな能無しを喰わせてきたのは誰だぁ!? 数年ぶりにテレビ中継まで入った興業で、ガチンコなんぞしやがってバカヤロウがぁぁぁ・・・・・・』



 カメラに青筋を立てた頭をずずいっと近づけてきた。



『記者会見さえなけりゃぁ俺様の手でぶっ殺してやりてぇよ!!』


「それができないから・・・・・・コイツらを?」



 ハァハァと息を荒げながら、秀木が髪を撫でて冷静になろうとしていた。



『フゥ・・・・・・そうだ。そいつらは俺様の親しい友人のさんたちでね』


「むすこ・・・・・・ねぇ・・・・・・」


『人間ひとり消すのも、このご時世じゃあひと苦労だ・・・・・・だからと言って、俺様に逆らったヤツに罰を与えない理由にはならない』



 薄笑いをしながら、『オーガ・秀木』は指を指してきた。



『お前のスマホで見てみろ』



 言われた通りに、スマホを・・・・・・



 !?



「どういうこったぁ?」



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