死が二人を分かつまで

異種格闘技トーナメント篇

【白日の下の宝】

　だが、芥川の顔は優れない。



「んん･･････世に知られてしまった･･････」



　そう。



　セツナのことだ。



　まだ教えることが山ほどあるのに･･････世間が知ってしまった。



　検索するまでもない･･････あの高レベルなボクシング･･････二回りも大きい男を蹂躙した圧倒的強さ･･････それも美少女が、だ。



　もうすでにネットでは拡散され、切り抜かれているに決まっている。



　自分だけの･･････セツナ。



　それが･･････



「･･････初めて会った時に活殺術でもしておくのだった･･････」



　パチ･･････



　パチパチ･･････



　パチパチ･･････！！



「カッコイイ！！」


「最強の警備員！！」


「『ネコ・らぼ』を護ってくれてありがとー！！」



　ファンたちからの拍手喝采。



　芥川は内心モヤモヤしていたが･･････ここで重要なのは、悩むことなんかじゃない！！



「皆様･･････どうか未熟ですが光り輝く原石の『ネコ・らぼ』に一層の応援を」



　ワー！！



　ファンたちが湧いたところで、芥川は急いでセツナと新樹を連れて通路の奥に消えた。



　この日を境に『絶世の最強美少女現る！！』と動画が拡散され、バズった。



　芥川はこの現実に苦い思いをしたが･･････



「･･････天啓ですかね」



　とある決心をした。