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異種格闘技トーナメント篇
【セツナとゴウ】
しおりを挟む「・・・・・・ちょっといいか?」
ゴウが足早に、セツナの手を引いて楽屋を出て行った。
「おまっ! 先生! アイツがセツナに変なことするんじゃないかって心配じゃないんですか!?」
「落ち着きなさい新樹さん。大丈夫。しっかりと釘は刺していますので」
しかし、芥川もセツナの悲鳴が1シーベルトでも聞こえたら殺しに行く準備はしていた。
・・・・・・誰にも見つからない、ゲスト用の控え室。
セツナは困惑していたが、すぐに抱きつかれると、思考が停止してしまった。
「ずっと・・・・・・お前ンことを見つめたかった」
「・・・・・・」
「歌ってる時、視界の中に入った・・・・・・でも、見ちまったら・・・・・・そのまま目が離せなくなっちまいそうで」
「・・・・・・」
「安心する・・・・・・すまねえ・・・・・・こんなダセえ男で」
『私で落ち着くの?』
「アイドルっつっても、人前に出ると緊張はするんだよ・・・・・・お前から元気もらわねーとやってらんねえ」
『それこそ、アイドル失格だと思うけど』
「言わせたいヤツには言わせておく・・・・・・少し汗臭いかもしれねえけど・・・・・・勘弁な」
「・・・・・・」
嫌いな匂いじゃない。
オスを感じる・・・・・・フェロモンのような、鼻腔をくすぐる香り。
あんなにファンのみんなの心を撃ち抜いていたのに・・・・・・
こんなに子供っぽくて・・・・・・目を離すと壊れそうで・・・・・・
「・・・・・・」
・・・・・・初めて、セツナは腕を巻きつけることを許可した。
「・・・・・・ガンバッタ」
「・・・・・・っ! ああ・・・・・・頑張ったよ」
二人の溶け合いそうな時間が、ゆっくりと過ぎていった。
がーーーー
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