死が二人を分かつまで

異種格闘技トーナメント篇

【ゴウの男心】

「お前が？」


「･･････（コクリ）」


「･･････やめておけ。白真会の大会って言ったら、毎回救急車が往復するって有名じゃないか･･････そんなところに行くなんて、何かあったら･･････」


『･･････心配してくれているの？』


「っっ･･････ああ、そうだよ･･････お前が心配だっ！」



　やけっぱちになったように言ったが、ゴウも顔が赤い。



「お前が･･････もしも怪我なんかしたら･･････俺は自分の立場もわきまえずに、相手をぶっ飛ばしに行くだろうさ」


『･･････ありがとう』


「チィ･･････その顔、新樹とか他の男の前で見せるんじゃねえぞ」


「？」


「勘違いすっから･･････」


『あなたも勘違いしちゃったりして？』


「べ、別に･･････」


『ふふ･･････』



　その後も世間話をちょこっとしただけで、前へも後ろへも二人の関係は動かなかった。



　このままの方が、いいのかもしれない。



　だが･･････



「それじゃあそろそろ夜になるし、帰ろうか」


「･･････（ジィ）」


「っぅ･･････また、アレやんのか？」


「･･････（コクン）」


「しゃーねーな･･････ほらよ」