死が二人を分かつまで

KAI

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異種格闘技トーナメント篇

【連行】

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 今日も今日とて稽古稽古・・・・・・



 だったはずだが、来客が現れた。



「芥川はいるか!?」



 この声は・・・・・・



「おや、山崎さん・・・・・・」



 と・・・・・・



「お久しぶりです。沼田さん」


「押忍!! その節は胸を貸していただきありがとうございました!!」



 角刈りの山崎と、丸坊主の沼田 清次が立っている。



 そして二人の着ている服装・・・・・・



「・・・・・・二人で道場破りですか?」



 二人は道着を着ていた。



 胸には『白真会』と紺色の刺繍がされており、黒い帯を締めている。



「今日は警察官、山崎警部として来たわけではない・・・・・・」


「自分もです。押忍」


「ほう・・・・・・何の用で?」


「武山会長からのお呼び出しだ!」



 山崎が鬼のような顔で芥川を見据えている。



 稽古をストップし、芥川は二人の近くへと向かった。



「武山さんが? どうして?」


「貴様・・・・・・この間、役者数名を白真会本部道場で鍛え上げろと頼んだな?」


「ええ。あの時は御協力していただき・・・・・・」


「ウソをついたな・・・・・・?」


「はて?」


「白真会で鍛えた役者はやられ役・・・・・・主演の活躍するアイドルはお前が鍛えたらしいじゃないか・・・・・・」


「ええ」


「それが大問題なんだ!」


「ウソは言ってませんよ。というより・・・・・・ただ全容を語らなかっただけで・・・・・・」


「言い訳無用・・・・・・アクションシーンでは白真会印の役者たちが、ボコボコにされているらしい・・・・・・実戦さながらにな」


「フフフ・・・・・・流石は私の弟子たち・・・・・・」


「笑い事じゃない! 白真会が負ける・・・・・・たとえヤラセや演技の世界だろうと、あってはならないことだ!!」


「で・・・・・・そのことを知って武山さんが怒っていると?」


「押忍・・・・・・大事に使っていたダンベルを・・・・・・引き千切るほどには」


「クックック・・・・・・なるほど・・・・・・私も引き千切られそうだ」


「連れてこいとの命令だ・・・・・・」



 道着を着ている意味が、ようやく分かった。



「それは・・・・・・力づくでも?」


「そうだ・・・・・・」


「押忍・・・・・・たとえ引きずってでも・・・・・・と」


「電話一本で出向きますのに~」



 芥川は雪駄を履いて、玄関に。



「新樹さん! 申し訳ないですが今日の稽古はここまで! 終わりの礼と掃除、それとセツナさんをよろしくお願いしちゃっていいですか!?」


「はいっ!」


「では、参りましょうか」



 車で三十分・・・・・・



 八王子の大きなビル。


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