死が二人を分かつまで

KAI

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異種格闘技トーナメント篇

【異変】

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 ビシッと敬礼をすると、佐々木は踵を返して歌舞伎町の大通りを歩き出した。



 機動隊の本番というのは、なかなか無い。



 ゆえに、機動隊に所属している隊員というのは何かしら秀でている者が多い。



 勉学や柔道・・・・・・そして剣道。



 なぜか?



 機動隊の待機中・・・・・・すなわち、一応は公務中の時間をそっくりそのまま自分の鍛錬に使えるからだ。



 機動隊には平隊員でも、警部補なども少なくない。



 彼らは一心不乱に昇進試験の勉強にいそしんでいるのだ。



 そして柔道や剣道の特技生・・・・・・オリンピックなどを目指す者が集まり、日々研鑽を積んでいる。



 佐々木もそのひとり。



 今日も剣道場で時間を忘れるほどに素振り用の木刀を振っていたところ、知り合いの組織犯罪対策課から声がかかった。



 腕に自信のある警官が欲しい。



 実にシンプルな頼みだったが、名乗り出た。



 実戦が、一番勉強になる。



 半グレたちはやはり武装していた。



 ナイフに金属バット、鉄パイプに斧ーーーーそしてリーダーは拳銃を所持していた。



 だが、佐々木は冷静にひとりひとりをせん滅。



 拳銃を構えられたときにはヒヤッとしたが、そこは示現流の得意とするところ。



 一の太刀でもって、リーダーの手首を折った。



 拳銃は落ちて、同時に相手の戦意も落っこちていった。



「いい勉強になった・・・・・・」



 速やかに帰って、実戦の中での動きや危険性を学習ノートにまとめて・・・・・・



 そして明日からの練習に隠し味を入れるとしよう。



 そんなことを考えていた・・・・・・



 が・・・・・・



「お見事・・・・・・」



 叫びすぎてしゃがれた声・・・・・・



 全身の毛が総毛立った。


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