死が二人を分かつまで

KAI

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”アイドル篇”

【鉄は熱いうちに】

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「あ! 丹波さん~! この間はどうもありがとうございました!」


『なに言うとるんじゃ芥川ちゃん! ワシとアンタの仲やないか!』


「いい勉強になりましたよ・・・・・・で、明後日の件で・・・・・・」


『準備万端やでぇ! 注文通り筋モンはおらん。せやが、ケンカの腕っ節は折り紙付きのヤツらを集めたで』


「どのような条件で集められたんですか?」


『勝ったら・・・・・・ワシの盃を直接下ろしたる』


「それはそれは・・・・・仁侠会会長直々の盃なんて・・・・・・全てのアウトローが喉から手が出るほど欲しいものじゃないですかぁ~」



 電話口の芥川の口角が上がっている。



『せや・・・・・・しかし、生兵法は大怪我のもとやで? ホンマにやるん?』


「・・・・・・どんな名刀も、見栄えばかりでは刀とは呼べない」


『そうやな』


「私は切れない刀を打つほどヒマじゃない・・・・・・見事な切れ味に仕立て上げてやる・・・・・・」


『ま、今度ばかりはワシは出張らん。二回も芸能人に接触はできん世の中やからな』


「御協力、感謝いたします」


『・・・・・・風の便りで聴いたンやが・・・・・・サツにンやて?』


「・・・・・・怒りますか?」


『怒りも通り越してもうたわ・・・・・・まぁ事務所の木刀全部割る程度には暴れたがの』


「・・・・・・すみません」


『・・・・・・今回の話しは芥川ちゃんの顔を立てた・・・・・・せやから、ワシもワガママ言わせてもらってもええかな?』


「いいですよ」


・・・・・・するわ』


「・・・・・・御自由に」


『ほな、明後日の昼間にガキ共送るさかい、よろしく』


「では・・・・・・」



 ピッ!
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