死が二人を分かつまで

KAI

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”アイドル篇”

【火花】

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「……」


「セツナ。胸を貸してくれないか?」


「(コクン)」


「ウス! お願いします!」



 バシィィン!!



「ぐぅ・・・・・・」


『もう終わり?』


「まだまだぁ!」


『じゃあ、続けましょ』



 ・・・・・・



 ・・・・・・



 ・・・・・・なんだ?



 面白くないぞ。



 セツナとゴウが向かい合う度に・・・・・・胸がモヤモヤする。



 そんなモヤモヤを抱えた新樹が、道場の隅でジトリと見つめていた。



 あの雨の夜・・・・・・何かがあった。



 確信がある。



 ・・・・・・面白くない。



「はぁはぁ・・・・・・」


『一端止めにしない?』


「まだやれる!」


『休憩も練習。水分補給して汗を拭きなさい』


「・・・・・・ウス」



 ・・・・・・



 ・・・・・・スッ



「セツナ~」


『なに?』


「なんだか僕の足が痛くて・・・・・・アイシング手伝ってもらえないか?」


『大変だわ。いいわよ』



 セツナが冷感スプレーを持って、新樹の側に向かう。



 手当てをしてもらいつつ・・・・・・新樹がゴウと目が合った。



「・・・・・・(ニヤリ)」


「・・・・・・チッ」



 二人の間に、目には見えない火花が散っている。



「あの二人・・・・・・どうしたんですかね?」



 不思議がるカンに対して、芥川は微笑んでいる。



「恋も戦いですねぇ~」


「はい?」


「クックック・・・・・・焦がれる想いが、身も心も強くする・・・・・・いい兆候です」


「??」



 さて・・・・・・もうあと三日。


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