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”アイドル篇”
【負けず嫌い】
しおりを挟む「いい具合に酔ってきましたね・・・・・・肉を持ってきたまえ!」
「ど、どの調理方法なのかご指定はございますか?」
「一番高い牛!! 内蔵まるごと! 火を通すだけで構わん!!」
「承知しました!!」
もう・・・・・・社長も酔いが覚めて言葉を失っていた。
肉を乗っけた皿の列が止まらない。
その肉を、武山は手づかみで口に運び、噛み、飲み込む。
肉も終わった・・・・・・かと思われた。
「・・・・・・骨は?」
「は?」
「背骨、持ってきな」
言われたまま太い骨が・・・・・・
シャクッッ
!?
平然と噛んで食べている!?
「骨髄がうめえンですよ・・・・・・いいねぇ」
バリバリ・・・・・・
むしゃむしゃ・・・・・・
遂には骨まで・・・・・・牛一頭が消えた。
「ほんじゃあ次は・・・・・・」
「もうストップです武山会長!!」
東山大臣が制止する。
「もう・・・・・・充分に伝わりましたから・・・・・・」
「・・・・・・そうですか。下品なモン見せてしまい申し訳ありませんでした」
思わず出てくる・・・・・・拍手・・・・・・
その手は震えている。
畏怖の念で震えているのだ!!
「・・・・・・空手家ってヤツぁ因果な商売でしてね」
武山が話し始めるとピタリと拍手も止んだ。
「世の全てを相手取って考えてしまう。牛には勝てるのか? 熊には? 酒には? 食事には? ・・・・・・そして、権力者には?」
ギラリと剃刀よりも鋭い眼光が、卓を囲む全員に向けられた。
「例えば・・・・・・この場にいる全員を叩き潰す・・・・・・あえて殺しはしない・・・・・・するとどうなるか? 部下が復讐に来るかもしれん。金で暗殺者を雇うかも・・・・・・警察が出動するかも、ね・・・・・・それでいい」
「・・・・・・い、いい?」
ニヤリと・・・・・・
「空の手と書いて『空手』・・・・・・素手でどこまでやれるのか、何人ぶっ飛ばせるのか・・・・・・それが証明できる・・・・・・楽しみだねぇ」
ヨダレが垂れている。
「おっとっと・・・・・・ま、すなわち・・・・・・私に何か言うときは、ちゃあんと言葉を選んでから声にすることですな」
「す・・・・・・すみませんでした・・・・・・」
社長は銃口を突きつけられたかのようにガクガクプルプル・・・・・・
「・・・・・・それが分かれば、宜しい」
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