死が二人を分かつまで

KAI

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”アイドル篇”

【救世主】

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(やられる・・・・・・ッッ!!)



 男が動こうとし・・・・・・



 ガッ!!



 男の喉を手が伸びてきて掴んだ。



(ゲツ?)



 しかし、その腕は作務衣ではなかった。



 ひと目でそれと判る高級スーツに宝石がはめられている腕時計。



 それだけではない。



 手だ・・・・・・



 ゴツゴツ・・・・・・なんて比喩表現では追いつかない。



 拳の皮膚が分厚くなりすぎて丸みすら帯びている。指の一本一本が太く、頑強だとすぐに理解できる。



 暗闇にうっすらとその人物の顔が浮かんでいた。



 ・・・・・・知らない・・・・・・だが、知っているような気もする。



 誰だ・・・・・・?



 スタイルが良く足が長くて、伸ばした髪交じりの髪をオールバックにしている。



 口の周りにはふさふさとしたヒゲが生えており、肌色は少しばかり黒い。



 年齢のところは・・・・・・若くはない。



 おそらくは五〇代後半・・・・・・?



 着ている服も相まって、紳士的な印象を受ける男性だった。



 彼は言葉を使うことなく柔和な笑みでセツナに安全を伝えるとーーーー



 シー



 指を唇に添えて、パチンとウインク。



 そしてそのまま、公園の闇に男を連れて消えていった。



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