死が二人を分かつまで

”VS最強編”

【別次元の戦い】

「では･･････遠慮なく！！」



　シュバッッ！！



　出た！！



　芥川の、溶けたかのように地面すれすれを疾走する動きだ･･････仕掛けるつもりだ！！



　ブラインは警戒していたが、下半身をいかに攻撃されても崩れぬ覚悟と自信があった。



　ゆえに、ガードを下ろさずに、頭の横に置いていたのである。



　ガッ！！



　予想通り･･････芥川はローキックを出してきた。



　痺れる･･････



　が、コレごとき･･････なんてこともない！



　･･････そう思っていた。



　カッ！



　！？



　芥川の左足首が、自分の膝裏に引っかかっている･･････



　いや･･････これは･･････



　引っかけた･･････のだ！！



　グンッ！！



　跳躍力を発揮し、あっという間に芥川の身体はブラインの頭部を超えていた。



　ジャンプ･･････



　しかも･･････俺の膝を物理的に踏み台として利用しやがった･･････！



「ボクシングの土俵じゃあ逆立ちしても勝てませんので･･････こうさせてもらいます」



　何が来る！？



　跳び蹴り！？



　膝か！？



　ドロップキック！？



　だが･･････何でも来い！！



　ガードは充分に上がっている･･････



　いかなる攻撃も、鋼鉄のカーテンを破ることは･･････



「シャオラッッ！！」



　ギュルン！！



　そしてーーーー



　ガキンッッ！！



「うっ！？」



　ブラインの目がカッと見開かれた。



　上でも下でも、正面でもない･･････



　後ろ･･････ッッ！？



　空中で回転し、その回転で生じた遠心力で後頭部を蹴った･･････ッッ！！



　後ろからの攻撃は想定外･･････



　ブラインの大きな肉体が、ぐらりと揺らぐ。



　スト･･････



「胴回し回転蹴り･･････いかがです？」


「くぅ･･････！！」


「ボクシングじゃあ見たことのない景色でしょ？」



　たしかに･･････



　芥川が･･････二人に見える･･････背景もグニャグニャだ･･････



　延髄を蹴られた。



　神経を直撃し、脳と身体へのダメージは底知れない。



　フルコンタクト空手で最もKO率の高い技だ。