死が二人を分かつまで

KAI

文字の大きさ
上 下
134 / 300
”日常その参”

【男は度胸!】

しおりを挟む


 だが・・・・・・



 もう同じ轍を踏むか!!



「お、おいっ!」


「・・・・・・?」


「その格好・・・・・・やめろ・・・・・・」


「・・・・・・??」


「み、見えちゃうから・・・・・・ダメだ」


「・・・・・・ッッ!!」



 バッと隠し、立ち上がった。



 ・・・・・・



 ・・・・・・



 ・・・・・・



「ご、ごめんなさい」



 気づかれたよ・・・・・・なぁ・・・・・・



 四つん這いになってからしばらくして、指摘するなんて・・・・・・



 見てましたありがとうございましたご馳走様ですって白状しているようなものだ。



「・・・・・・」



 キュキュッ・・・・・・



『下に行く』



 そう書き、顔を伏せたまま、セツナはドアに向かった。



「ちょ! 待って!!」



 思わず新樹はベッドから飛び起き、セツナの後ろ手を捕まえた。



「!!」


「あっ・・・・・・!!」



 まただ・・・・・・



 彼女のトラウマを刺激するような行動を・・・・・・



『・・・・・・だから・・・・・・ダメって・・・・・・』


「ち、違うから・・・・・・今回は間違えない・・・・・・から」



 トボトボと枕元へ行くと、ひとつの箱を取り出した。



 ピンクの箱に、赤いリボン。



 手のひらよりも、大きいサイズである。



「コレ・・・・・・プレゼント!」



 腕を前へ出す!!



 今!?



 この土壇場で!?



 でも、もう後戻りできない!!



 男を魅せろ!!



 思考がグチャグチャになりつつも、彼女に渡す。



 セツナは戸惑っていた。



『なんでプレゼント?』


「そ、そりゃ・・・・・・クリスマスだから」


『クリスマスってプレゼントするの?』


「え・・・・・・」



 そうだ。



 一番大事なことを忘れていた。



 彼女は外国人。



 日本人の常識は通用しないこともある。



 そんな・・・・・・大切なことを・・・・・・!!



「そ、その・・・・・・日本ではクリスマスには友達同士でプレゼントを渡すんだよ!」


『そうなの?』


「うん! 常識常識!」



 ちょっとしたウソも・・・・・・寛大なサンタ様なら許してくれるだろう。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

ヒロインモニタリング(一般作)

ヒロイン小説研究所
キャラ文芸
正義のヒロインとして、地球を守っているヒロインにドッキリをかける、そんなテレビ番組を作ることにした。

離縁の雨が降りやめば

月ヶ瀬 杏
キャラ文芸
龍の眷属と言われる竜堂家に生まれた葵は、三つのときに美雲神社の一つ目の龍神様の花嫁になった。 これは、龍の眷属である竜堂家が行わなければいけない古くからの習わしで、花嫁が十六で龍神と離縁する。 花嫁が十六歳の誕生日を迎えると、不思議なことに大量の雨が降る。それは龍神が花嫁を現世に戻すために降らせる離縁の雨だと言われていて、雨は三日三晩降り続いたのちに止むのが常だが……。 葵との離縁の雨は降りやまず……。

MRC(ミステリーリサーチ俱楽部)

不来方久遠
キャラ文芸
 南部盛岡藩の通詞の末裔である心は、父子家庭であった。  単身赴任になった父の都合から全寮制の盛岡の高校に進学となる事になった。  超常現象に強い関心を示す心は高校で、部員ゼロで廃部寸前の茶道部を利用して、ミステリーリサーチ俱楽部を立ち上げた。  部長の姫神は心の亡き母親の面影を残す三年生であった。  遠野物語に代表されるように岩手に潜む謎解きを熱く語る心は、姫神に何かミステリーな事件は無いかと尋ねた。  夜中に勝手に動き回るお化けエレベーターの噂を、姫神は持ち出した。

ブラック企業を辞めたら悪の組織の癒やし係になりました~命の危機も感じるけど私は元気にやっています!!~

琴葉悠
キャラ文芸
ブラック企業で働いてた美咲という女性はついにブラック企業で働き続けることに限界を感じキレて辞職届けをだす。 辞職し、やけ酒をあおっているところにたまに見かける美丈夫が声をかけ、自分の働いている会社にこないかと言われる。 提示された待遇が良かった為、了承し、そのまま眠ってしまう。 そして目覚めて発覚する、その会社は会社ではなく、悪の組織だったことに──

完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています

オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。 ◇◇◇◇◇◇◇ 「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。 14回恋愛大賞奨励賞受賞しました! これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。 ありがとうございました! ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。 この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

福沢時計店の思い出旅行『キ』

キャラ文芸
とある田舎町の辺鄙な場所に、一つの時計店がひっそりと佇んでいる。 かつて過ごした過去をもう一度見たい。 過去の自分を導いて今を変えたい。 もう一度過去をやり直して、今を変えたい。 「旅行祈」と「旅行記」と「旅行機」。 それぞれの目的を持った人々に、「旅行『キ』」は授けられる。

処理中です...