死が二人を分かつまで

KAI

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”日常その参”

【クリスマス・イブ・イブ】

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 新樹の部屋ーーーー



 そこではセツナが、一生懸命覚えた日本語の学習と称して漫画を読んでいる。



 ベッドには新樹が。



 足を怪我した新樹を、芥川とセツナが送ってきた。



 東山ママは怒ることもなく、安静を言い渡してベッドに寝かせた。



『じゃあ、私は宇嶋道場に行ってきますから。セツナさんをよろしくお願いします』



 芥川はそのまま仕事へ行ってしまった。



 残されたのは、新樹とセツナの二人だけ。



 ・・・・・・気まずい。



 この間の大失敗を繰り返さないよう、新樹は自分の理性をフル回転させて、冷静に振る舞っている。



 が、稽古もしばらく休みになってしまったし、年末だ。



 セツナと共にいられる時間は少ない。



(・・・・・・どうしよう)



 新樹は密かに『』を準備していた。



 クリスマス間近・・・・・・そこで、プレゼント大作戦だ!!



 ・・・・・・と、意気込んだのはいいが、彼女いない歴=年齢の新樹。



 何をあげればいいのか、皆目見当がつかなかった。



 しかし、母親に相談したら死ぬまでイジられること間違いなしだ。



『女の子への初プレゼント、ママのアドバイスで買ったのよね~♪』



 墓場までネタにされる・・・・・・



 それだけは、無理。



 だけれども・・・・・・



 変な物を贈って、イメージダウンとなるのも困る。



 ネットで必死に検索してみたが・・・・・・



『彼女の普段身につけているアクセからヒントを得ましょう』



 とか・・・・・・



『以前、彼女さんが雑誌で欲しいと言っていた物を覚えておくと、覚えててくれたんだぁと好感度アップ!』



 とかばかり・・・・・・



 こちとらそれよりも何歩も前の状態なんじゃぁぁぁ!!



 しかも、本能任せに動いて泣かせたという前科持ち!!



 失敗は許されない!!



 ・・・・・・迷いまくった。



 そして、意を決して少しお高めなアクセサリーショップへ。



『じょ、女性へのプレゼントなんですけど・・・・・・』


『彼女さんですか?』


『い、いや・・・・・・』


『お優しいですね~♪』


『ハハハ・・・・・・』


『では、その方の指のサイズや首回りのサイズなどを教えていただけますか?』



 ・・・・・・



 ・・・・・・しまったぁぁぁ!!



 完全に知らない!!



 もしも、サイズの合わない物をあげたら、最悪だ・・・・・・



 それでも、店員さんと相談し合ってなんとか、イイ物を買えた。


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