死が二人を分かつまで

KAI

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”日常その参”

【欺く者の末路】

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「もう終わりですか・・・・・・あっけない」



 死屍累々・・・・・・



 チンピラたちが芋虫よろしくゴロゴロしている。



 完全に無力化していた。



「はぁ・・・・・・」


「ひ・・・・・・ヒィィィィ!!」



 協力して騙していた消費者金融会社の社員が、股ぐらを濡らしながら壁際に張り付いている。



 ジロリ・・・・・・



 芥川の鋭い目が、彼を捉える。



(こ、殺される・・・・・・ッッ!!)


「酷いじゃないですか・・・・・・貴方を信用していたのに・・・・・・まさか保証金詐欺なんて」


「すみません・・・・・・すみませんすみませんすみません・・・・・・」



 念仏のようにブツブツ呟いていた。



「まったく・・・・・・貴方のような方々がいるから、人は人を信用しなくなる・・・・・・」



 ゆっくりと・・・・・・近づいてくる。



「人は人を信用しなければ、生きていけない・・・・・・それが社会というものです・・・・・・なのに・・・・・・やれ「騙される方が悪い」だの「簡単に信用しすぎ」だの・・・・・・」



 拳が握られた・・・・・・



 シュッッ!!



 ゴシャァァ!!



 社員の頭の横に、ちょうど人間の頭部サイズの大穴が開いた。



 鉄筋コンクリート製の壁が・・・・・・豆腐のように・・・・・・



「騙すヤツがぁ・・・・・・悪ぃに決まってるだろ? 違うかねぇ?」



 目から・・・・・・鼻から・・・・・・口から・・・・・・毛穴から・・・・・・



 あらゆる種類の穴から、液体が垂れ流しで出てくる。



「あばばばばば・・・・・・」


「あまり軽く見られると・・・・・・♪」


「か、返します!!」


「ん~大切な人への贈り物ができないのでお金を借りようとしたのですが?」


「も、もちろん!! この度の、慰謝料もお支払い・・・・・・いやいや、お渡しします!!」


「脅し取った・・・・・・という解釈でよろしいですか?」


「いいえとんでもない!! こちらからの誠意というもので・・・・・・!!」


「じゃあ、有り難く」



 腕を穴から引っこ抜く。



 ずるずると、社員は尻から落ちた。



 芥川が背を向けたことによって、また平穏なに非常に戻れるーーーー



 そんな、甘い甘い・・・・・・甘々な安堵感に浸っていた・・・・・・



「ああ、それと言い忘れていたことがありました」



 ビクッ!?



「な、なんでしょうか・・・・・・?」


「これから仁侠会の丹波会長がいらっしゃるので、丁重におもてなしください・・・・・・彼の機嫌ひとつで・・・・・・貴方のこれからの人生が決定しますから・・・・・・言っておきますけど、だった、と言っても遅いか」


「ヒィィィィ!!」


「では・・・・・・お達者で」



 芥川は小便やら吐瀉物の臭いが満ちている部屋から、爽やかな冬の快晴の空の下へ戻っていったーーーー



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