死が二人を分かつまで

KAI

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”日常その参”

【親切には花を。外道には拳を】

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 それから十日後ーーーー



「ぐふぅ・・・・・・」


「この流れ・・・・・・飽きましたねぇ・・・・・・」



 会社のデスクには鮮血が飛び散り、ゴロゴロとマグロのように社員という名目の構成員たちが転がっていた。



 一番立派な社長机に、顔面をボコボコにされている悪徳ヤミ金社長と、その胸ぐらを掴んで持ち上げている芥川がいた。



「十日経ったから、利子返せって・・・・・・どういうことです?」


「がはぁ・・・・・・」


「しかも、集金の方法が道場に無礼千万にも押しかけてくるなんて・・・・・・まあ、セツナさんにで倒されてましたけど」


「な、何モンだ・・・・・・」


「『芥川道場』道場主の芥川 月です」



 今、セツナと新樹は東山邸に避難している。



 誰から?



 鬼のような覇気を出してキレている芥川からである。



十一トイチ・・・・・・っていうんですっけ? 十日で一割・・・・・・暴利ですよね? 完全に違法です」


「お、俺らにゃ関係ねえ・・・・・・」


「『極楽ローン』さんにも行ってみたんですけど、とっくにもぬけの殻でした・・・・・・新しいアジト知っているでしょう? 教えてください」


「だ、誰が言うか!!」


「へぇ・・・・・・前歯って・・・・・・痛覚が集中してて、口腔外科で麻酔をしても、もんどり打つくらい痛いんです」



 ブチッ!!



「ギャァァァァ!!」


「ね?」



 笑顔で肉片のついた前歯をつまむ芥川は、さながら悪魔。



「全部で何本でしたっけ? 耐えられるかなぁ・・・・・・」


「や・・・・・・やってみろ!!」


「威勢がいい・・・・・・ですけど、他人の口腔内ってものすごく不潔なので触りたくありませんから・・・・・・もう登場してもらいましょうか」



 芥川の声を待っていたかのように、ヌゥっと男が現れた。

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