99 / 300
”日常その弐”
【宇嶋の実戦】
しおりを挟む「こ、ここでなにやってやがる!?」
「お手伝いで、教えてるんです」
「チ・・・・・・」
「いやはや、丹波さんのキック効いたでしょう? 大丈夫でした? あの後」
「ちょ、お前・・・・・・!!」
タブレットの画面にはーーーー
『誰? 知り合い?』
『イケオジやん』
『てか何? 怪我してたん?』
『説明はよ』
「ま、マズいッス谷さん! 視聴者が・・・・・・」
「あ~! 今日はお前に用はないンだよ!! この道場で一番強いヤツ出せ!!」
「ん~・・・・・・私で良ければ」
レックス・谷とカメラマンの顔から血の気が引く。
「・・・・・・と、言いたいところですが、私じゃダメ」
「は?」
「この道場で一番強い・・・・・・ならば他ならぬ・・・・・・」
芥川が得意気に車椅子に座る老人の肩を叩いた。
「宇嶋先生でしょ♪」
・・・・・・
・・・・・・なぁんだ・・・・・・
「このジイさん? それマジで言ってる?」
「おや、疑うのですか?」
「棺桶にほぼ全身入ってンじゃ~ん!! 無理無理!!」
レックス・谷は嘲笑するが、宇嶋はピクリとも動かない。
「あれれ? ジイさんお眠かな?」
「・・・・・・カッカッカ!!」
あまりにも急に笑ったので、一種のホラーのようになった。
「コレは面白い・・・・・・今時、道場破りなどとは・・・・・・懐かしいのぅ」
ヨイショ・・・・・・
よろり・・・・・・よろり・・・・・・
着物姿で、立ち上がって歩く。
道場中央で、止まった。
「まあ、来なされ。遠慮なく」
「は~~~~ぁ?」
「言葉は不要・・・・・・どちらが強いか、舌を動かすよりも立ち合えばすぐに分かるコトさね」
「・・・・・・マジで?」
コメントには・・・・・・
『高齢者をひとりでも減らせ~! レックス~!』
『本当に死んだら放送事故(笑)』
『達人なんて現実にいない。レックス! 見せつけろ!』
「谷さん! もう引けないッス!」
「・・・・・・いいぜ」
レックス・谷が変顔をしながら、カメラにくるっと向かう。
「み~んな~!! 俺様、達人の化けの皮剥いじゃうから!! 応援シクヨロ!!」
一方・・・・・・
「大先生!!」
「師範代・・・・・・君は学んでいなさい」
「しかし・・・・・・先生は・・・・・・」
「なぁに・・・・・・大丈夫じゃよ♪」
タンクトップ姿のレックス・谷VS宇嶋 蓮太郎の始まりだったーーーー
レックス・谷・・・・・・後ろから生徒たちと共に見学していた芥川の目には、身長から体重まで数値が鮮明に見えていた。
(あの男・・・・・・身長は一八五といったところ・・・・・・畳の沈む音から察するに、体重は一〇〇キロほど・・・・・・一見肥満に見えるが、筋肉量は相当・・・・・・体脂肪率は二五%未満か・・・・・・)
やはり、いいガタイだ。
他方で宇嶋先生。
身の丈は女性よりも小さい。
身長で言えば一四四センチ。体重は最近ダイエットにハマっていると聞き及ぶ・・・・・・元から痩せてたが、さらに絞って四〇キロ弱・・・・・・
加えて、二人の格好にも注目だ。
レックス・谷は動きやすいタンクトップにハーフパンツ。
しかし宇嶋は冬用の着物を着て、しっかりと帯まで結んでいるのだ。
はてさて・・・・・・どうなるか・・・・・・
芥川の目にはーーーー
結果は見えていた。
いや・・・・・・おそらく、師範代含め生徒全てが、戦う前から分かっている。
問題は・・・・・・どう勝つのか・・・・・・
落とすのか、投げるのか、絞めるのか、突くのか・・・・・・
ともかく・・・・・・これだけは確かだ・・・・・・
宇嶋先生が勝つ!!
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる