85 / 300
”芥川 月の誕生”
【楽しいコト♪】
しおりを挟む二年が経ったーーーー
すっかり夫婦の生活も板についた。
「冬紀」
「なに? 月君?」
「今日の二年記念日なんですけど・・・・・・レストランを予約したので・・・・・・」
「まったく、奥手なのはなかなか治らないわねぇ」
「い、一緒に行きません?」
「フフフ・・・・・・もちろん。良いわよ♪」
義父、冬重とは週に一回会うかどうかの距離になっていた。
無意識的に、洗脳状態だった脳が、離れたがっていたのかもしれない。
もしくは、大切な妻に酷い仕打ちをした義父を許せていないのか・・・・・・
いずれにせよ、冬重がおらずとも、鍛錬をやめた日はなかった。
これも、最早習慣化しているのだ。
「ねえ・・・・・・」
「ん?」
「何か考え事?」
「いえ・・・・・・今日も美しいな・・・・・・と」
「ありがとう♪」
東京の夜景が一望できるレストランにて、二人は食事をしながら談笑していた。
彼女の美貌は、一流の飲食店業の人間でさえ、業務を忘れて魅入ってしまいそうになる。
がーーーー
この夜の彼女は、どこか妖しいフェロモンが漂っていた。
気がついたのは、芥川のみ。
「・・・・・・冬紀も、何か考え事でもしてらっしゃるので?」
「・・・・・・こんなに月が綺麗だとね、気持ちいいこと・・・・・・したくなっちゃうわ」
「・・・・・・場所をわきまえてください」
「うふふ・・・・・・好きな癖に・・・・・・♡」
そして足早に家に帰るとーーーー
野獣のように交わった。
だが、それでもなお、冬紀の様子がおかしい。
裸で抱き合っていたが、ふと、冬紀が立ち上がった。
傷のひとつもない真珠のような肌が、ぼんやりと視界に映る・・・・・・
・・・・・・ぼんやり・・・・・・?
・・・・・・??
「冬紀・・・・・・貴方・・・・・・盛りましたね・・・・・・」
「ふふ・・・・・・効いてきたのね」
「痺れます・・・・・・こんな状態の私を、犯すとでも?」
「う~ん・・・・・・それも捨て難いけれど、少しやらなくちゃいけないことがあってね」
ドレスに着替えて、髪を括った。
「ど・・・・・・どこに・・・・・・?」
痺れる中、必死で問いかけた・・・・・・
「うふふ・・・・・・お・た・の・し・み♪」
ガクッ・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
さようなら竜生、こんにちは人生
永島ひろあき
ファンタジー
最強最古の竜が、あまりにも長く生き過ぎた為に生きる事に飽き、自分を討伐しに来た勇者たちに討たれて死んだ。
竜はそのまま冥府で永劫の眠りにつくはずであったが、気づいた時、人間の赤子へと生まれ変わっていた。
竜から人間に生まれ変わり、生きる事への活力を取り戻した竜は、人間として生きてゆくことを選ぶ。
辺境の農民の子供として生を受けた竜は、魂の有する莫大な力を隠して生きてきたが、のちにラミアの少女、黒薔薇の妖精との出会いを経て魔法の力を見いだされて魔法学院へと入学する。
かつて竜であったその人間は、魔法学院で過ごす日々の中、美しく強い学友達やかつての友である大地母神や吸血鬼の女王、龍の女皇達との出会いを経て生きる事の喜びと幸福を知ってゆく。
※お陰様をもちまして2015年3月に書籍化いたしました。書籍化該当箇所はダイジェストと差し替えております。
このダイジェスト化は書籍の出版をしてくださっているアルファポリスさんとの契約に基づくものです。ご容赦のほど、よろしくお願い申し上げます。
※2016年9月より、ハーメルン様でも合わせて投稿させていただいております。
※2019年10月28日、完結いたしました。ありがとうございました!
目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう
果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。
名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。
日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。
ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。
この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。
しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて――
しかも、その一部始終は生放送されていて――!?
《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》
《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》
SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!?
暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する!
※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。
※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。
「キミ」が居る日々を
あの
キャラ文芸
ある日、車に轢かれそうになった瞬間、別人格と入れ替わってしまったセツ。すぐに戻ることはできたものの、そのときから別人格ハルの声が聞こえるように。
こうして主人公セツと別人格ハルの少し変わった日常が幕を開けたーー
表紙はつなさんの「君の夢を見たよ」よりお借りしています。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
あやかし温泉街、秋国
桜乱捕り
キャラ文芸
物心が付く前に両親を亡くした『秋風 花梨』は、過度な食べ歩きにより全財産が底を尽き、途方に暮れていた。
そんな中、とある小柄な老人と出会い、温泉旅館で働かないかと勧められる。
怪しく思うも、温泉旅館のご飯がタダで食べられると知るや否や、花梨は快諾をしてしまう。
そして、その小柄な老人に着いて行くと―――
着いた先は、妖怪しかいない永遠の秋に囲まれた温泉街であった。
そこで花梨は仕事の手伝いをしつつ、人間味のある妖怪達と仲良く過ごしていく。
ほんの少しずれた日常を、あなたにも。
生贄娘と呪われ神の契約婚
乙原ゆん@1/10アンソロ配信
キャラ文芸
生け贄として崖に身を投じた少女は、呪われし神の伴侶となる――。
二年前から不作が続く村のため、自ら志願し生け贄となった香世。
しかし、守り神の姿は言い伝えられているものとは違い、黒い子犬の姿だった。
生け贄など不要という子犬――白麗は、香世に、残念ながら今の自分に村を救う力はないと告げる。
それでも諦められない香世に、白麗は契約結婚を提案するが――。
これは、契約で神の妻となった香世が、亡き父に教わった薬草茶で夫となった神を救い、本当の意味で夫婦となる物語。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
利家と成政 ~正史ルートVS未来知識~
橋本洋一
キャラ文芸
加賀百万石を築いた前田利家と、秀吉の命により非業の死を遂げた佐々成政。
史実に名を残した武将に転生した二人の男。
利家はまったく歴史を知らない元ヤンで、戦国乱世でも『正史』通り真っ直ぐ生きようとする。
一方の成政は歴史オタクの元ひきこもりで、自らの運命を『未来知識』で曲げて幸せになろうとする。
まだ尾張国を統一していない信長の元、犬千代と内蔵助として出会った二人は初対面で「こいつ大嫌いだ!」と嫌いになるが、徐々に互いを認め合うようになる。
二人は互いに影響を与えつつ、やがて日の本を東西に分かつ、大戦の大将へとなる道を歩んでいく。
※架空戦記です。史実と異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる