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夏が始まる
マツダくん脱・ヘタレ計画【どうやって誘う?】
しおりを挟むピンポーン
「あら、智裕くん?」
「お久しぶりです。……た、優里ちゃんいますか?」
「いるわよー。優里ー!智裕くん来たわよー!」
智裕は恐らく5年ぶりくらいに高梨の家に訪問した。昔は高梨の家か大竹の家にみんなで遊びに行っていたので、高梨の母も懐しんでいた。
「優里の部屋、場所は変わってないから上がって頂戴。」
「おじゃましまーす。」
普通、年頃の男子高校生が女子高生の部屋に入ることは禁断の領域に入るようなドキドキ感があるのだが、智裕にとって高梨の部屋は大竹の部屋と変わらないものだった。
なのでドアも遠慮なく開ける。
「あのさぁ、ノックくらいしなさいよ。」
「何でだよ。だって高梨だし。」
「マジデリカシー。はぁ……その辺テキトーに座ってて、今飲み物持ってくる。」
高梨も高梨でスッピンで完全に部屋着だった(一応ブラは着けている)。ホットパンツから伸びる細くて白い脚、普通ならときめきが起こるだろうが、そこは智裕であった。
(あー、あれ拓海さんが穿いたらエロそう。拓海さん、昨日ゴミ出しの時に会ったけど長ズボンのスウェットだったしなぁ…。それでもそそるけど。)
「お待たせー。」
高梨はアイスティーとチーズケーキを運んで戻ってきた。
「これ高梨が作ったのか?」
「そーだけど。」
「菓子作りは器用だよなー。あ、うま。」
「まぁね。少しは見直した?」
「でも宮西も上手いからなぁ。」
「その宮西と一緒に作ったんだけどね。ヨーコさんチで。」
「変わんねーな。」
「………で、わざわざウチに来たんだから何かあるんでしょ?」
智裕は口に入ってたチーズケーキをアイスティーで流し込むと、改まって話し出した。
「高梨、俺…このままでいいのかなって思ってさ。」
「良くないわね。」
「やっぱり⁉︎……そうだよな、拓海さんが優しいからって現状維持でいいわけねーもんな。」
「てゆーか急にどうしたの?私に恋愛相談とかしたことないくせに。」
「高梨!俺、ヘタレから卒業したい!」
「出来てるじゃん、マウンドの上だけなら。」
「ちーがーう!拓海さんにエッチするときもっとリード出来るようになりたいんだよ!」
高梨に腐女子(調教モード)スイッチが入った。
「何でメモ帳スタンバイ?」
「松田、ツワブキちゃんと付き合い始めてどんくらい?」
「えーっと1学期始まってからだし……もうすぐ4ヶ月くらいか?」
「で、エッチは何回した?」
「…………2回。」
「はぁ……ダメだ。」
「わかってんだよ!いくら茉莉ちゃんがいるからってコレはやべーって思ってんだよ!」
「野球部入る前は毎日保健室行ってたでしょ?何してたのよ!」
「お喋りして抱っこしてチューしてた。」
「なんでそこまでしてヤんないの⁉︎」
「だって、拓海さん勤務時間だしそれに生徒来るし……あ、でも抜きあいっこは何回かあった。」
「ダメだ、ほんっとダメだ!アンタ本当にチンコ付いてんの?」
「昔一緒に風呂だって入ってんだから知ってるだろ!」
「んな昔のこと覚えてないわよ。しっかしリードねぇ……松田ってMだからハードル高いわー。」
「よくご存知で。」
「好きなAVのタイトルが『美人家庭教師の淫乱調教~悪い子にはオシオキだぞ♡』だもんね。」
「ちげーよ、『噂の美人女医の激痛問診~ズボズボお注射で治療します。』だよ。」
「どっちにしたってM男向けね。とりあえず、実践するわよ。」
そう言って高梨は170cmくらいの抱き枕を智裕に渡した。そして立ち上がると部屋の鍵をかけた。
「それをツワブキちゃんに見立てて、普段どうやってエッチに持ち込もうとしているかやってみなさい。」
「はぁ⁉︎」
「私がツワブキちゃんの言うだろう反応をアテレコしてやる。」
「なんだそのコント!つーか遊ぶな!俺は真剣なんだよ!」
「こっちも真剣なんだよ!」
ものすごい剣幕で怒られた智裕は小さくなり従った。
抱き枕を拓海だと思え、と暗示をして高梨のベッドに腰掛けた。
「拓海さん……えっと……キス、していい?」
「うん……いいよ。」
「……拓海さん、可愛い。」
「そんなこと……智裕くんの方がカッコいいよ。」
「か、顔が赤い。」
「うー…だって、智裕くんが近いんだもん……。」
「何でお前は全部分かるんだよ!エスパーか!こええよ!」
「うるせー!続けろ!」
「くっ………拓海さん、好きだよ。」
「俺も……大好き……。」
「………えっと……ベッド、行こ?」
「……………ダメね。」
「は?」
「長い!回りくどすぎ!何してんの!」
「何っていつもこうしてんだけど!」
「つーかもしかしてエッチしてんのベッドだけ⁉︎」
「当たり前だろ!1回ちょっと違うとこでやろうとしたら先客いたしさ……。」
「じゃあそいつらに見せつけてやればよかったのよ。」
「やだやだ無理無理!」
(ほっしゃんと江川っちだぞ⁉︎あの2人激しすぎだから無理だっつの!レベル違い過ぎんだよ!)
「フェラは?」
「はい?」
「ツワブキちゃんに、フェラは?」
「し、したことある!2回目の時にした!」
「してもらったことは?」
「そんなことさせられるわけねーだろ!」
「させろよ!そうやって優位に立つものなのよ!」
高梨は大きな本棚から本を探す。しばらくして、1冊の本を智裕に差し出す。
「はい、これ読んで。」
「何これ。」
「とりあえず、この漫画の3話目を再現しろ。」
パラ パラ パラ
「そ、ソファで……。」
パラ パラ パラ
「こ、この、淫乱……。」
パラ パラ パラ
「いやらしく、ヒクついてるやがる……。」
パラ パラ パラ
「座位⁉︎無理だ!拓海さんが可哀想!」
「本当甘ちゃんね。ツワブキちゃんはアンタにゾッコンなんだからこれくらいで嫌な思いするわけないでしょ!それに。」
高梨は拓海に見立てた抱き枕を奪って、智裕のとなりに座る。すると抱き枕の上部に指を食い込ませる。
「声…出しちゃうと、茉莉ちゃん起きちゃうよ。」
「お、おぉ…。」
「いいの?パパがこーんなにエッチだってバレても。」
(あれ?高梨がイケメンに見える……!)
「声、我慢出来ないなら、やめちゃおうか?ココ、こんなぐちゃぐちゃなまま、茉莉ちゃんとおんねんね出来る?」
カプッ
「あ……ああ……。」
「ココ、こんなにヒクヒクして、ナニが欲しいの?ほら、可愛くおねだりしてみろよ。」
「うぁあ……。」
「だーめ、恥ずかしがる悪いパパにはお仕置きだ。」
「高梨いぃぃぃぃぃぃ俺を抱いてくれえぇぇぇ!」
翌日_
「拓海……お前がどんだけ可愛いか、俺が教えてやるよ。」
「てめぇ、ぶっ飛ばす。」
サイズが大体同じ大竹で実践したら赤松に見つかってボコボコにされた。
「脱ヘタレは遠いなぁ。」
「どうしたの、優里。」
「なんでもなーい。」
_To be continued?
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