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戦う夏休み

勝利の夜 ③マツダくんの夜(※)

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「あと……30分。」


 智裕トモヒロは悶々と自室をウロウロしていた。夕飯も腹八分に控えて、トイレに行ったあとにもう1回シャワーを浴びて体の隅々を清潔にした。
 服装もどうしようか迷ったが、家族には「今日は大竹おおたけんチに泊まるから。」と嘘を付いているので洒落た格好で行ったら不思議がられてしまうので、最近買ったTシャツとハーフパンツに決めた。それもスマホのセルフィーモードで映して変じゃ無いかどうか度々入念にチェックする。

(ご褒美って、そういうことだよな。もう1週間オナ禁してるしやべーかもしんねー。つーか俺って試合でアドレナリン?出過ぎて持て余してるから1回じゃおわんねーかも。でもそれじゃ拓海さんに負担かけちまうし、今1発抜いとくか……いやいやもうシャワー浴びる時間ねーし。つーか茉莉マツリちゃんと親父が寝てるから起こせないし、何で智之トモユキとオフクロはまだ起きてんだよ!)

「智裕。」
「うわぁああ!」

 考え事をしていると突然母が部屋に顔を出してきたものだから智裕は大袈裟に驚いてしまった。

「何よそんな驚いて。」
「ノックしろよ!」
「うるさい黙りな。裕也ユウヤくんの家、行くなら早く行きなさいよ。あんまり遅くに出入りしたらご迷惑でしょう。」
「大竹が9時に来いって言ったからいいんだよ。」
「あっそ。お家の方によろしく伝えておいてね。」

 ドアを閉められると、智裕は一旦胸を撫で下ろした。「はぁ。」と息を吐いて、吸って、吐いて。スマホで時刻を確認すれば、20時55分になっていた。

「うわああああ……あ、あと5分…っ。」

 期待だけでもう智裕は興奮しきっていた。


***


 時計の針は9時を示した。智裕は家を出て、10歩くらいで移動した先のドアの前に立つ。唾を飲み込んで、インターホンを鳴らした。


 チリン、チリン


 なぜかドアの向こうから鈴の音が近づいてくる。

「と、智裕くん?」
「うん。」
「ど、どうぞ…。」

 促されてドアノブを下げて鉄製の扉を開ける。
 玄関に待ち構えていたのは、女の子みたいに内股で座り込んでいる猫耳尻尾付き首に鈴を付けたメイドさんだった。
 智裕は一度扉を閉めた。そして表札を確認した。もう一度ドアを開けた。


「た…く……たく、拓海、さん?」
「お、おつかれ、さまです……にゃあ?」


 智裕は鼻血を噴射して気を失いかけた。


 とりあえず家に上がり、ソファに腰掛けて鼻血が止まるまでティッシュで押さえていた。

「智裕くん、大丈夫?」
「だいじょばない……。」

 鼻血の元凶である拓海は智裕の目の前に座って上目遣いで智裕のことを覗き込む。
 普通のコスプレ用メイド服かと思った衣裳は、レースで作られたスケスケのベビードールで、上から見ると乳首がチラチラと見えてしまっている。

「拓海さん……それ、どうしたの?」
「やっぱり、変、だよね。これならご褒美になるって、星野先生が教えてくれたんだけど……。」
「変じゃない!変じゃないからヤバイんだって!可愛すぎてやばいの!」
「………可愛いの、引かない?」
「もうご褒美最高!」

 智裕は鼻の両穴にティッシュを詰めた最強に間抜けな状態で爽やかに笑った顔を拓海に向ける。それに安心した拓海はふわりと笑う。

「あ、あのね、ケーキ買ってきたから一緒に食べよ?」
「う、うん。」

 チリンチリンと鈴を鳴らしながら拓海は冷蔵庫に向かう。その後ろ姿を見てしまった智裕は、両穴を塞いでいたティッシュをまた赤く染めた。

(ちょっと待て!あの猫尻尾……もしかしてローターみたいなやつ⁉︎え、待って、尻尾付パンツとかじゃない⁉︎てゆーか拓海さんの下着、Tバックじゃね⁉︎明らかに女物じゃねーか!うはぁ、下乳ならぬチラケツとかエロ過ぎだろ!動くたびにチリンチリン鳴るの反則!ほっしゃんに教えてもらったって言ってたよな。ほっしゃんマニアック過ぎるだろ!だけどありがとう!ほっしゃんありがとう!)

 興奮した智裕は鼻息が荒くなり、詰めてたティッシュ噴射した。

「あ、鼻血止まってた。」

 智裕は吹き出した詰め物ティッシュをゴミ箱に捨てた。染まっていた鮮血に引いてしまう。
 そうしていると拓海がショートケーキを乗せた小皿を可愛らしく運んで戻ってきた。

「智裕くん、食べよっ。」
「お、おう。あ、あっちのテーブル?」
「ううん……ソファ、座ってて。」

 石蕗家には立派なダイニングテーブルがあるので智裕は不思議に思いつつも、どっかりとソファに座った。そしたら、拓海がおずおずと智裕と向かい合わせに太ももの上に座った。その座り方も内股気味でエロい。目のやり場に困る。

「優勝、おめでとう。」
「あ、ありがとう、ゴザイマス。」
「すっごいカッコ良かった、よ。」
「そ、そう?」
「うん……それに、いっぱい頑張ったね。」
「あー…うん。頑張った、と思う。」
「ご褒美、あげるね。」
「ありがと、俺ショートケーキめっちゃ好き!一緒に食べよう。」

(そうか!ご褒美ってケーキを拓海さんが「あーん♡」ってしてくれるのか!ひゃあー、頑張ってよかったぁぁぁぁぁ!)

 しかし智裕はあるものが無いことに気がついた。

「拓海さん、フォークは?持ってきてない?」
「………た、食べさせてあげる…。」
「え、手づかみ?ワイル……ド、だぜぇ?」

 「ワイルドだね。」って揶揄おうとしたら、目の前で起こった出来事に驚いて某芸人風の言い回しになってしまった。


 拓海は右手の人差し指と中指で純白の生クリームを掬って、それを智裕の口元に持っていく。そして智裕を少し上目遣いで見上げて、首をコテン、と倒して、頬を赤らめて。


「智裕、くん……あ、あーん?」
「あー…ああ⁉︎」
「ご、ごめんなさ、」
「いや、食べる!食べる!…!」

 拓海が手を引っ込めようとしたので智裕がその手首を掴まえて、クリームのついた指をパクリと口に咥えた。甘さ控えめのクリームなのだが智裕の口は激甘になる。

「お……美味しい?」
「ん……おいし……残さず舐めないとね。」
「ふぇ?……んっ⁉︎」

 智裕は拓海の指先を丹念に、わざとイヤラしく舐める。チュ、と音も鳴るように。
 指先に集まる神経が、全て智裕に支配された拓海は思わず声が漏れる。

「ん…ふぅ……も…いい、よぉ……。」
「だめ、まだ残ってる。」

 指先を1本ずつ舐めてはキスをする。そうしながら智裕は拓海の感じている様子を舐めるように見つめる。
 チュパ、と解放すると、拓海が持っていたケーキの乗った小皿を取り上げる。

「俺も食べさせてあげる。」

 智裕は上に乗っているイチゴをつまみ上げて、それを拓海の口元に持っていった。

「あーん?」

 拓海はおずおずと口をあけてイチゴをパクッと頬張った。

「おいし?」
「ん……甘酸っぱい。」
「あ、指にクリームついた。取ってください。」

 ニヤニヤとしながら指をこれ見よがしに拓海に見せつけ、ちょん、と唇にくっつける。拓海は両手で智裕の手を包み、チロチロと舌先で舐め始める。

(あ、あれ、なんかこれ……想像以上に、エロい!)

 智裕の人差し指と中指を、拓海はソレと見立てて咥えて味わう。指を舐めて、咥えて、しゃぶって、それだけで拓海の中心は熱を持ち出した。その硬度と大きさはベビードールだとバレバレだった。


「ん……、指ふやけちゃうって…。」

(あ……拓海って……呼ばれた。)

 、それは智裕が興奮した合図だった。ちゅぱ、と指を離すとテラテラと唾液で濡れ切っていた。


「智裕くん、もっと……ケーキ、食べたい?」
「えっと……うん。」
「じゃあ……あの……ベッド、に…いこ?」


 チリン、チリン、鈴の音で智裕は更に熱を高める。これからすること、想像出来るようで出来なくて、拓海によって淫靡な場所へ誘われていく。

(えっと…グズグズするけどいつも誘うのは俺だし、なんか…やべえ。)


***


「智裕くん……あの、座って。」
「は……はい。」

 寝室に着くなり、智裕はベッドの上に座らされた。微かに甘い香りが鼻腔をくすぐる。胡座をかいていたら、チリンチリンと鈴を鳴らした猫の拓海が目の前に座った。そして優しい力でそっと押し倒される。

「俺から……食べるね?」

 そう言われた智裕はシャツを捲くられて、上半身の鍛えた身体が露わにされ、智裕の胸筋にボトっと冷たい生クリームが落とされた。そして落ちたクリームは拓海が屈んで舐めとる。

「う…そ……ちょ、マジで…ぇ…?」
「ん……おいし……はふぅ……。」

 チュッチュ、と音を立てて舐めたり吸ったりして、拓海は甘さを堪能する。その舌先は、智裕のツンと立った乳首を這う。

「うっ⁉︎た、くみ……あぁ…っ!」
「ん…んん……気持ちいい?」
「やばいって……マジで……はぁ、あぁ……。」

 実は乳首が弱い智裕は唸ったり喘いだりして、拓海から与えられる快感に溺れかけている。そして拓海の太腿にはグンと大きくなった智裕のソレが当たっている。衣服を隔てていても分かる熱に拓海も反応した。

「あ……智裕くん……おっきくなってる……。」
「ひ……ああ……そこは…えっと……。」

 拓海の手は下着の中に侵入して、滑らかな指がカタチをなぞっていく。

「智裕くんの……おちんちん……食べてもいい?」

 智裕はその問いに頭が真っ白になりかけた。それは夢にまで見た拓海からの御奉仕フェラチオが現実になろうとしていた。そして智裕の出した答えは勿論。


「食べて、ください…。」


 ハーフパンツとボクサーパンツを脱がされて、すっかり天を仰いでいる智裕のソレに拓海は顔を近づけた。顔を真っ赤にしながらも、ソレを愛おしく見つめて「はぁ。」と恍惚な表情で頬ずりする。その仕草でまた血が巡る。

「智裕くんの…おちんちん……おっきいね。」
「たた、拓海……む、無理しなくて、いいから……っ!」

 智裕は思わず上半身を起こすが、それと同時に拓海の可愛い口に智裕の凶暴になりかけているソレが侵入する。まず先端をチュ、とキスをして味わうように舐め始める。

「はぁああ……やっば……。」
「ん、ん……ふぁ……ふぅ……ん…。」

 拓海が全体を加えて裏筋も口内でなぞられた頃には、先端から先走りが出てきた。少しだけ苦味に顔をしかめてしまう拓海だったが、それが智裕の味だと分かると、たまらなく興奮に変わる。

(智裕くん……すごい……興奮してる……えっちな汁、出てる……嬉しい。)

 頭を上下に動かされてしまうと、益々膨張して智裕の口からは一層色っぽい声が出てくる。

「は、あ……だ、だめ…だって……も、イキ、そ……。」
「んーんんーっ!」

 智裕は抵抗するように拓海の頭をくしゃくしゃに握るが、拓海の動きは速くなる一方で、今日までの禁欲も手伝って追い詰められた智裕は拓海の口内に白濁を吐いてしまった。拓海は口を離さずにそれをゴクリと呑み込んだ。

「あああぁ……拓海、吐き出して!マジできたねーから!」
「んぁ……やだ……智裕くんの……全部、俺のだから……。」

 口からこぼれた白濁も指で掬って、舐める。拓海には不快感は一切なかった。その唇を貪りたくなるが、おそらく自身の苦味が残ってるだろうと懸念した智裕は、ベッドサイドに置かれたショートケーキを素手で一口分掴む。

「拓海、あーん。」
「ふぇ……あ、あー…んぅ。」

 拓海の開いた口にケーキを突っ込むと、すぐ様指を引き抜いて代わりに唇で塞いだ。そして互いに舌を絡めて、ケーキを溶かす。文字通りに甘いキスを求めた。

「ん……はぁ…んん……。」

 拓海の口から漏れる吐息と声が色っぽい。そして拓海の指先が智裕のシャツに縋る。キスから解放すれば拓海の頬は紅潮し、目は熱を持ってウルウルとしている。

「ちょー可愛い顔になってる……。」
「あ……また……おっきくなってる……。」
「拓海に触るだけで興奮するからね、俺。」
「えへへ……うれしい……。」

 拓海は膝立ちをすると、智裕のシャツを脱がせた。そして大好きな智裕の首筋に顔をうずめる。

「拓海、いっつもそこに鼻つけるけど……好きなの?」
「だって…智裕くんの匂いがいっぱいするもん……。」
「汗臭いっしょ?」
「ううん……今日はすごく甘いの……。」

 首筋と鎖骨の交差する箇所に拓海はチュウと強く吸い付き、赤い印をつけた。智裕もお返しと同じ場所に拓海へシルシを贈った。
 拓海は満足そうに笑ってそこを指先で撫でる。智裕は拓海の白い太腿に手を這わせた。ゴツゴツした硬い掌の感触だけで、拓海は感じた。

「はぁ……あ……。」
「手も好きって言ったよね…。」
「ん……好き…あ……。」
「見る?俺の左手……ボロボロだけど。」
「ん……見る……。」

 拓海はボロボロになった掌を見せられると、それを愛するようにキスをした。

「頑張ったんだね……痛くないの?」
「拓海がキスしてくれたから、痛いの飛んでった。」


 本当は満身創痍だったことが窺える掌を拓海は頬ずりし、何度もキスをする。

「拓海……ココ、苦しくない?」
「ん……うん……。」

 拓海がそう頷くと、智裕は下着の横の紐を解く。脱がした下着は既にグショグショに濡れている。

「すっごい…拓海もエッチな汁出てるね。」
「あ……えっち、なの……いや?」
「だーいすき。」

 智裕はイヤラしく笑うと、また拓海と深いキスを交わした。舌を絡められる度に拓海は刺激を求めるように腰を揺らす。

「智裕くん……しっぽ……抜くの…手伝って?」
「しっぽ……抜くの?」

 拓海は智裕の足の間にうつ伏せでお尻だけを突き出す体勢になる。智裕のそそり立つ自身が拓海の頬にペチペチと当たる。

「ん……んん……あっ、ん……。」

 拓海は片手で後孔の入り口を広げながら、尻尾の根元をグイグイと引っ張りだす。挿れた時に使ってたローションが漏れ出して、秘部がグズグズに濡れている淫靡な様子に智裕は興奮してしまう。

「んー……抜け、ないぃ……。」
「拓海、もう抜いていいの?」
「ん……も、ぉ……と、も…ひ、ろ……く、の…ほしぃ……。」
「……わかった、抜いてあげる。」

 智裕は前のめりになり、入り口を広げると隙間に指を挿れてアナルプラグを掴んだ。

「はぁああ、ん!」

 智裕の指の関節が拓海の前立腺をダイレクトに擦れたようで、大きく喘いだ。それを聞き逃すわけがなかった智裕はわざとクニクニと取れないフリをして弄る。ポイントを押さえられ続け拓海は足がガクガクと震える。

「だめぇ、あ、も、だめ、イっちゃうの、あ、あぁ…いじわる、やだぁ、あぁああっ!」

 拓海の白濁がシーツの上に溢れた。肩を動かす大きな呼吸をして酸素を取り込む拓海をよそに、智裕は満足そうに笑いアナルプラグを一気に引き抜いた。

「あああぁ……おしり……ぬけたぁ…。」
「すっごい……ヒクヒクしてる。」

 智裕は大きく、寂しそうにしている孔に指を出し入れする。拓海はその指をキュウっと締め付ける。

「俺、もう拓海んナカに入りたいな。」
「あ……あぁ……と、もひろ…くぅ、ん……。」

 拓海はヨロヨロと起き上がると、智裕の肩を押して仰向けにした。そして智裕の自身に目掛けて腰を落とす。

「いっぱい……きもち、いいの……あげるね……。」

 フワフワと頬を紅潮させながら笑う拓海が智裕には淫靡な天使に見える。智裕は拓海の細い腰に手を添えて支えるようにする。手に触れる滑らかな肌が今は自分だけのものだと思うと、支配欲も満たされていく。

 ズプズプ、智裕のマックス状態のソレは柔らかな拓海に呑み込まれていく。自分から挿れていく羞恥でキュンとなる拓海の締め付けが加わり限界を越えそうになった。

「あ…はぁ…ああ……おく、はい、る……あぁ…。」
「拓海、すっげー…きれい。」
「んん……ごほーび……がんばるぅ……。」
「頑張れ。」

 智裕は揶揄うように笑うと、拓海のぐんぐんと勃つソレに手を伸ばして快感を増幅させる手伝いをする。拓海は前後に腰を動かして、内壁に智裕のソレを押しつけるようにする。そしてもっと奥に欲しくなると上下に腰を動かして、出し入れで前立腺を刺激する。智裕がしてくれるように、それ以上に。

(だめ……智裕くん、気持ちよくしなきゃなのに……これじゃ、俺が…でも…止まんない…。)

「ね、きも、ち…いい?」
「サイコー。もうイキそうだし。」
「はあ、あぁ、よか、ったぁ……あ、あぁ。」

 ゴリ、と智裕の1番硬い先端が拓海の1番感じる箇所に抉るようにヒットした刹那。

「ひゃああぁぁあんっ!あ、でちゃ…あぁ…っ!」

 勢いよく智裕の手に白濁を出した。達した身体が痙攣しているのだが、拓海のソレを握る智裕の手の動きは止まなかった。それどころか親指でまだトロトロと汁を出している先端をクリクリといじりはじめた。

「やぁ、や、だ、め…そん、なのぉ…あ、あぁ…あ、やだ、あああっ!」
「拓海のナカ、またうねって、俺のを離さないよ。」
「あ、それ、するか、らぁ、と、もひ、ろ…く……あぁああっ!」

 同時に智裕は下からガンガンと突き上げ始めた。精液が出るのとは違う感覚に襲われた拓海は頭を振って乱れる。そして手を口に持っていき指先を食む可愛いクセが発動する。

「やらぁ、も、でちゃうぅ…おしっこ、でちゃうのぉ…ぼ、ぼく、へんになるのぉ…ひゃあ、あああっ!」

 拓海は仰け反る。先端からはプシャアとサラサラな透明な液体が勢いよく出てきた。智裕が余韻で突き上げるたびにピュッピュッと出てくる。

「すっげー……拓海、ほんとエッチ。潮吹きしちゃったね。」
「あ……あぁ……ぼく、おもらし、しちゃったの……ひっく、うぅ……。」
「拓海…。」

 智裕は上半身を起こすと、泣きじゃくる拓海の髪を撫でて、瞼にキスをした。

「泣かないで。めっちゃ可愛いし、最高。」
「ぼく、ちゃんと…できた?」
「うん…よく出来ました。俺も今日まで我慢して頑張って良かったぁ……。」
「えへへ……だーいすき。」

 優しく拓海を抱きしめながら智裕は思った。

(あれ?拓海、一人称が「僕」になってるけど……普段「俺」じゃなかったっけ?)


「どんだけ可愛いの…ほんとうに。」


 智裕は繋がったまま、拓海を押し倒し、荒い呼吸を繰り返す拓海の口を塞いで口内を蹂躙する。敏感になった拓海はキスだけで達して、ナカを締め付け、先端からの透明が止まらない。

「ふぁ…あぁ……も…っと…ほしいの……。」
「拓海の中に全部あげるよ……っ!」
「は、あぁあ、あ、あ、うれ、し、あぁあっ!」

 拓海のしなやかな、淫乱に汚れた太腿を鷲掴み、智裕も絶頂に向けて腰を打ちつけた。パチュ、パチュ、と拓海のいやらしい水分と肌がぶつかる音がする。拓海の薄い陰毛は濡れ切って肌に張り付いている。チリンチリン、という鈴の音がうるさいが、その音に合わせるように拓海の先端からは潮が吹き出している。

「あ、あぁあ、だしてぇ、ぼくの、おしり、いっぱい、してぇ…っ!」
「もう、イ、く……あぁっ!」

 ズン、と最奥を突いて拓海のナカに全てを注ぎ込んだ。


「あ……あぁ…あついの……すきぃ……。」
「ごめ……まだ出る……あぁ…もー……。」


 出し切った智裕が引き抜くと、途端に拓海の秘部からはドロッと智裕の白濁が出てきた。智裕は拓海を抱き上げると仰向けになって、自分の上に拓海を乗せて抱っこした。

「エッチな拓海ネコめ……可愛すぎだっつーの。」
「ごほーび…に、なった?」
「なりすぎ。つーかこのメイド服とかどうしたんだよマジで…可愛すぎ。」
「うぅ……きょうだけだもん……。」

 恥ずかしさで拓海は智裕の胸で頭をグリグリした。


***


 2人はシャワーで汚れた体を洗い流して、智裕が拓海を抱きかかえて湯船に浸かってまったりしていた。


「拓海さんにリードされるって……いいかも。」
「うぅ……恥ずかしいよ……。」
「あと拓海さん、自分のこと僕って言ってたの萌えた。」
「あー!それも言わないでえぇえ!」

 拓海は顔を両手で隠した。智裕はその姿をニヤニヤしながら見下ろす。

「いつから俺って言うようになったの?マジな話最近でしょ?」
「……まーちゃんのママがいなくなってから……。」
「本当に最近だった!」
「僕って言うと…どうしてもナメられちゃうから……まーちゃん守る為に頑張ったの……。」

 智裕の心臓は切なく掴まれた。拓海を抱き寄せて頭を慰めるように撫でていた。

「じゃあ俺と2人の時は甘えてよ……ね?」
「でも今日は…智裕くんも疲れてるし……ダメだよ…。」
「だーめ、俺が甘えられたいの。俺なんか6コ下にナメられてんだからさ、拓海さんくらいには頼られたいのー。」

 智裕がブーっと拗ねると、拓海は心が軽くなった。そして遠慮なく、本性を曝け出した。

 智裕に向かい合い上目遣いで見つめると、両手を大きくひろげた。


「抱っこ。」


(何この生き物可愛すぎる!)


「拓海さんって、本当はめっちゃ甘えん坊さん?」
「う…うん……変だよね?」
「大歓迎でございます!」

 その細い体を智裕は強く抱きしめた。


 風呂から上がると、智裕が拓海の髪を乾かしてあげて、また抱っこを要求してきた拓海に応える。


「智裕くん、石けん同じ匂い……好きぃ…。」
「あーやばい、拓海さんマジで可愛い。100回言っても足りねーわ、可愛すぎて。」
「智裕くんはカッコいいよ、1000回言っても足りなーい。」
「マジ?今日俺カッコよかった⁉︎」
「うん…すっごいカッコよかった。世界一カッコ良かったよ。」
「俺これだけで生きていける!拓海さん大好き好き大好きぃ!」
「僕も大好き大好き大好きー!」


 今日、学校に戻る途中に直能ナオタカのファンから「何あのシケメン。」と攻撃された傷も癒えた智裕だった。
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