【R18】絶望の枷〜壊される少女〜

サディスティックヘヴン

文字の大きさ
上 下
2 / 3

2

しおりを挟む
 絹のドレスワンピースはただの布切れとなって天幕の床に落ちた。総レースのシュミーズもボロに早変わりだ。パンティーだけの姿にされたレイヒは、天幕の入り口に下ろされた。故意か事故か、大男の無骨な指がレイヒの繊細な乳首を乱暴に擦る。

「んっ!」

 下品な喝采の中、レイヒの下腹部の両脇にリボン結びで留めてあったパンティーの紐がゆっくりと、見せつけるように解かれていく。

 力を入れて足を閉じていたレイヒだったが、大男の力には敵わない。大きく股を割かれて秘めたるところまで暴かれてしまった。男の指が足の付け根をくぱぁと開くと、使い込まれた女のそれとは違う無垢なピンクの薔薇が剥き出しになる。花びらの中心のお口まで。それはまったく濡れていなかった。

 M字開脚させられ、大陰唇を指で押し開かれて中身を衆目に晒されても、レイヒは泣き声ひとつ上げずツンとそっぽを向くだけであった。ユリウスが可笑しさを堪えたような声で問う。

「ずいぶん冷静なんだな? 恐怖は感じないのか?」
「……」
「返事をしないと、彼氏にもう一発入れさせるぞ。見なくても呻き声でわかるだろ」
「……べつに。何も感じません」
「ふぅん。さすがは“災厄”の魔女ってとこかな。まぁ、うるさくされないのは助かるね。他の奴らは、狂ったように泣き叫ぶ女が好みなんだろうけどさ、オレはおとなしい子の方がいいね」

 ユリウスが跪いて少女の頬を撫でようとするのを、レイヒは嫌そうに躱した。なおもしつこく伸ばされた指が、レイヒの顎を捉えて柔らかい唇や頬をぐにぐにといたぶる。キッと睨む少女の黒い瞳には、嘲笑を浮かべたユリウスが映っていた。

「おお、こわいこわい。もっと従順で、言いなりになる女がいいなぁ。歯を立てられちゃ困るし。クスリもいいけど、即効性があるやつは母胎に悪いからなぁ」
「……は?」

 クスリ、母胎……嫌な予感しかしない言葉に、レイヒの思考が目まぐるしく回転していく。

(母胎……母胎!? まさか、まさかこの児童性愛者、ぼくをレイプするだけじゃなく妊娠……させる気……)

「まさか、ユリウス、貴方……」
「ああ、言ってなかった? オレはね、子どもが欲しいんだ。君ほど潤沢な魔力を持つ魔女との間にできた赤ん坊なら、きっと祖父だって認めてくれる。もし王位継承の切り札にならなくたって、便利な道具になってくれそうだしね。
 だから君の胎を借りたいんだよ。ひと目見たときから欲しかった、君のその、子宮がね」

 とてもマトモじゃない言葉を吐きながらも、ユリウスの表情はとても優しく、気品に満ちたオウジサマのガワを崩していなかった。まるで彼にNOを突きつける方がおかしいと錯覚してしまう程の、圧倒的な説得力。自信あふれる声色は、一切の詭弁を許さぬようで。

 レイヒは息もできないその違和感から抜け出すと、めちゃくちゃに体をよじって暴れだした。

「嫌です! 絶対に! 離しなさい……離して!!」
「レイヒ」
「うっ、ううっ~~~! いや……!」
「落ち着けよ。彼が死ぬよ?」

 大男に潰されるように抑え込まれているレイヒに、ユリウスが酷薄に囁くが、それももう効果がない。レイヒはユリウスの手に噛みつこうとし、ユリウスは思わず距離を取ろうと下がりすぎ、無様に尻もちをついてしまった。オウジサマの顔にサッと朱が差す。

「本当に殺すぞ!」
「どうせ殺すくせに!」
「っ!」
「今すぐ殺さなくとも、あの傷では長くは……。やるならやりなさい、ぼくも死ぬ気で抵抗します。貴方の子なんか、誰が産むものですか!」


 パンッ!
 と、乾いた音がして、頬を張られたレイヒは呆然と目を見開き脱力していた。ミルク色の頬がみるみるうちに赤く染まっていく。

 そんな茫然自失のレイヒの髪の毛を掴み、持ち上げて、ユリウスは怒鳴った。

「ぅ、痛……」
「今すぐアイツを殺して、その血でお前の穴の滑りをよくしてやろうか? アイツの生首に見つめられながらオレに犯られたいのか! ああっ!?」
「やっ……やめ、て……!」
「抵抗する、だと……? なら、歯を立てられないように全部ペンチで引き抜いて、爪を立てられないように全部剥がしてやろうか。それともやっぱりクスリが必要か、声が出せないように、何も考えられないように、頭の中全部壊してやろうか!?」
「いやっ! お願いします、何でもしますから……もう、やめてください……。貴方のために、魔術で、お役に立ちますから…………だから、もうやめて……」
「ハッ、今さらお前を自由になんてするもんか。こんなことまでしておいて? 正気に戻った途端、オレを殺すに決まってる」
「そんなことしません! 契約で縛ってもいい、とにかく、もう……ぼくたちを、解放してください……」
「ダメだ。クスリの効いてない相手は信用しない。まずはクスリからだ」
「ひっ! クスリは、クスリは嫌です……あっ!」

 ユリウスがレイヒの乳首をギュウッとつねって引っ張った。
 そしてそのまますり潰すように圧を加えていく。

「痛っ! 痛いのも、いや、あっ! あうっ!」
「じゃあ、おとなしくしてろ。……その表情、いいね。興奮してきた」
「いやぁ……」

 ユリウスはぽろぽろとこぼれてきたレイヒの涙を舌で舐め取り、そのまま眼球を、鼻を頬を、舌と唇で愛撫していく。唾を絡めた舌で耳朶をぬろぬろと舐め上げ、内側に舌を這わせ、歯で挟んでコリコリとした感触を愉しむ。

 その間も乳首を虐める指の力は抜かない。次に、嫌悪感と痛みに嗚咽を漏らすレイヒの唇に吸い付き、舌で抉じ開けようとするユリウス。しかし、レイヒはせめてもの抵抗なのかギュッと身を縮こまらせて唇も塞いでいる。

「ガイウス、やれ」
「はい」

 レイヒの服を破り、その小さな体を押さえつけていた黒髪の大男は、ユリウスの言葉を受けてレイヒの鳩尾に拳を叩きつけた。

「ぅあっ!? ~~~~~ッ!」

 衝撃に開いた口に、ユリウスは覆いかぶさり舌を入れて蹂躙した。嫌がる頭を押さえつけ、無理やり唾液を注ぎ込むと、レイヒの体が痙攣したように震えた。ユリウスは優しい声色で言った。

「吐き出すなよ、レイヒ。…………よし。さてと、そろそろ気持ちよくしてやろうかな。オレのを咥えて、口でご奉仕してごらん。唾を絡めて、舌と唇でオレのを大きくするんだ」

 鎧を脱いで軽装になっていたユリウスは、前をはだけて半勃ちのペニスを取り出した。そしてそれをレイヒの鼻先にぶら下げる。

「ひっ……やぁっ」
「ほら、早く」
「あうっ」

 まだゆるく勃ち起がっただけの先端がぴとりと頬に引っつき、レイヒは小さく悲鳴を上げた。さらにグリグリと押しつけられ、その目には涙が滲む。

「う……っ…………」
「なに嘘泣きしてるんだ。口をもっと大きく開けて。女の子なんだから、もっと嬉しそうにしないと」
「…………? な、にを……」
「なにって、だから、おしゃぶりだよ。女の子はみんな大好きだろ? 嫌がって見せるのだって、そういうフリが好きなだけで、いつだって口でしたがる子ばっかりだ。まぁ、自分から欲しがるわりには巧くもなかったけど。やっぱり、中に挿れないとないよなぁ?」

 そう言ってユリウスは愉快そうに笑う。取り巻きの兵士たちもお追従ついしょうのようにゲラゲラと大笑いしていた。

(女をなんだと思って……!)

 あまりにも勝手な言い分に、レイヒは怒りよりも恐怖に囚われた。ユリウスや兵士たちに乱暴された女たちはきっと、口で満足させれば最後までされることはないだろうと、そう思っていたに違いない。愚かな考えだが、追い詰められた女たちにとってそれは微かな希望だったのだろう。

 それを本気か冗談か、あんな風に笑い飛ばすなんて。この男たちには人の心が無いのだろうか。それならば、同じくここまで追い詰められた自分は、どうなってしまうのか。

 レイヒの小さな胸の中を絶望の嵐が襲っていた。

「……せん、せ…い……」
「ヴァイゼル?」

 小さな呼びかけ。
 必死で首を巡らせて、レイヒは声の主を探した。少年は後ろ手で拘束されたままだったものの、顔の傷は消え、血色も取り戻していた。

「先生、俺……! ごめん……」

 涙も枯れ果てたような表情で謝罪を口にする少年に、レイヒは気丈に微笑んでみせた。

 大丈夫。
 安心して。
 貴方を恨んだりしません。

 そう、伝えたくて。


「よそ見するな!」
「ああっ」

 ユリウスは怒りに染まった顔でレイヒの前髪を掴み上げると、思い切り床へ叩きつけた。

「ぅぐっ!」
「さっさとしゃぶれよ、また痛い目にあいたいのか!」
「貴方を悦ばせたりなんて、しません……」

 弱々しく紡がれる言葉に、ユリウスは舌打ちした。

「後悔するぞ、レイヒ」

 ひどく冷たい声に少女は震えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...