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「イヴァン、貴方、今日は何の日か理解していて?」
「そんなことより、お聞きください!、母上!」
「……そんなこと…?」
一段低くなった皇のお声に私の背は凍る。馬鹿なの?、死ぬの?、皇のお茶会なのだ。皇が主催した、皇が仕切る、皇のお茶会なのだ。それを、そんなこと、とは。
いや、殿下が勝手に皇の不興を買うのは良いが、とばっちりは困る。アイリス、頼む、誤魔化してくれ。私は頭を垂れたまま、ぺしっと微かな微かな風珠をアイリスの交差する腕にぶつけた。
ちゃんと気がついたらしい。アイリスは此方にちらりと視線をやってから、ガン無視をキめた。
ですよねー。私もイヤだわー。怒りの度合を徐々に上げていく皇にむかって何かを話しかけるとか、無理無理無理無理。単身で百騎千騎の魔物の群れに突っ込むほうが百倍も千倍も万倍もマシというものだ。
「そんなことです!、この場にいる女たちは、高位の令嬢とは名ばかりの、純真さのかけらもない、たおやかさのかけらもない、愛くるしさのかけらもない、醜い悪意と嫉妬に満ちた女どもです!、皇妃のお茶会に呼ばれるような価値はかけらもない!」
カケラカケラ煩いカケラ殿下の叫びに、十六家の女子たちはピクリとも動かない。お嬢さんたち、頑張れ、多分、そろそろ皇が…
「…お座りなさ」
「こいつらを罰してからで結構です!、母上!、そんなこ…」
「お前達には言ってないわ。ローズ、ジャスミン、アイリス、席にお戻りなさい。貴方たちがそのままでは、他の子たちが可哀そうよ?」
涼やかなお声は私たちに向いているが、殿下方は自分たちに向けられたと解したようだ。どちらでもいいが、皇のお言葉を遮るな。抗するな。従うべき時には従って欲しいものだ。
静かで優しい声に粛々と従う。…怖い。
「はっ、席に戻らせていただきます」
ありがとう、そしてよかったな、お嬢さんたち。君たちの礼が及第点以上だったからこそ、こんなに早く許してもらえたよ。
私たちは席に戻る。私は二人と同時に着席すると、顔を伏せたままのご令嬢方の耳に微かな鈴音を送り着席の合図とした。
十六家の令嬢たちは同時に皆顔を上げ、それぞれの席に優雅さを忘れずに着く。教育が行き届いているのは流石といえた。
だが、いまや張り詰めた空気のみが流れるお茶会の席、誰も茶器に手を伸ばさず、視線は伏せたまま、皇のお言葉をただひたすら待つ。優雅な微笑みを忘れずに。
「…っ、母上ッ」
私たちが席に戻ることで、皇陛下の右手御前に立っているのは殿下方のみだ。
殿下方を追ってきた近衛は膝をついたまま。給仕方はその場に立ち尽くすが、これは仕方ない。
香気放つ扇がまた、くるりくるりと銀の髪をもてあそぶ。
「……私は、このような余興の話は耳にしていなかったのだけど、ねぇローズ、イヴァンの近くに侍る娘は誰?」
「皇妃には初めてお目通りいたします!、わたしはティルナシア。カーター男爵家の」
「ローズ」
溌溂とした声を上げた少女の声を遮って、皇のお声が静かに私を呼んだ。胃が痛い。
「は。寡聞にして存じませぬが、殿下が『この可憐なるカーター男爵家令嬢、ティルナシア・カーターとの』と仰っておられましたので、ティルナシア・カーターというお名前のお嬢さんかと推察いたします」
「ローズ!、貴様という女は!、そうやって私の目の届かぬところでティナを貶めていたのだろう!、はっ、化けの皮が剥がれたな!」
したり顔、殿下の声に私は無言を貫く。というか、目の届かぬも何も、私を監督管理しているのは皇なのだが。
頭の中に軽やかな鈴の音がした。
奇才アイリスの作り上げた魔法の一つ、「疎通」の音に視線をアイリスに向けることなく応答する。
アイリスの奇才を目にするとき、私はアイリスが皇に一番似ている、と感じる。次代はアイリスでいいんじゃないのかなぁ、と。
能力主義、実力主義のこの国らしく、魔力で言えば私、武力で言えばジャスミンが次代に相応しいと言われているが、私は皇の如く自在で独特で既成概念を吹っ飛ばす「魔術」を「新たに創ることができる」アイリスこそ次代に相応しいと考える。
ちなみにこの魔法は先程私が令嬢方に送った合図の「原型」だ。
『皆を繋いで』
「………」
簡潔な言葉に一瞬目を瞑った。魔力は豊富にあるので構わない。此処にいる十二人を繋げる為の網を編むのが少しだけ面倒なだけで、構わない。
瞬時に全員が同じ網のなかにある点となったことを感じたアイリスが「疎通」で話し始めた。
この魔術は一対一だった「念話」の魔術理論を再構築し、多対多に創り換えたアイリスの作品の一つだ。戦中は大変役に立った。
『皆さま、アイリスですわ。どなたでもよいの、ティルナシア嬢や殿下と一緒におられる方たちに関することを教えて頂戴。皆さまがご存知の通り、私たちはこの三年ほど社交には関わっていないでしょう。あのご令嬢のことがわからないの。でも、我らが皇陛下には、そんなことは関係がない、ということも、皆さまはちゃんとご存知でしょう。誰が、いつ、なんと質問されるかわからないわ。情報の共有をいたしましょう』
誰一人、驚いた表情を浮かべたりはしない。流石第一線に出る親兄弟を持つ貴族家のご令嬢たちだ。
『失礼いたします。ファルミナでございます。私を含め、此処にいる皆様方とは学園で同じクラスでした。彼女は男爵家ということでございますから、違うクラスでしょう。ですから、此処にいる誰もが詳しくは存じ上げないのではないかと愚考いたします。ターナー男爵領は戦場となりました北方とは離れた西南の領地で、温暖な気候であるにも関わらず、手つかずの土地が多い寂れた地であったかと記憶しております。狭い地であり、鉱山などはなく、なだらかな丘の続く土地でございます』
『失礼いたします。カルヴィナでございます。私の記憶では、ターナー男爵家は、ご当代、跡取りでいらっしゃるご長男、ご次男のお名は名鑑に記載されておりますが、奥方、女児ともにいらっしゃらなかったかと。故に社交に乏しく、忘れられた貴族、のおひとかたであったと記憶しております』
文官としての優秀さアピールを忘れない侯爵家と伯爵家令嬢の声がした。
我が国は能力主義だから、女性の地位も当然拓けている。何せ、頂点が頂点だ。血筋などは付属物にすぎない。
能力の高いものが高位貴族となる。武力であろうと、魔力であろうと、学識であろうと、評価されるべきものが評価される。
高等な教育を手にすることができる高位貴族の令嬢は、子息に劣らぬほど、剣に、魔術に、勉学にいそしむ。故に領地や所属氏名、それらが載る貴族名鑑を熟読することは、文官を目指すものには初歩の初歩で、社交にかかわることが薄い貴族たちを「忘れられた貴族」と呼びならわす「貴族らしさ」もアピールする。
バランス感覚は何事においても重要なのだ。
「そんなことより、お聞きください!、母上!」
「……そんなこと…?」
一段低くなった皇のお声に私の背は凍る。馬鹿なの?、死ぬの?、皇のお茶会なのだ。皇が主催した、皇が仕切る、皇のお茶会なのだ。それを、そんなこと、とは。
いや、殿下が勝手に皇の不興を買うのは良いが、とばっちりは困る。アイリス、頼む、誤魔化してくれ。私は頭を垂れたまま、ぺしっと微かな微かな風珠をアイリスの交差する腕にぶつけた。
ちゃんと気がついたらしい。アイリスは此方にちらりと視線をやってから、ガン無視をキめた。
ですよねー。私もイヤだわー。怒りの度合を徐々に上げていく皇にむかって何かを話しかけるとか、無理無理無理無理。単身で百騎千騎の魔物の群れに突っ込むほうが百倍も千倍も万倍もマシというものだ。
「そんなことです!、この場にいる女たちは、高位の令嬢とは名ばかりの、純真さのかけらもない、たおやかさのかけらもない、愛くるしさのかけらもない、醜い悪意と嫉妬に満ちた女どもです!、皇妃のお茶会に呼ばれるような価値はかけらもない!」
カケラカケラ煩いカケラ殿下の叫びに、十六家の女子たちはピクリとも動かない。お嬢さんたち、頑張れ、多分、そろそろ皇が…
「…お座りなさ」
「こいつらを罰してからで結構です!、母上!、そんなこ…」
「お前達には言ってないわ。ローズ、ジャスミン、アイリス、席にお戻りなさい。貴方たちがそのままでは、他の子たちが可哀そうよ?」
涼やかなお声は私たちに向いているが、殿下方は自分たちに向けられたと解したようだ。どちらでもいいが、皇のお言葉を遮るな。抗するな。従うべき時には従って欲しいものだ。
静かで優しい声に粛々と従う。…怖い。
「はっ、席に戻らせていただきます」
ありがとう、そしてよかったな、お嬢さんたち。君たちの礼が及第点以上だったからこそ、こんなに早く許してもらえたよ。
私たちは席に戻る。私は二人と同時に着席すると、顔を伏せたままのご令嬢方の耳に微かな鈴音を送り着席の合図とした。
十六家の令嬢たちは同時に皆顔を上げ、それぞれの席に優雅さを忘れずに着く。教育が行き届いているのは流石といえた。
だが、いまや張り詰めた空気のみが流れるお茶会の席、誰も茶器に手を伸ばさず、視線は伏せたまま、皇のお言葉をただひたすら待つ。優雅な微笑みを忘れずに。
「…っ、母上ッ」
私たちが席に戻ることで、皇陛下の右手御前に立っているのは殿下方のみだ。
殿下方を追ってきた近衛は膝をついたまま。給仕方はその場に立ち尽くすが、これは仕方ない。
香気放つ扇がまた、くるりくるりと銀の髪をもてあそぶ。
「……私は、このような余興の話は耳にしていなかったのだけど、ねぇローズ、イヴァンの近くに侍る娘は誰?」
「皇妃には初めてお目通りいたします!、わたしはティルナシア。カーター男爵家の」
「ローズ」
溌溂とした声を上げた少女の声を遮って、皇のお声が静かに私を呼んだ。胃が痛い。
「は。寡聞にして存じませぬが、殿下が『この可憐なるカーター男爵家令嬢、ティルナシア・カーターとの』と仰っておられましたので、ティルナシア・カーターというお名前のお嬢さんかと推察いたします」
「ローズ!、貴様という女は!、そうやって私の目の届かぬところでティナを貶めていたのだろう!、はっ、化けの皮が剥がれたな!」
したり顔、殿下の声に私は無言を貫く。というか、目の届かぬも何も、私を監督管理しているのは皇なのだが。
頭の中に軽やかな鈴の音がした。
奇才アイリスの作り上げた魔法の一つ、「疎通」の音に視線をアイリスに向けることなく応答する。
アイリスの奇才を目にするとき、私はアイリスが皇に一番似ている、と感じる。次代はアイリスでいいんじゃないのかなぁ、と。
能力主義、実力主義のこの国らしく、魔力で言えば私、武力で言えばジャスミンが次代に相応しいと言われているが、私は皇の如く自在で独特で既成概念を吹っ飛ばす「魔術」を「新たに創ることができる」アイリスこそ次代に相応しいと考える。
ちなみにこの魔法は先程私が令嬢方に送った合図の「原型」だ。
『皆を繋いで』
「………」
簡潔な言葉に一瞬目を瞑った。魔力は豊富にあるので構わない。此処にいる十二人を繋げる為の網を編むのが少しだけ面倒なだけで、構わない。
瞬時に全員が同じ網のなかにある点となったことを感じたアイリスが「疎通」で話し始めた。
この魔術は一対一だった「念話」の魔術理論を再構築し、多対多に創り換えたアイリスの作品の一つだ。戦中は大変役に立った。
『皆さま、アイリスですわ。どなたでもよいの、ティルナシア嬢や殿下と一緒におられる方たちに関することを教えて頂戴。皆さまがご存知の通り、私たちはこの三年ほど社交には関わっていないでしょう。あのご令嬢のことがわからないの。でも、我らが皇陛下には、そんなことは関係がない、ということも、皆さまはちゃんとご存知でしょう。誰が、いつ、なんと質問されるかわからないわ。情報の共有をいたしましょう』
誰一人、驚いた表情を浮かべたりはしない。流石第一線に出る親兄弟を持つ貴族家のご令嬢たちだ。
『失礼いたします。ファルミナでございます。私を含め、此処にいる皆様方とは学園で同じクラスでした。彼女は男爵家ということでございますから、違うクラスでしょう。ですから、此処にいる誰もが詳しくは存じ上げないのではないかと愚考いたします。ターナー男爵領は戦場となりました北方とは離れた西南の領地で、温暖な気候であるにも関わらず、手つかずの土地が多い寂れた地であったかと記憶しております。狭い地であり、鉱山などはなく、なだらかな丘の続く土地でございます』
『失礼いたします。カルヴィナでございます。私の記憶では、ターナー男爵家は、ご当代、跡取りでいらっしゃるご長男、ご次男のお名は名鑑に記載されておりますが、奥方、女児ともにいらっしゃらなかったかと。故に社交に乏しく、忘れられた貴族、のおひとかたであったと記憶しております』
文官としての優秀さアピールを忘れない侯爵家と伯爵家令嬢の声がした。
我が国は能力主義だから、女性の地位も当然拓けている。何せ、頂点が頂点だ。血筋などは付属物にすぎない。
能力の高いものが高位貴族となる。武力であろうと、魔力であろうと、学識であろうと、評価されるべきものが評価される。
高等な教育を手にすることができる高位貴族の令嬢は、子息に劣らぬほど、剣に、魔術に、勉学にいそしむ。故に領地や所属氏名、それらが載る貴族名鑑を熟読することは、文官を目指すものには初歩の初歩で、社交にかかわることが薄い貴族たちを「忘れられた貴族」と呼びならわす「貴族らしさ」もアピールする。
バランス感覚は何事においても重要なのだ。
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