恋愛茶飯事 ~ 先生とボクのラブでバトルな日常

ヒイラギ

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17.不機嫌なくちびるには

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仕事で煮詰まったらしい。
不機嫌そうにくちびるをとがらせて、
修平が寝室兼仕事部屋にしているベッドルームからでてきた。
コキコキっと首を左右にまわしているから、ずっと、パソコンをしてたみたいだ。
テストが終わると、点数をパソコンに入力して平均点やなんかのデータを作るのらしい。
今日はけっこう時間がかかると言っていたから、ちょっと休憩しにきたみたいだ。
「なんか飲む?」
ラグを敷いてる床にねっころがって解いていた英語の問題集から顔を上げて、
ボクは、ドサっとソファにすわりこんだ修平に聞いた。
お疲れモードの修平に、ちょびっとぐらいサービスをしてやろう。
「あ、いや、いい」
そう言って、修平はソファの前のローテーブルに置きっぱなしにしていたタバコに手を伸ばした。
仕事中はタバコを吸わないのが、修平なりのポリシーみたいだ。
箱から一本取り出そうとしているトコを見て、
あ、なんか、ソレって違わなくない?
と、思って、
ボクは立ち上がって修平のとなりにストンとすわった。
そんで、両手を修平の首にまわす。
その、とんがったくちびるをリラックスでやわやわにするのって、ボクの特権だよな。
だから、
「なんだ、凛一?」
と、聞いてきた修平にくちびるを寄せていきながら、ヒソっと言った。




タバコの前にさ、ボクのくちびるを先に吸うべきだよ。






( おわり )






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