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抗争
しおりを挟む「おうおう!縞次郎!親父さんを返せやこのやろう!」
「鍵は持って来たのか?」
虎の獣人らしいな。
「兄貴!お願いします!」
「はぁ…兄貴じゃねえって」
「おう!助っ人か!うちに三倍の値段で買われんか?」
「俺はこんなのどうでもいい、さっさと終わらせよう」
顔を赤くした縞次郎は、
「いてこましたれぇぇ!」
と大勢出てくるが、
「サンダーショック」
「「「アビバババババ」」」
さすがに大勢倒れて、縞次郎はあせっているようだ。
「て、てめぇら汚ねえぞ!助っ人なんてよこしやがって!」
「テメェらがさきに仕掛けて来たんだろ!つべこべぬかさず指つめろやー!」
「ぬぅぅ!せ、先生!お願いします!」
(そっちも助っ人がおるんかい!)
「ぬ!お主は?まさかとは思うがランクS?」
「…そうだが」
「じゃあ、俺はこれで!」
「おいふざけんなぁ!どんだけ金かけたと思っとるんじゃ!」
「は?なぜ負ける舟に乗らなきゃならんのだ?俺は勝つ舟に乗る!」
(ある意味潔いな)
「ガアァァアァァァ!」
「うお!吠えんなや!」
「許さんぞ!逃げずに戦え!」
「えぇ?だってあいつほんまモンの人斬りやで?」
「人斬り…聞いたことはあるな」
「…はぁ、さっさと終わらせよう」
「ま、待て!返す!返すから!」
と、ボコボコになった熊の獣人が投げ出される。
「「「親父さん!!」」」
「もういや…ヒール」
親父さんは直ぐに治って立ち上がるとこっちに礼をする。
「助けてくれてありがとう!これからはこちらの番や!やれ!お前ら!」
「おっしゃ!やったるで!」
とようやく抗争に発展したのでここらで帰るとするか。
「お互い大変ですなぁ」
先生と呼ばれたやつが隣を歩いている。
「…はぁ、お前は楽しそうだけどな」
「まあまあでしたな!でもあんさんが出て来ちゃおしまいですやん!」
「…俺も来たくなかったよ」
「でも来ましたやんか!まぁ、あいつらのことやから土下座でもしたんちゃいます?」
「…まあな」
「はぁ、人間にしては良い人なんですね」
「…」
「んじゃ。またの機会を楽しみにしてまっせ!ほんなら」
「…つかれる」
(ダウンと同じような種族だろうな)
「あ!帰ってきた!」
「…ただいま」
「どうだったの?」
「まぁ…勝手に盛り上がってるな」
「ふーん、そう、なら良いけどね」
「ねえねえ、どんなのだった?任侠映画みたいだった?」
とセイランが聞いてくるが、
「…酷かったぞ?縞次郎一家に塔鱒一家の喧嘩だ」
「ブッ!本当に?」
「…笑えるだろ?」
「ギャハハハハ!ジョーダンだろ!」
「え?どう言うこと?」
「有名どころだね。しかし何て名前だ」
と日本人組は笑っている。
まぁこっちだと平凡なのかもしれないな。
「ねぇ、何で笑ってるの?」
「あぁ、幼児が見る物にあるんだよ」
「へぇ、だから笑ってるのか」
まぁ、笑いに慣れてるから直ぐに忘れて別の話題になり夕食は楽しく過ぎていった。
「昨晩はお世話になりやした。塔鱒一家の親分している熊五郎です」
「…はぁ、わかったよ」
「それでいかほど」
「いらん!もういいから」
「そ、そんな不義理は」
「大丈夫だ」
「わ、わかりました!何かあれば直ぐに言ってください!直ぐに飛んでいきますんで!」
「…分かった」
「それでは」
「いまのは?」
「トーマス」
「あはははは!」
クオンが笑ってるが笑いごとじゃないぞ。
さて今日まで休みにして明日からはまた旅の予定だ。
今のうちに買うものを買っておかないといけないな。と思ったのも束の間、
「キャアァァァァ」
「メリッサ!」
「ガハハ!お前の大事なもんを壊してやっ」
「…誰のものに手を出している?」
首が落ちたのは縞次郎。
メリッサに血を浴びせたくなくてこっちに抱き寄せ収納に縞次郎をしまう。
「ケント様…」
「悪いメリッサ」
「いえ…」
落ちているのは縞次郎の頭だ。
それも収納にしまうとメリッサの服を叩いてやりクリーンをかける。
まぁ、これで変な抗争も無くなるだろう。どっちかと言うと縞次郎が悪かったしな。
「さて、買い物に戻りましょうか!」
だいぶクオンも慣れて来たな。イサムはまだ口をあんぐりしているが、そのうちなれるだろう。
「ダウン!イサムを連れて来てくれ」
「はいはーい」
ダウンに連れられてくるイサムはようやく通常運転になる。
「はぁ、ビックリした」
「それで済めばその内慣れるよ」
「っすね」
「シャキーン」
「あっ!」
とネアノアが真似するくらいだからな。
まぁ、ほんとはネアノアには見せたくはないんだが今回はしょうがない。
買い物が終わり宿に帰るとたくさんの男達が倒れていた。
「そっちにも来た?」
「おぉ、そっちにもか?」
「私達は無事よ」
「こっちは殺してしまった」
「まぁいいでしょ」
兵士がようやく来て説明してるルビー、
「ひ、人斬り?馬鹿な奴らだな」
と言って男たちを連れて行った。
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